第2回一般用医薬品のインターネット販売に関するルールの検討会(Update2)

 27日、注目の一般用医薬品のインターネット販売等のルール作りを行う2回目の検討会が開催されています。(今後記事更新する場合があります)

第2回一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会 資料
(厚労省 2013.02.27 開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002w4wd.html

 今回も、傍聴されたと思われる方がやりとりの一部をツイートしています。

厚生労働省:一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会
(第2回・2013/02/27)実況ツイ―ト
http://togetter.com/li/463043

 議事はまず前回の宿題となった憲法上の問題点についての取扱いが検討されたのち、厚労省が提出した「指定第2類医薬品について」「偽造医薬品問題の現状と対策について」の説明があったようです。

資料1 指定第2類医薬品について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002w4wd-att/2r9852000002w511.pdf

資料2 偽造医薬品問題の現状と対策について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002w4wd-att/2r9852000002w570.pdf

資料2中の厚生労働科学研究「医薬品の個人輸入における保健衛生上の危害に関する研究」は以前本サイトでも紹介しています。(→TOPICS 2010.02.14

 偽造医薬品問題については、前回検討会でテーマとしてとりあげるにはふさわしくないといった趣旨の意見が出たようですが、同じネット販売ということであえて厚労省はプレゼンしたようです。(後半のディスカッションでは再びやりとりがあった様子)

 その後構成員から、プレゼンが行われています。(根本委員のプレゼンは時間の都合で次回に)

資料3-1 生出構成員提出資料(社団法人日本薬剤師会)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002w4wd-att/2r9852000002w57d.pdf

  • 最高裁判決を踏まえ、生活者の安全な医薬品使用を担保することを目的としたこれまでの販売制度に則して、薬事法を再整備していただきたい。
  • 一般用医薬品の適正な供給にあたっては、適正使用及び安全性の担保について、生活者との即時性・確実性を有する双方向のコミュニケーションによる対面販売が重要である。

資料3-2 森構成員提出資料(日本チェーンドラッグストア協会)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002w4wd-att/2r9852000002w57q.pdf

  • 民間(当協会)による2つの検討会を設置し、あるべき「安全性」と「利便性」を議論を行ってきた
  • (前回の検討会のような)不毛議論の再現を避けるために)
    ・安全性の確保を議論したのちに、利便性について議論していただきたい
    ・国民にとっての有意性と可能性を持つ現行法の目的と内容を、壊さないでいただきたい
    ・医薬品ネット販売のルールが徹底できる監視指導体制についてもご検討いただきたい
    ・全体(総論)と属性(各論)を混同させず、国民や利用者から議論を行っていただきたい

資料3-3 竹内構成員提出資料(公益社団法人 全日本医薬品登録販売者協会)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002w4wd-att/2r9852000002w583.pdf

  • 一般用医薬品といえども副作用報告にあるように、大きなリスクを伴うものであります。店頭での対面販売の中で適切な指導により副作用の発現率を下げる努力は当然でありますが、ましてやインターネット販売でどこまでそれが実現できるのか、現状のインターネット販売ではどうなのか? 考えてみるべきではないかと思われます。
  • 全薬協の立場として、一般用医薬品のインターネット販売には原則反対である。
    先にも述べさせていただいたが、我々は一般用医薬品販売を通して国民の軽医療の一翼を担っているものであり、インターネット販売がどのような影響を及ぼすのか非常に不安である。今回の検討会が安全・安心を最優先で論じられ、実のあるものになることを願っております。

資料3-4 根本構成員提出資料((社)日本漢方連盟 プレゼンは次回に)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002w4wd-att/2r9852000002w58g.pdf

  • 漢方薬の郵便等販売が必要な理由
    ・漢方薬の服用途絶に伴う健康被害を防ぐことが必要
    ・継続的に専門家が関与する漢方薬郵送販売は安全性が十分考慮されている
    ・厚生労働省が推進するセルフメディケーションの拠点を失うこととなる

資料3-5 後藤構成員提出資料(特定非営利活動法人日本オンラインドラッグ協会)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002w4wd-att/2r9852000002w58r.pdf

一般用医薬品のインターネット販売における 安全性向上のための方策について説明

関連で当日追加資料が配布されたようです

インターネット販売を行っている店舗等の相談対応に関する事例について
特定非営利活動法人日本オンラインドラッグ協会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002w4wd-att/2r9852000002wau2.pdf

関連情報:TOPICS
 2013.02.14 一般用医薬品のインターネット販売に関するルールの検討が始まる
 2013.02.26 薬のネット販売は全面自由化を前提にすべき(規制改革会議)
 2010.02.14 日本における個人輸入の実態とネット販売規制の国際的動向

2月27日 16:15更新 28日 14:10更新


2013年02月27日 13:17 投稿

コメントが4つあります

  1.  次回は、3月13日になりました。 今回積み残しとなった漢方薬局側の陳述を聞くこと、事務局作成の資料を用いて、憲法に基づいた論議を進めることが予定されています。 今日の論議では、現下の無政府状態を解消し、生活者が安心してネットで医薬品を変えるルールつくりを目指すというのが厚労省の本音のようにも見えました。
     これに対し、ネット推進派は規制改革会議と連携して悪乗りに走っているように思えました。

  2. アポネット 小嶋

    早くも速報が出ています。

    第2回OTCネット販売検討会~議論は振り出しに(1)
    (NET IB  NEWS 2013.02.27)
    http://ib-kenko.jp/2013/02/otc_2_0227_dm1217_3.html

  3. アポネット 小嶋

    議論が必ずしもかみ合わなかったためか、全国紙の報道は少なめでした。

    医薬品ネット販売、安全性確保するには?-新ルール検討会で構成員が論点洗い出し提案
    (医療介護CBニュース 2013.02.27)
    http://www.cabrain.net/news/article/newsId/39323.html
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130227-00000003-cbn-soci

    厚労省・ネット販売検討会 推進派と慎重派、激しくやり合う
    (RISFAX 2013.02.27)
    http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=40613

    こういった議論を見ていると、今回も意見を集約できるのかどうか心配です。

    後藤氏が改めて業界の自主ルール案を提示していますが、対案がでなければ、結局はそれが全体のルールになってしまうということはないのでしょうか?

  4. アポネット 小嶋

    詳報です。(随時リンクを追加しています。議事録との比較が楽しみです)

    第2回OTCネット販売検討会~議論は振り出しに(2)
    (NET IB NEWS 2013.02.28)
    http://ib-kenko.jp/2013/02/otc_2_0228_dm1217_02.html

    第2回OTCネット販売検討会~議論は振り出しに(3)
    (NET IB NEWS 2013.02.28)
    http://ib-kenko.jp/2013/02/otc_2_0228_dm1217_03.html

    第2回OTCネット販売検討会~議論は振り出しに(4)
    (NET IB NEWS 2013.03.01)
    http://ib-kenko.jp/2013/03/otc_2_0301_dm1217_04.html

    第2回OTCネット販売検討会~議論は振り出しに(5)
    (NET IB NEWS 2013.03.02)
    http://ib-kenko.jp/2013/03/otc_2_0302_dm1217_05.html

    第2回OTCネット販売検討会~議論は振り出しに(6)
    (NET IB NEWS 2013.03.06)
    http://ib-kenko.jp/2013/03/otc_2_0306_dm1217_06.html

    第2回OTCネット販売検討会~議論は振り出しに(7)
    (NET IB NEWS 2013.03.07)
    http://ib-kenko.jp/2013/03/otc_2_0307_dm1217_07.html

    第2回OTCネット販売検討会~議論は振り出しに(8)
    (NET IB NEWS 2013.03.07)
    http://ib-kenko.jp/2013/03/otc_2_0307_dm1217_08.html

    第2回OTCネット販売検討会~議論は振り出しに(9)
    (NET IB NEWS 2013.03.07)
    http://ib-kenko.jp/2013/03/otc_2_0307_dm1217_09.html

    ツイッターでツイートされているように、日医副会長のの中川構成員がいろいろと質問をぶつけていることがわかります。

    確かに、国民への啓発を含めた個人輸入における薬事法違反行為や日本における偽造医薬品対策は、厚労省は自己責任として海外と比較してもこれまであまり力を入れてきませんでしたからね。

    ネット販売推進派から言わせれば、別問題と主張するでしょうが、「ネットでくすりを購入する」というkことには変わらないわけで、この問題を放置したまま、一般用医薬品の販売のルールだけを決めるというのもやはり反発があると思います。

    日経DIも記事を配信しています。

    日医、「OTC薬ネット販売の解禁は偽造医薬品問題を助長」
    (日経DI 2013.02.28)
    http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/201302/529254.html