シンバスタチンと横紋筋融解症(米FDA)

 米FDAは19日、シンバスタチン(リポバス他)に関する安全性情報を発表しています。

Ongoing safety review of high-dose Zocor* (simvastatin) and increased risk of muscle injury
(FDA Drug Safety Communication 2010.3.19)
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/
PostmarketDrugSafetyInformationforPatientsandProviders/ucm204882.htm

 4月28日公表の海外公的機関 医薬品安全性情報に日本語訳概要が掲載されています。

海外公的機関 医薬品安全性情報Vol.8 No.8
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly8/09100428.pdf

FDAアラート:シンバスタチン80mgにて筋症・横紋筋融解リスク増大
(内科開業医のお勉強日記 3月20日)
http://intmed.exblog.jp/10228595/

 上記ブログの通り、シンバスタチンの用量が1日80mg(日本ではまずあり得ませんが)だと、1日20mgを使用する人と比べ横紋筋融解症などの筋障害リスクが高まるというものですが、私として注目するのは下記の方にある、併用を避ける薬剤について、シンバスタチンの用量によって変えている点です。

用量に関係なく併用を避ける
 イトラコナゾール、ケトコナゾール、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、HIVプロテアーゼ阻害剤、ネファゾドン

10mg以上の場合
 Gemfibrozil(フィブラート系)、シクロスポリン、ダナゾール

20mg以上の場合
 アミオダロン、ベラパミル

40mg以上の場合
 ジルチアゼム

 常用量や人種差もあり、一概には比較できませんが、日本だとエリスロマイシン、クラリスロマイシンとの併用は注意扱いです。併用するケースが少なくないことを考えるどうなのでしょうか?(そういえば2年前には英国で同様の情報が出されていました)

関連情報:TOPICS 2008.01.07 スタチンの相互作用情報(英国)

4月29日 リンク追加


2010年03月20日 10:15 投稿

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