フラボキサートのリスク区分変更などが官報で告示

 5月31日付け官報で、フラボキサート(商品名レディガードコーワ)(第1類→指定第2類)のリスク区分変更などの告示と、ジクロルポス(プラスチック板に吸着させた殺虫剤であって一枚中ジメチルジクロロビニルホスフエイト21.39g以下を含有するもの)の劇薬解除についての薬事法施行規則の改正が公布されました。インターネット版官報(http://kanpou.npb.go.jp/)(本紙5811号 リスク区分の変更は4ページ、ジクロルボスの劇薬解除は2ページ)で1ヶ月閲覧できます。(ちょっとわかりづらいです)

 今回のリスク区分の変更は、3月23日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会での審議の結果を受けて行われるものです。

平成23年度第3回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会
(2012年3月23日開催)
 資料:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000026c1b.html
議事録:(現時点では未掲載)

 パブリックコメントの詳しい結果もあわせて公表されています。

 医薬品安全対策調査会の意見が覆り、第一類に据え置きとなったトランシーノの件ですが、「トラネキサム酸には血栓のリスクがあることから、長期連用を防ぐために薬剤師の対面による情報提供が必要との意見があり」とした見解が示されています。(議事録も早く出して欲しい)

 また、ニコチン貼付剤についても、「誤った使用方法によるニコチン中毒様症状の報告もあり、副作用の発現頻度が高く使用に際し注意が必要である医薬品であること、用法用量も単純でない」として、第一類医薬品を据え置きとした見解が示されています。

「「薬事法第三十六条の三第一項第一号及び第二号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する第一類医薬品及び第二類医薬品」及び「薬事法施行規則第二百十条第五号の規定に基づき特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定する第二類医薬品」の一部改正に係る意見の募集について」に対して寄せられた御意見について
(結果の公示日 2012年05月31日)(→意見募集結果

 一方、ジクロルボスの劇薬解除に関しては、安全性を疑問視した反対意見が示されています。(一読する必要があるかもしれない)

「薬事法施行規則の一部を改正する省令(平成24年厚生労働省令第83号)」について
(結果の公示日 2012年05月31日)(→提出意見

 ジクロルボスの問題は、東京都が2004年に行った実態調査がきっかけなのですが、パブコメでの指摘のように薬剤師による適正使用のための情報提供が行われているかどうかの検証は必要かもしれません。(最近はあまり目にしないような気もしますが、以前はカラ箱で山積みにした陳列を見たこともある)

ジクロロボス(DDVP)を含有する殺虫剤について
(東京くらしWEB)
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/test/houkoku/jyorei8_67.html

ジクロルボス(DDVP)蒸散剤の安全対策について
(厚労省 2004.11.02)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/11/h1102-6.html

 なお、官報によればリスク区分の変更の適用は8月19日からだそうです。

 近く、下記ページに更新情報が掲載されますので確認をお願いします。

一般用医薬品販売制度ホームページ(厚労省)
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/ippanyou/

関連情報:TOPICS
 2012.02.10 リスク区分変更等に関するパブコメが開始
 2004.11.04 厚生労働省が、ジクロスボス蒸散剤の安全対策について発表(旧サイト)


2012年05月31日 09:41 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    関連通知が発出されています。

    一般用医薬品の区分等表示の変更に係る留意事項について
    (平成24年5月31日薬食監麻発0531第1号)
    http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T120601I0060.pdf

    一般用医薬品の区分リストの変更について
    (平成24年5月31日薬食安発0531第1号)
    http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T120601I0080.pdf