一般用医薬品部会、7成分のスイッチOTC化を了承

 28日、厚労省の薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会が開催され、エバスチンなど7成分をスイッチすることを了承したそうです。(この部会は非公開で行われるということもあり、資料は通常公開されないので、薬事日報などの記事を整理しました)

(2012.11.04 追記)
議事録:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/08/txt/s0828-5.txt

【薬食審一般用医薬品部会】7成分をスイッチOTC化−新スキームで初めての成果
   (薬事日報 HEADLINE NEWS 8月29日)
      http://www.yakuji.co.jp/entry7848.html

 今回の7成分のリスト化は、医療用医薬品の有効成分のうち一般用医薬品として転用することが適当と考えられるものについて、関係学会の意見を聴いた上で、薬事・食品衛生審議会において年間10成分程度を目標に討議・公表することにより、その転用を推進するという厚労省の「OTC転用スキーム」の一環として行われたものです。

 具体的には、日本大衆薬工業協会が昨年まとめた「スイッチOTC薬候補リスト」延べ70成分を土台に、日本薬学会が転用が適当と考えられる候補成分を報告書(ネット上にはいくら探しても見当たらないのですが、ご存知の方いますか?)として今年3月にまとめたものについて、日本医学会とその分科会である105学会に意見募集を行い、適当として選定された12成分について今回審議が行われたようです。

  • アンレノキサノクス内服(ソルファ)→了承
  • ペミロラストカリウム内服(アレキサール、ペミラストン)→了承
  • エバスチン内服(エバステル)→了承
  • チアラミド塩酸塩(ソランタール)→了承
  • イコサペント酸エチル(エパデール)→了承
  • フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻(フルナーゼ点鼻)→留意事項付了承
  • トコフェロールニコチン酸エステル内服(ユベラN)→留意事項付了承
  • ロキソプロフェンナトリウム内服?(ロキソニン)→既に承認申請があり除外
  • ボグリボース(ベイスン)→慎重にすすめる
  • ACE阻害剤→慎重にすすめる
  • ピランテル・パモ酸塩(コンバントリン)→慎重にすすめる
  • ヒアルロン酸ナトリウム(点眼? ヒアレイン)→慎重にすすめる

 一時、ACE阻害剤がスイッチされるのかとの話もありましたが、やはりまだ日本では無理のようです。一方、ピランテル・パモ酸塩は処方せん医薬品に指定される前は、薬局でも売られていたのに、今回も慎重にすすめるという結論が出たのはなぜでしょうか?(議事録がすぐに出ればいいのですが、この部会は公表が遅い!)

 さまざまな成分のスイッチ化の話は少しづつ伝えられていますが、現場の薬剤師にとって、なぜこの成分がスイッチ化に不向きなのかというう理由を知りたいものです。英国のようにパブリックコメントの全てを公表して欲しいとはいいませんが、せめて学会での慎重意見を示してもらえればと思うのですが。

関連情報:TOPICS 2008.08.06 クラミジア対策にアジスロマイシンがスイッチ(英国)

参考:
【日本大衆薬工業協会】スイッチOTC薬候補リストを公表
   (薬事日報 HEADLINE NEWS 2007年4月26日)
    http://www.yakuji.co.jp/entry2944.html
薬事・食品衛生審議会  一般用医薬品部会議事録(2007年3月22日開催、後半の方です)
    http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/txt/s0322-6.txt


2008年08月30日 00:34 投稿

Comments are closed.