医療機関にまず受診していないとエパデールOTCは買えない

 なぜ、こういった話が日医の定例記者会見から初めて出てくるのか怒りがこみ上げます!

 まだ日医のHPには関連記事・資料は掲載されていませんが、9日の日医記者会見で、昨年末正式承認された(TOPICS 2012.12.28)エパデールOTCの購入条件などをまとめた いわゆるセルフチェックシートに、「このお薬の使用は医療機関を受診された方に限られます」という文言が加わることが明らかになったそうです。

OTCエパデール、再び前途多難に
日医 正式承認取得もチェックシートに苦言、購入要件を追加
(RISFAX 2013.01.10)
http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=40242

エパデールOTC  購入時に「受診確認」、日医要請で厳格化
(日刊薬業WEB フリーサイト 2013.01.09)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226571539850.html?pageKind=outline

エパデールOTC、医療機関の受診必須に- セルフチェックシート内容を変更
(医療介護CBニュース 2013.01.09)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/38954.html

上記記事へのツイート→リンク

 つまり、健康診断等で指摘された中性脂肪値のデータを持って、まず医療機関にかかってからでないとエパデールSは買うことができないという仕組みに改められるそうです。

 英国でのタムスロシンのように、使用後3~6か月後までに一回医療機関を受診するという仕組みにするのならまだ納得できますが、まず買う前に受診して下さいとなれば、全くOTCとしての意味はなくなりますよね。(ちっともセルフメデフィケーションではない)

 受診すれば、まずは経過観察しましょうという指導を受ける人出てくるでしょうから、これでは単に保険でもらうか、自費で購入するかだけの違いにしかならなくなります。(高いリフィルみたいだとのツイートも)

 もはや、エパデールOTCの意味はほとんどなくなってしまいましたね。大正製薬と日水製薬には気の毒ですが、はっきり言ってもう発売する意味はありませんね。

 埋もれた患者さんの掘り起こしや医療機関へのアクセスがしにくい人の橋渡しとして、新たな試みと期待していたんですけどね。

 審査報告書を見ても、きちんと必要な事項は網羅していると思ったんですけどね。おそらく、セルフチェックシートの当初案も、公表されないままこれで葬られるんでしょうね。(こういうことだっておかしい)

 やっぱり、日薬がこれまで正式なアピールをしなかったのも問題だと思います。もう怒りしかありません。

 それにしても、エパデールOTCに関しての情報はどうして医師会が先行するでしょうね? 

 会員と国民に対して未だ沈黙を続ける(正式なステートメントがない)日薬に、セルフメディケーション推進をする姿勢が本当にあるのかどうか疑問を感じざるを得ません。

エパデールT、エパアルテ・審査報告書
(PMDA 一般用医薬品承認審査情報)
http://www.info.pmda.go.jp/ippan/O201200010/790005000_22400APX00613000_Q100_1.pdf

参考:エパデールTの添付文書案
(日刊薬業行政資料)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226585918847#page=62

関連情報:TOPICS
 2012.12.28 エパデールOTCが正式承認、審査報告書も公開
 2013.01.01 新年雑感-2
 2012.11.01 エパデール問題、スイッチへの意義とプロセスの共通認識が必要
 2010.04.01 OTCタムスロシンの販売が開始(英国)

1月10日 9:00リンク追加


2013年01月09日 23:23 投稿

コメントが9つあります

  1. アポネット 小嶋

    それにしても、なぜこういった発表が日医から一方的に出されてしまったのでしょうか?

    m3.com の記事によれば日薬は蚊帳の外だったみたいですね。

    スイッチOTC、生活習慣病は「凍結」
    (m3.com 医療維新 2013.01.10 要会員登録)
    http://www.m3.com/iryoIshin/article/164312/

    購入前に、医師の受診が必要ということになると、もはや審査報告書のp4~p5にある今回のスイッチの意義の意味がなくなると思います。

    ————————————————

    本剤を一般用医薬品として製造販売することの意義について、申請者は以下の項目を挙げてい
    る。

    ①平成14 年11 月の一般用医薬品承認審査合理化等検討会の中間報告書では「生活習慣病等
    の疾病に伴う症状発現の予防」が新たな一般用医薬品の分野として挙げられていること。また薬
    事・食品衛生審議会一般用医薬品部会における議論等を経て厚生労働省より通知された「医療用
    医薬品の有効成分の一般用医薬品への転用について(平成20 年8月28日付薬食審査発第0828001 号審査管理課長通知)」に本剤が含まれていること。

    ②近年の食生活等の変化から、冠動脈性疾患発症の危険因子の一つと考えられている中性脂肪異常値を呈する日本人の割合は増加している。「動脈硬化性疾患予防ガイドライン(2007 年、日本動脈硬化学会、以下「ガイドライン」という。)」によると、中性脂肪異常値の改善等のためには生活習慣の改善が効果的であり、またその長期的取り組みが必要で、その一環として本剤の服用により高脂血症等の発症リスクの軽減が期待され、国民の保健衛生・健康増進に役立つと考えられること。

    ③中性脂肪値は健康診断等の検査結果から薬剤師や消費者が異常であるかの判断が可能であり、その結果に基づき本剤を一般用医薬品として使用することは有用であると考えられること。

    ———————————————–

    承認の根幹にかかわる部分の変更ですよね。

    それを医師会と厚労省とメーカーだけで決めてしまうんですか?!

    きっと医師会では、検診などで中性脂肪が高めと思う人のセルフメディケーションは、トクホで十分ということになるんでしょうね。

    本当に、今回ばかりは怒りを禁じ得ません。

    TOPICS 2011.2.24 一般用医薬品部会議事録 2010.11.24 一般用医薬品部会議事録

  2. 小嶋先生のコメントに全く同感です。もはや、OTCとしての存在意義は全くないと思います。医療機関で中性脂肪異常値を指摘され、高いOTCを購入する奇特な方は何処にいるのでしょうか? お目にかかりたいですね。おととしの大震災時の石原都知事の言葉が思い出されます。●医は我欲の塊では?。田村憲久新厚生労働大臣(48歳、三重4区選出)のコメント聞いてみたいですね(そんなに大きな話ではない?)。

  3. 私はスイッチOTC化=保険薬切りだと思っています。
    「エパデールは高い薬だから、患者さんに全部負担させよう」
    というのが厚生労働省の狙いなんじゃないかと。
    まあ・・・きちんと診察しないでDo処方を繰り返す医師も多いですから
    「薬だけもらえればいいや」と思う患者さんにとってはメリットあるのかも。
    逆に「薬もらうなら薬局だけでもいいかもしれない」と思わせるだけのことを
    薬剤師がやっていく良い機会かもしれませんね。

  4. 小嶋先生がエパデールの受診限定販売について、問題提起されていることは非常に重要なところです。
    先生の言われる通り、セルフメディケーションの根幹が揺るがされています。

    過去に、先生がいみじくも消費者(生活者)のOTC薬における自立心のあり方を書かれている論文があります。

    セルフメディケーションを踏まえた医薬品たるOTC薬という特殊性の高いものは消費者の自立心を高めなければならないが。
    それと並行して、薬剤師の積極的関与も必要であるということ。
    それによって、消費者の自立心はより完全な方向に向かうということです。

    OTC薬として馴染みやすいとされる高脂血症の境界領域の潜在予備軍の消費者(生活者)の自立心のあるべき姿とは。
    それを構築させるためのツール(表現は悪いですが)として、今回のエパデールのスイッチ化はあったのです。

    まずは使用者の自立、そして、それをサポートする薬剤師、受診を必要とする段階にきて初めて医師の存在が出てきます。

    それをいきなり、医師への受診前提が絶対的となれば、使用者の自立心、薬剤師のそれに対する育成ができなくなります。

    医師の懸念も理解できないところは確かにあります。
    それは現場の薬剤師が下記の仕事をしっかり全うできるかどうか。

    ・使用者の完全自立心に向けてのしっかりとしたサポートに取り組めるか
    ・医師への受診勧奨がしっかりと行えるか。

    これができない限り、いつまでたっても、医師の下請けとしてしか薬剤師は存在しません。
    これは薬剤師だけの問題ではなく、薬剤師と取り巻く人たちの問題でもありますが。

    ただ、今までの医師への直結的な医療アクセスには大いなる問題がありました。
    それは出来高払い制の歪みの部分です。

    医師は建前は患者とのインフォームドコンセントを唱えていますが、どこかで、医師の言うことを黙って聞いていれば良いというところがあります。
    つまり、セルフメディケーションを踏まえた患者の自立心のサポートを、謙虚にはしてこなかった現実です。

    それによって、患者の医師お任せ主義による医薬品への無知さ、医薬品へのコスト意識の無さを生じさせました。
    これは全てがそうとは言いませんが、かなり、そのようなところがありました。

    その歪みを改善する。そして、少子高齢化に向かっての日本の厳しい財政局面に対応する。
    そんな大所高所に立って、医師会は考えて欲しいものです。

                                                                

  5. アポネット 小嶋

    日医のHPに記者会見の記事が掲載されました。

    定例記者会見「エパデールのスイッチOTC薬化について」―中川副会長
    (日医白クマ通信 2013.01.11)
    http://www.med.or.jp/shirokuma/no1629.html

    どうも当日、チェックシートの見本が配られたようですね。

    販売する側の私たちが今回の変更について、知らないというのは本当におかしいです。

    日薬では昨日定例記者会見があったのですが、これに関する資料は出ていませんでしたね。

    業界紙の記者さんには何か言ったようですが、会員への説明責任はどうするんですか?

    する気がないなら、セルフメデフィケーション推進など言えませんよ。

    もしかしたら、役員の一部に販売が煩雑になって安堵している人もいるのではないかと勘繰ってしまします。(調剤に影響を受けますからね~)

    それと添付文書にも、『このお薬の使用は、医療機関を受診された方に限られます』という文言が入るのでしょうか? 

    医師会の意向で、もし薬事分科会で示された添付文書まで変更されるのであれば、私は大問題だと思うのですが。(注目しています)

    それと、製造元の持田製薬はともかく、販売する大正製薬や日水製薬、それとOTC医薬品協会などは今回の一方的な変更をどう考えているんでしょうね?

  6. 確かに日医のみの意見での決定は問題と思いますが、あえて反対側の意見と言うか疑問を書かせて頂きます。
    今のセルフメディケーションって医師との連携が無さ過ぎるのではないでしょうか?
    受診勧告ってどれくらいされてるのでしょうか?(特に量販店でしょうけど)薬が医療の一部でのセルフでなく利益を生み出す物品として扱われていれば、外部から見たら信用でき難いって気がします。
    うちへ1類買いに来られる人の話聞いても、ちゃんとした対面販売でなく、「他所ではすぐくれるのにここは何だ!」って人結構います。同業者でも不信感があるんですから外から見たら薬剤師ってなかなか信用してもらえないんじゃないでしょうか・・・・(あくまでも全体としてです。)
    患者が勝手に薬飲んで悪化しても最後には診ていた医師に責任がくるのであれば、自分が医師であれば不安や不信感があるって思います。
    やはりお薬手帳の活用や(電子化しないと無理?)地域の医療連携の中に入って行かないといけないような気がします。

  7. アポネット 小嶋

    発売開始までもう公開されないんじゃないかと思っていた「 申請資料概要」が承認から2カ月でようやくアップされました。

    特に2と8が注目です。(2の「開発の経緯」のファイルにある「海外における販売方法等に関する聞き取り調査」なんかはすごく興味深いだけど、どうして伏字にしたんだろう)

    【PMDA 申請資料概要】エパデールT/エパアルテ
    http://www.info.pmda.go.jp/ippan/O201200010/

    注目の「セルフチェックシート」(案)はやっぱり掲載されていませんでしたが、今回スイッチされた経緯や意義、薬剤師の具体的な関与のあり方がより詳しく書かれていて、不備と感じられるようなところはほとんどありませんでした。

    繰り返しになりますが、厚労省やメーカーは医師会の圧力に屈して、承認後に承認の根幹にかかわる部分の変更の要求を了承したのでしょう?

    承認の内容を変更しないのであれば、「セルフチェックシート」の意義とその活用法について今後問われることとなると思います。

    是非、今回の措置に至った経緯をきちんと明らかにすべきだと思います。
    (10月17日の一般用医薬品部会の議事録も4か月もたっているのに未だ公開されていない)

  8. アポネット 小嶋

    3月6日の読売新聞で、4月中旬からの発売との記事が。

    読売新聞3月6日
     http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130306-OYT1T00022.htm

    気になるのは、『エパデールを買う際は、「医療機関を受診した方に限られます」と記されたチェックシートに、「診察で通院治療は不要と告げられた」「診断を受けた病院名」「診断日」などを記入させるというものだ。』という部分。

    どうしてこういう話が、メディアで先行するのでしょうか?

  9. アポネット 小嶋

    12月19日の薬事分科会の議事録が公表され、セルフチェックシートに、「このお薬の使用は医療機関を受診された方に限られます」という文言が加わった経緯が明らかになりました。

    2012年12月19日 薬事・食品衛生審議会薬事分科会議事録
    (厚労省 2013.07.24 掲載)
    http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000379t5.html

    かなり激しいやりとりで、全文を是非読んでいただきたいのですが、一部抜粋します。

    <前略>

    ○中川委員
    まずは採血で、血液検査で、中性脂肪値に異常値が出たら、その御本人の判断に任せるのではなくて、まず医療機関を受診して、総合的にチェックする。前日の食事や直前の食事がどうだったかといったことも含めて、血液検査の精度管理も含めて、まず受診を薦めるのが本来の筋ではないですか。このようだと、最初から、例えば自分の家族が中性脂肪が高い。自分もそうではないかと心配した、それまで症状も何もない方が、例えばワンコイン検診等で自己採血をして、少し高かったからといって、前日の食事も何も関係なく、何回か測って160mg/dLや170mg/dLある状態が続いて、薬局へ行ってエパデールをくださいということが起こり得るわけです。そうすると、OTC化されたエパデールを飲んでいるから安心なのだということが起こりかねないではないですか。一に運動、二に食事ということもおろそかになる可能性は十分あるのです。生活習慣病治療薬をOTC化するということは、本当に慎重にならなければならないと思います。
     まして、反対意見に対して十分納得できる説明もないまま、強硬に多数決で決めるのは、国民の生命と健康を守るという観点からは非常に問題があったと思いますが、いかがですか。

    ○望月分科会長
    これまで3回議論しまして、1回目のときは医師の委員は、ほとんど全員反対でした。2回目の部会からは深く議論しまして、先日の3回目の部会においては、お一人の方だけが反対されまして、医師会委員も含めた残りの出席者10数名の方は全員反対されませんでした。
     私は、日本医師会からの委員が反対であることを皆さんが理解した上で、当部会として3年目になりますので一つの結論を出したいと申し上げました。それに関していかがでしょうかと問い、そのような決め方に対しては異議なしということを伺いました。お一人が反対されていることは委員全員が理解して、委員の皆さんの意見に沿って、部会の考えを決めたのです。それは、強引に強行採決をしたという言葉とは少し違うと私は思うのです。

    ○中川委員
     少し待ってください。3年経ったら決めるのですか。

    ○望月分科会長
     そんなことはありません。

    ○中川委員
     先ほどおっしゃったではないですか。

    ○望月分科会長
     3年経って、意見の違いはほぼなくなりました。日本医師会の委員の先生は、何が問題かというと、結局は中川委員がおっしゃったように、生活習慣病治療薬をOTC化して、薬剤師が扱うことに反対である。もう一つは、生活習慣病は、非営利である医師が担当するのであって、営利企業である薬局・薬剤師がそれを出すことは医療としてはあり得ないという考えなのです。それについては、一般用医薬品部会の考えを超えていますので、私は、それについて判断は無理だと思います。あくまでも平行線で、生活習慣病に関しては、医師が全てをやり、薬剤師はそれに対して手を出す必要はないというのが一つで、もう一つの問題は。

    ○中川委員
     少し待ってください。今、ここにいない委員のことを部会長から一方的に報告されても、それはフェアではないですよ。

    ○望月分科会長
     フェアではないかもしれませんが、部会を御覧になっていない中川委員が、強引に採決したと、おっしゃるのもフェアではないです。

    < 中略>

    ○望月分科会長
     平行線ですけれども、反対された1名のほかの委員は、セルフメディケーションで進めるのが、日本の医療のこれから行く方向であると理解していただいたということです。一人の委員の方もセルフメディケーションに反対されているわけではないのです。ただ、生活習慣病に対してOTC化するのに反対意見を言っている。
     もう一つは、薬剤師がまだ育っていないだろうということです。特に、厚生労働省のアンケート調査で、第1類に関しての説明が十分ではないのではないかという意見も言われました。確かに、薬剤師が育ったか育っていないかの議論も、まだまだ尽くせば尽くせないという議論です。ある程度育っている、更にこれから育つことを期待するということです。

    ○中川委員
     中性脂肪だけを例に挙げると、中性脂肪が高い人が医療機関を受診しないで、薬局だけで終わってしまう事例が増える可能性があるのです。それでいいのですか。中性脂肪というのは、生活習慣病の中でも、高脂血症の中の一つです。もし、これが本当に高ければ、ほかの病気だって、その経過中、徐々に見つかることも多いのです。それが、薬局で済んでしまうという状態になります。

    ○望月分科会長
     薬局で済んでしまえば、それは逆にいいのかもしれないです。

    ○中川委員
     済ましてしまうのです。

    ○望月分科会長
     いや、済ましてしまうのではなくて。

    ○中川委員
     聞いてください。一般の方が、先ほども言いましたが、家族が、死んだお父さんが高かった、お祖父さんも高かった、自分も心配だと若い方が言って、ワンコイン検診をやってみたところ自分も高くて驚いたとします。しばらくしてもう一度やったら、もっと高かったとします。薬局に行きます。その方は誰に相談しますか。薬剤師ではないですか。薬剤師が相談されて、「あなたは160mg/dLあって、2回目も150mg/dL以上だから、OTCになったエパデールを飲んだらどうですか」などと言うこともあり得るでしょう。そういうことが問題だと申し上げているのです。生活習慣病は大変な病気につながるのです。以前は成人病と言いましたが。セルフメディケーションという名の下に、安易に済ましてしまう。一般の方は、できれば医療機関には行きたくないのです。ドキドキしますし。ですが、長い目で見ると、疾病が重篤化する前に、早期に適切な総合的な診断を受けることは、必ずしなければならないのです。それが、このOTC化で阻害される可能性があるのです。我々は、そのことを申し上げているのです。ですから、これは多数決で決めることでもないし、3年経ったから決めることでもないし、セルフチェックシートができたからいいということでもないし、まずは、生活習慣病治療薬をOTC化するということを議論し直すべきだと思います。
     2002年に作成された「セルフメディケーションにおける一般用医薬品のあり方について」は、もう10年経っています。その後は、特定検診保健指導も始まりましたし、これは、改めて見直す時期にきていると思います。そして、エパデールのOTC化が、生活習慣病治療薬のOTC化に先鞭を付けるものではないことを、まず明確に確認させていただきたいと思います。
     そしてさらに、このセルフチェックシートの150mg/dL~300mg/dLがエパデールを飲んでもいいなどというのは大変な間違いであると、強く修正を求めます。若しくは訂正を求めます。そういうことを御理解いただきたいと思います。私は強引とも言えると思いますが、違法ではない正式な手続で、多数決でOTC化を決めたということは認めますが、その意味を、それ以上でもそれ以下でも解釈してほしくない、拡大解釈してほしくない。何度も言いますが、生活習慣病治療薬のOTC化は、改めて議論の場を設けることを求めます。

    ○望月分科会長
     一つ申し上げたいのは、生活習慣病の薬を全て一般用医薬品部会で認めたのではありません。エパデール一つを認めたのです。エパデールの問題は何かというと、エパデールが出る前に、健康食品あるいはサプリメントで、かなり多量のEPAが出回っているのです。それが大きく宣伝されて、どんどん出回っているのです。むしろ、そういうことを薬事法で規制して、少なくとも薬剤師がチェックできる。更に医師に受診勧奨する、そういう体制を作ることが大事だということで、日本医師会の先生は考え違い、考え違いと言ったら怒られてしまいますが。

    <中略>

    ○審査管理課長
     今回のエパデールのOTC薬へのスイッチについて、その他の生活習慣病薬にも広がるのではないかという御指摘ですが、今後とも、まず、関係学会への意見の確認を的確に行わせていただくということ。それと、仮に生活習慣病治療薬が承認申請された場合にも、それぞれの品目について、個別の承認可否を審議いただくことになりますし、エパデールが、生活習慣病治療薬全般にわたって認めていく先鞭になるとは考えておりません。先ほど申し上げたように、一般用医薬品の在り方についても、見直すための議論の場を設けたいということです。

    ○中川委員
     OTC薬化の議論をするときに、関係学会からの意見を求めるという事になっていますが、たくさんの学会に意見を求めて、返事がないということが、異論はないというふうに、今回、処理したと思うのです。これが、非常に問題が多いと思うのです。学会の意見というのは、先生方もよくお分かりのように、常時、理事会・委員会を開いているわけではないですから。何か月間隔でやっているわけですから、そのタイミングで来て、返事がないからこれは異論がないのだというシステムも、また問題があるだろうと思います。それも含めて、在り方を議論する場を別途設けるという意味ですので、よろしく御理解いただきたいと思います。
     さらに、今回もう一つ、150mg/dL~300mg/dLはOTCエパデールを飲んでいいのだという、このセルフチェックシートは、是非見直していただかなければならないと思います。

    ○望月分科会長
     その点は事務局から御説明いたします。

    ○審査管理課長
     今、御指摘のセルフチェックシートですが、これはそもそも、してはいけないことというふうに、使用上の注意に書いてある高血圧症などの方を、本来、除外するということで、そういったことを自己でも確認し、また、それを販売しようとする際の薬局の薬剤師が確認し、その上で販売するということなのですが、セルフチェックシートの冒頭に、医療機関への受診が必要な方に適切に受診されるよう、そういった記載をセルフチェックシートの中に盛り込めないか、申請者に作成を指導したいと思います。

    ○中川委員
     今、おっしゃいましたが、できあがったものを見て、確認という作業を一般用医薬品部会、この薬事分科会も含めて、皆さんに見ていただいて、理解をした上で進めるという作業は必要だと思います。

    < 後略>

    中川委員の意見が通って、セルフチェックシートの変更につながったことがうかがえます。

    ちなみに、

    エパデールT セルフチェックシート
    http://www.taisho.co.jp/epadel-t/checksheet.html