ベクロメタゾンOTC点鼻薬が発売

 12月7日に発売となりました。ウェブサイトもオープンしています。(コンタックブランドは掲載され次第リンクさせます)

 ナザールAR<季節性アレルギー専用>
   http://www.stona.jp/nazal-ar/index.html

  ナザールARに関するQ&A
   http://www.stona.jp/nazal-ar/question/index.html
  薬局薬店向けチェックリスト
   http://www.stona.jp/nazal-ar/file/checkseat_pharmacy.pdf

 一方、承認の審議を行った8月23日の薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会(TOPICS 2010.08.25)の議事録が7日、掲載されています。

 1ヶ月の使用制限になった経緯についての理由について、薬系の委員からPMDAに対し、さまざまな質問・疑問が浴びせられています。

平成22年8月23日薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会議事録
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000y39x.html

以下議事録より抜粋

○岩月委員
 1年間に1か月間を超えて使用しないことというのは、多分連続してという意味だろうと思われるのですが、その1か月にされた根拠というのは、どこかにあるのですか。

○PMDA
 確かに3か月の使用に関する調査の結果が提出されているのですが、審査での議論において、まず本剤はステロイド成分ということで、長期連用による鼻中隔穿孔が起こる可能性が指摘され、一般用医薬品としては、漫然とした使用を回避することが最重要ということになりました。

 そのような理由からまず、効能・効果は季節性アレルギーに限定されたのですが、本剤は通年性アレルギーに対しても効果はあり一般用医薬品は医師の管理下で使用されないということを考慮すると、用法・用量についても、使用者が比較的自覚しやすい、繰り返し使用される懸念が少ない条件として、スギ花粉症に代表される1年のうち一定期間にすべきであろうということで、1か月間と設定したものです。

○岩月委員
 「長期にわたって漫然と使用しないこと」といった一般用医薬品の注意書きが今まであったかなかったか。長期にわたって漫然と使用しないのが1か月なのかどうかということですよね。

 季節性のアレルギー性鼻炎に関しては、1か月間の使用程度で十分な改善があるかどうかという、逆に言うと、そういうデータがあるのかどうか

○PMDA
 有効性に関してですが、今回の添付資料にあります一般臨床試験については、4週間使用するという条件で確認しておりますので、4週間使うことで一定の効果を得られると考えています。

○部会長
 1年間に1か月使ったら、あとの11か月は使ってはいけませんと言っているのか、あるいは1か月程度使って、しばらく経ったらまたいいのかという、この点は非常にあいまいだと思うのですが、それについてはいかがでしょうか。

○PMDA
 1年の間に1か月で、それ以降はやめてくださいということで設定しております。

 当初は我々も、3か月の使用で問題ないのではないかと思っていまして、ただし、その3か月間、ずっと漫然と使ってはいけないので、1か月に一度ずつくらいは薬剤師の先生に助言を受けてもらうことを想定していました。そして、その3か月の間、1シーズンに1回くらいはお医者さんに診てもらう必要があるのではないかと専門の先生からご意見があり、そのように考えていました。

 しかしながら、別の専門医の先生から、医者に1回診てもらって3か月使うのであれば、一般薬とする意義がないのではないかとのご意見があり、であれば、1か月に一度、薬剤師の先生のチェックを受ける、その期間に限定して承認すればどうだろうということです。

 ここからはまた別の話になるのかもしれませんが、もしこれが承認されれば、PMSが必要になると思われますが、そこできちんと安全性が確認できれば、1か月を延ばすだとか、1年に2回くらい使ってもいいとかいうことも、将来的にはあり得るのではないかと私は思っています。

○岩月委員
 今の御説明は理解しましたが、こういう季節性アレルギー性鼻炎の症状というのが、例えば複数の植物由来によるものであれば、1か月間だけしか使えないことになると、実態としてどうなのだろうという疑問も湧いてくるわけですが、その辺はどのように考えればよろしいでしょうか。

○PMDA 
 専門医の先生に聞きましたところ、きちんと使えば3か月くらい使っても安全性は大丈夫な薬であるが、しかしながら、一般薬というのは、どういう使われ方をするかわからないところもあり、長く使うと副作用が起こる可能性があるらしいのです。鼻中隔穿孔などが起こるので、それは気をつけた方がいいと言われました。

 1か月間使った後どうするかということですが、他の薬剤、例えば、本剤のような抗アレルギー薬の点鼻薬などが出ていますので、まず症状が強いときには本剤のようなものを使っていただいて、それ以降は比較的副作用の心配が少ないものを使っていただくように、これは薬剤師の先生方の助言によって、そのようにしていただけるといいのではないかと思っています。

○福島委員
 そうしましたら、やはり薬剤師に必ず様子を見せなければいけないということを、この中にきちんと入れておいていただかないと、なかなか来局することはできないのはないですか。1か月ごとにとか、そういう形で入れることは不可能でしょうか。

○PMDA
 その点について、外箱には使用開始日と使用中止日を記載する欄が設けられておりまして、販売時に薬剤師の方から使用される方に書いてくださいという指導をしていただくように、薬剤師向けの製品解説書でもお願いはしています。

 1か月に限定してくださいということは確かに書いてあるのですが、その後どうするか、他の薬に誘導していいかどうかというのは、我々も実は考えたのですが、それが必要だということであれば、申請者とも話して、どこかに入れることを検討させていただきます。

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 PMDAでは、「一般薬というのは、どういう使われ方をするかわからないところもあり、長く使うと副作用が起こる可能性があるらしいのです。」と今回1ヶ月の使用制限となった理由を述べていますが、第一類は、薬剤師の管理下で販売されるものであり、販売時毎に漫然な使用が行われていないかどうかをチェックすれば、3ヶ月程度は使用できると思うのですけどね。

 また、質疑では、高血圧・糖尿病について禁忌となった件については触れていませんでした。

 結局は医師会(関係学会)の顔色を見て、自主規制したのでしょう。(というよりも圧力に従った?)

関連情報:TOPICS
  2010.10.15 ベクロメタゾンOTC点鼻薬の使用制限
  2010.08.25 ベクロメタゾン配合点鼻薬がスイッチへ


2010年12月07日 14:34 投稿

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