無煙たばこについても健康リスク表示を強化すべき

 日本学術会議の分野別専門委員会は8月30日、無煙たばこ製品に関する緊急提言を行っています

無煙タバコ製品(スヌースを含む)による健康被害を阻止するための緊急提言
(日本学術会議 健康・生活科学委員会・歯学委員会合同脱タバコ社会の実現分科会 2013.08.30)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-t177-1.pdf

 「通常の紙巻タバコに比べて健康被害が少ない」、「煙が出ないことから受動喫煙の危険性がない」などとして、個人輸入やネット販売などにより、近年我が国でも使用者が増加傾向にある無煙タバコについて、「より安全な製品」と誤認されているとして、問題があると指摘、特に、JT のスヌース製品(湿性嗅ぎタバコ(moist snuff))については、たばこ事業法施行規則で定められる注意文言が、製品を直接入れる容器に記載されていないとして、使用時に健康被害を認識させづらいという点で大きな問題があるとしています。

 提言によれば、スヌースはpH がアルカリ性に調整され、ニコチンがイオン化せずに非イオン型で存在することから、口腔粘膜や鼻腔粘膜からのニコチンの吸収速度が高く、依存に陥りやすい製品設計となっていると指摘、乳幼児が誤嚥や誤飲をする可能性や未成年者が授業中も使えてしまう可能性も指摘しています。

(こんな感じ?・ブログ記事)
http://plaza.rakuten.co.jp/unagi1/diary/201306150000/

 厚生労働省では、2013 年 4 月から厚生科学審議会に「たばこの健康影響評価専門委員会」を設置し、ようやく健康影響評価を開始していますが、スヌースなどの無煙タバコ製品は現時点では評価の対象となっていないそうです。

“火をつけずに使用する、煙の出ない”無煙たばこゼロスタイルにSNUSが登場
ゼロスタイル・スヌース・レギュラー、ゼロスタイル・スヌース・ミント
8月上旬より大阪市内の一部販売店にて新発売
(JT 2013.06.13)
http://www.jti.co.jp/investors/press_releases/2013/0613_01.html

SNUS(かぎタバコ)について知っておきたいこと。 – NAVER まとめ http://matome.naver.jp/odai/2137134639897809101

関連情報:TOPICS
 2013.05.22 第2回たばこの健康影響評価専門委員会
 2013.04.12 たばこの健康影響評価専門委員会が始まる

参考:
無煙たばこで「受動喫煙のおそれ」 学術会議が緊急提言
(朝日新聞 2013.08.31)
http://www.asahi.com/national/update/0831/TKY201308310019.html
無煙たばこ:煙なくとも害あり…学術会議が緊急提言
(毎日新聞 2013.08.31)
http://mainichi.jp/select/news/20130831k0000m040036000c.html


2013年09月02日 00:57 投稿

Comments are closed.