日薬、後発医薬品に関する患者向け説明・確認資材を作成

 業界紙各紙が報じていますが、日薬は9日の定例記者会見で後発医薬品使用促進策の一環として、薬局で患者に説明する際に用いる資材を作成した発表しました。日刊薬業によれば、今後3000万枚を都道府県薬剤師会を通じて会員薬局に配布するとのことです。

ジェネリック医薬品に関する患者向け説明・確認用資材について
   (日本薬剤師会定例記者会見7月9日)
 http://www.nichiyaku.or.jp/contents/kaiken/pdf/090709_gyouhatsu150.pdf

 今回の資材の作成は、昨年4月の療担規則の改定で、ジェネリック医薬品への変更可能な処方せんを調剤する際に義務づけられている患者さんへの説明が十分行われていない現状が明らかになったためで、日薬では使用にあたっては以下の点に留意するよう呼びかけています。

  • 本資材は、処方せん受付時に使用することを想定している
  • 変更可処方せんを受け付けた場合は、調剤行為に入る前に、ジェネリック医薬品への変更希望の有無を患者さんから確認をとり、その内容を薬歴に記録する
  • 変更不可処方せんの場合でも、後日受診した際には変更可能の処方せんが交付することも考えられるので、ジェネリック医薬品を使用することについて理解を深めていただくため、本資材を活用して、あらかじめ患者さんの意向を確認をしておくよう努める
  • 既に同様の資材を準備・作成している場合は、今回配布する資材はそれらを妨げるものではない

 日本調剤などが積極的に患者さんへの啓発活動を行っていることは既に皆さんもご存じと思いますが、日薬という組織としても取り組む姿勢を示す必要に迫られたのでしょう。

 ただ、これだけでは処方せん不可欄にサインをして、原則後発品への変更を望まない医療機関への対策は不十分ではないかと考えます。いずれにせよ、こういった資材を去年の段階で作成していればと思うのは私だけでしょうか。

関連情報:TOPICS
  2009.05.21 後発医薬品使用促進の周知・徹底に指導強化へ

後発医薬品に係る保険医療機関及び保険薬局に対する周知徹底等について
   (厚労省2009年7月2日)
   http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/07/h0702-3.html

関連ブログ:
後発品を使えという厚労省の脅迫!(内科開業医のお勉強の時間 2009年7月8日)
 http://intmed.exblog.jp/8591422/

参考:日薬、後発品の説明資材を3000万枚配布
     (日刊薬業WEBフリーサイト7月9日)
 http://nk.jiho.jp/servlet/nk/dantai/article/1226551545354.html?pageKind=outline


2009年07月10日 12:52 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    7月21日,全国保険医団体連合会は「後発医薬品を地方厚生(支)局の指導で使用を強要するのは問題である。本来、投薬は患者の自由な選択と保険医の裁量に任されるべきものである」として,次のような声明を発表しています。

    実態を無視した後発医薬品の強引な使用促進策に反対する
    (全国保険医団体連合会2009年7月21日)
     http://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/090721kouhatu.html