エパデールOTC(エパデールT・エパアルテ)が発売開始

 大正製薬と日水製薬は15日、医療用医薬品エパデールS600のスイッチOTC薬のエパデールT(大正製薬)・エパアルテ(日水製薬)を新発売したと発表しています。

生活習慣病を対象とした日本初のスイッチOTC薬
「エパデールT」新発売
(大正製薬株式会社 2013.04.15)
http://www.taisho.co.jp/company/release/2013/2013041501.html

生活習慣病を対象とした日本初のスイッチOTC 薬!!
『 エパアルテ』新発売 -発売日:2013 年4 月15 日(月)-
(日水製薬株式会社 2013.04.15)
http://www.nissui-pharm.co.jp/information/pdf/20130415.pdf

 どちらのプレスリリースにも、

全国発売に先立ち、厚生労働省の指示に伴い適正使用調査を実施いたします。適正使用調査とは、薬剤師が、お客様が適切な服用対象であることを確認し、服用指導や生活習慣改善のためのアドバイスなど適切に行えるかを確認する調査で、調査期間中は実施頂ける販売店で限定して発売いたします。

と記されていることもあり、どちらも詳細な情報はあまりWEBに掲載していません。

  希望小売価格は、14日分42包、税込5,800円(エパアルテには84包、税込11,600円という包装もある)で、エパデールTについては、ツイッター上で話題になっていた、「エパデール販売認定薬剤師」がいる薬局・薬店での販売になるとしています。(だから販売者向け資料も一切なし)

エパデールT(ブランドサイト)
 http://www.taisho.co.jp/epadel-t/

 15日の日経記事によれば、これまでの報道の通り、「購入前に医師の受診が義務付けられた。」としてますが、ブランドサイト・添付文書を見ても、このことは一言も触れられていません。

エパデールT添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/K1304000002_01_A.pdf

エパアルテ添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/K1304000003_01_A.pdf

 また、読売新聞3月6日の記事で、エパデールを買う際は、「医療機関を受診した方に限られます」と記され、「診察で通院治療は不要と告げられた」「診断を受けた病院名」「診断日」などを記入させるという(セルフ)チェックシートも現時点では見つかりませんでした。(公表は適正使用調査が終わってからかもしれない)

 また、取扱店舗も日経記事によれば、購入から3カ月間の追跡調査が可能な全国2000店舗に限定されているとしていますが、この選定はだれが、どのような基準で決めたのでしょうか? (ブランドサイトには夕方まで、取扱い店舗のページを確認したのですが、現時点では削除されている。おそらくすぐに再掲載される思いますが、一時的に削除した理由は不明。確認できた栃木県はウェルシア/イオングループの店舗がほとんどだった。)

 私のところは先行販売の店舗には選ばれなかったので、「エパデールT販売認定薬剤師」となるための研修を受けていないので、詳細はわかりませんが、本当に購入前に医師の受診が義務付けられているのなら、そのことをプレスリリースやブランドサイトで触れるべきではないでしょうか?(もしかして、受診義務の確認は努力義務だったりして)

関連情報:TOPICS
 2013.01.09 医療機関にまず受診していないとエパデールOTCは買えない
 2012.12.28 エパデールOTCが正式承認、審査報告書も公開


2013年04月15日 23:07 投稿

コメントが6つあります

  1. アポネット 小嶋

    まだ、現時点でも取扱い店舗のページは削除されたままです。

    関連記事です。(要会員登録)

    購入前の医療機関受診が必須に
    エパデールのスイッチOTC薬が発売
    (日経メディカルオンライン 2013.04.16)
     http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201304/530037.html

    「購入前に医療機関を受診し、医師から通院が必要と言われていないことなどを薬剤師がチェックシートにより確認する。医療機関の受診については、受診年月と受診医療機関も確認する必要がある。」となっているので、薬剤師用のチェックシートは存在するようです。

    しかし、これにあてはまる購入希望者というのは、実際のところどれだけいるのでしょうか?

    また、購入者から、「何でそんなことを言わなきゃいけないの?」とか、「何で医者に1回かからなければいけないの?」と言われそうだと思うのですが、きっと「エパデールT販売認定薬剤師」の方は、想定問答集で答えが用意してあるのでしょうね。(一般用医薬品なのに変な話)

  2. アポネット 小嶋

    取扱店のページは復活しました。

    エパデールT 取り扱い店について
    http://www.taisho.co.jp/epadel-t/store.html

    北関東はやっぱりイオン/ウェルシアグループがほとんど。他のチェーンは薬剤師がいる店舗が限られているのかもしれない。

    それと、やっぱりセルフチェックシートは存在するようです。

    ツイッター上に、セルフチェックシート(服用者向け情報提供資料(お客様用))の画像が掲載されていたので、勝手に共有させて頂きます。(画像をクリックすると別ウインドウで鮮明に見えます。ブランドサイトにはアップされないのかなあ?)

    服用者向け情報提供資料(お客様用)より。最後のページにありました、セルフチェックシート。... on Twitpic

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    ○○医院に、××月××日に受診したと書いてないとエパデールTは買えないのでしょうかね?

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    この薬の効果は?
ちなみにこのパンフは取扱店においてあると思うので興味のある方はもらってきてはどうでしょう? 私もお客さん... on Twitpic

    このお薬を使う前に、確認すべきことは?
あれあれ? 大事なことが書いてないような…?
... on Twitpic

    左下『健康診断の結果を軽視せず、異常値はきちんと認識して受け止め、理解し、食事と運動を含めた早めの対策で、健康な体を保ちま... on Twitpic

    せっかくなので残りのページも。 on Twitpic

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  3. 「運動療法をしたけれどダメだった人に売る薬」なのに、
    運動療法指示の詳細とその指示に従った結果については
    訊かない仕様なのですね。

    販売する薬剤師は、
    「運動療法をして、医師にさじを投げられましたか」
    と訊いて、「特に指示を受けていない」なら、薬を売らない方向で
    考えるのが誠実なのかも。

    「通院治療を必要としないと認めたにもかかわらず、
     医師が的確な運動療法指示をしなかった」
    事例がどのくらい集まるのか、興味があります。

  4. アポネット 小嶋

    私も、近隣の取り扱い店舗でセルフチェックシートをゲットしていましたが、ブランドサイトにもセルフチェックシートがアップされています。(意外と苦戦してるのかもなあ)

    セルフチェックシート(エパデールT)
    http://www.taisho.co.jp/epadel-t/checksheet.html

    ただ、PDFでダウンロードできることについては、どうなのかあと思います。

    初めての方用
    http://www.taisho.co.jp/epadel-t/pdf/check_1.pdf

    2回目以降の方用
    http://www.taisho.co.jp/epadel-t/pdf/check_2.pdf

  5. アポネット 小嶋

    薬事ニュース5月17日の配信記事によれば、エパデールTで不適切な販売事例あったそうです。

    記事は、TSUTAYA オンライン・ショッピングの下記ページの「ちら見する」で今のところ読めます。

    薬事ニュース 2013/05/17
    (TSUTAYA オンライン・ショッピング)
    http://shop.tsutaya.co.jp/mag/product.html?productid=1281682363&scheduleid=931513

    記事によれば、日医の職員が大手ドラッグストアでエパデールTを試買したところ、セルフチェックシートを全く見ずに購入できたとして、日医の中川副会長が「約束が守られておらず、これからは信用できない」と憤慨しているとのことです。

  6. アポネット 小嶋

    ネット販売の解禁問題で日医が5日プレスリリースを出しています。

    一般用医薬品のインターネット販売についての日本医師会の見解
    (日本医師会 2013.06.05)
    http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20130605_1.pdf

    (抜粋)
    第二に、一般用医薬品の安全性を確保する仕組みの再構築を医学、薬学等の専門家によって検討することを提案する。第一類医薬品は、その多くが医療用から一般用に移行(スイッチOTC)されたものであり、一般用医薬品としてのリスクが確立されておらず、一般用医薬品に移行した後に、死亡例が報告されているものもある。

    今後は、スイッチOTC化を慎重に検討するとともに、スイッチOTC 化後の一定期間は、たとえば経過期間として取り扱い、問題事が発生した場合には、いったん医療用のみに戻すことも必要であると考える。

    上記を読むと、これを機に、エパデールTの販売中止に持っていきたいのではないかと勘繰りますね。