「患者のための薬局ビジョン」実現のためのアクションプラン検討委員会報告書

 表題の報告書について、厚労省の下記ページに「平成28年度患者のための薬局ビジョン実現のためのアクションプラン検討事業」として、このほど掲載されています。今後周知が求められるようなので、取り急ぎ紹介します。

薬局・薬剤師に関する情報
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakkyoku_yakuzai/index.html

 厚労省のサイトには何の説明がありませんが、この報告書は、みずほ情報総研が厚労省から受託し、薬局や患者に対するアンケート調査や自治体や地域に対するヒアリング調査を実施するなどしてまとめられたもので、薬局の取組について全国的な進捗状況を評価するための指標(KPI)の提案や、かかりつけ薬剤師・薬局が持つべき機能と具体的な取組方針などが記されています。

調べたところ、同じ内容のものが下記サイトにも掲載されています。

「患者のための薬局ビジョン」実現のためのアクションプラン検討委員会報告書
(みずほ情報総研・調査・研究事例の紹介)
https://www.mizuho-ir.co.jp/case/research/mhlw_yakkyoku2016.html

「患者のための薬局ビジョン」実現のためのアクションプラン検討委員会報告書
~かかりつけ薬剤師・薬局となるための具体的な取組集~
(平成29年3月31日 「患者のための薬局ビジョン」実現のためのアクションプラン検討委員会)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/actionplan01.pdf

薬局の取組の全国的な進捗状況を評価するための指標(KPI)の設定がどのように決められたかの経緯なども記されています

患者のための薬局ビジョン実現のための実態調査報告(平成29年3月31日)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/actionplan02.pdf

 薬局向けの調査結果を見ると、在宅業務や地域包括ケアへの参画については、人員不足や調剤に時間がとられて、なかなか進まない現状が伺えます。また「他の薬局をかかりつけにしている患者が来局した際に得られた服薬情報等をその患者のかかりつけ薬局へ提供しているか (問38)」といった、現状からみるとちょっとどうかなといった質問もあります。

 患者向け調査対象は薬局ごとの6人ですが、どうみてもバイアスや誤解がありそうです。 なせなら、かかりつけ薬剤師が52.5%もいるとのこと(単なる? or 調剤報酬上?)

 注目は、患者向け調査の自由記述でしょうか。これを見て、今回の制度(設計)の矛盾や問題点を厚労省も気付いて欲しいと思います

「かかりつけ薬剤師・薬局」に関する意見等
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/actionplan02.pdf#page=90

 その他に、下記の資料が掲載されています。

地域包括ケアシステムにおいて薬剤師・薬局が参画している好事例集
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/actionplan03.pdf

【地域での取組が最近始まった事例】

  • 地域ケア会議への参加や市との意見交換の実施等を通じた薬剤師の地域包括ケアシステムへの参画(岡山県倉敷市)
  • 輪番制による薬剤師の地域ケア会議への参画(大分県杵築市)
  • 薬剤師が参加する地域ケア会議の取組(大分県臼杵市)

【地域包括ケアシステムや医療介護連携の全国的な先進事例】

  • 多職種が参画する地域ケア会議(埼玉県和光市)
  • 医療・介護多職種連携の取組(千葉県柏市)

【薬薬連携の取組事例】

  • 病院の薬剤部と地域の薬局の連携(茨城県ひたちなか市)

【薬剤師・薬局発の取組事例】

  • 薬局が参画する在宅ケアチームによる会議体運営(広島県福山市)
  • 薬局薬剤師の職能の積極的な情報発信(富山県新川地区)

【多様な方法による多職種連携の取組事例】

  • 多職種のアドバイザーによるケアプラン点検(青森県青森市)
  • 麻薬の調剤、麻薬小売間譲渡などを目的とした地域における輪番体制の構築・運用(千葉県松戸市)
  • 参加しやすい地域ケア会議の開催やICTの活用による多職種連携の取組(茨城県笠間市)
  • 医療介護情報連携ツール「つながりノート」を通じた多職種間の情報共有の取組(兵庫県川西市)

平成27年度健康情報拠点薬局事業事例の報告
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/actionplan04.pdf

  1. 千葉県 介護事業者と連携した在宅薬剤管理指導
  2. 東京都 訪問看護ステーション・介護支援専門員・医療機関等との連携による在宅医療服薬支援事業の実施
  3. 滋賀県 残薬管理システムを活用した残薬確認の実施
  4. 高知県 飲み残し薬対策の取組結果に基づく事例集の作成

2017年04月25日 02:24 投稿

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