てんかんなどの既往歴がある人にはケトチフェンは禁忌

 厚労省は20日、ケトチフェンフマル酸塩(経口剤)について、てんかん又はてんかんの既往歴のある患者には使用しないよう、添付文書の変更の指示を行っています。

使用上の注意改訂情報(平成23年4月20日指示分)(PMDAウェブサイト)

上記によれば医療用では

[禁忌]の項に
「てんかん又はその既往歴のある患者」を追記し、

[慎重投与]の項を
「てんかんを除く痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者」と改める。

一般用では、

[してはいけないこと]の項に
次の人は服用しないこと:「てんかん又はけいれん発作を起こしたことがある人。」を追記し

[相談すること]の項の
次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談すること:「次の診断を受けた人。てんかん」を削除する。

と改める指示が出されています。

 PMDAによれば、下記の古い論文が根拠とされています。

Proconvulsant effect of ketotifen, a histamine H1 antagonist, confirmed by the use of d-chlorpheniramine with monitoring electroencephalography.
Methods Find Exp Clin Pharmacol. 1993 Apr;15(3):183-8.)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8101246

てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者が慎重投与の理由
(ザジテン新着情報 医療関係者向けFAQ)
http://www.zaditen.jp/faq/q_023.html

WEB上には、次のようなスライドもありました。

乳幼児は抗ヒスタミン剤でけいれんすることがある
(北摂小児科医会第67回北摂小児科医会教育セミナー)
http://www.hokusetsu-peds.jp/ppt/20091212.ppt

 シプロヘプタジンなどもけいれんのリスクがあるとよく聞きます(当地でもペリアクチンシロップの処方は少なくなった気もする)が、一般用医薬品のリスク区分の変更や花粉症が収束しつつあるこの時期になぜ変更の指示を出したのでしょうね。

 もうちょっと今回変更した詳しい理由がわかるようにしてもらいたいですね。


2011年04月21日 17:17 投稿

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