消費者の「健康食品」の利用に関する実態調査(消費者委)

 内閣府消費者委員会はこのほど健康食品に関する実態調査を行い、5月18日に開催された消費者委員会で報告を行っています。

第88回 消費者委員会(2012年5月18日開催)
http://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2012/088/shiryou/index.html

(動画配信)
http://wwwc.cao.go.jp/lib_001/iinkai/120518-88.html

(議事録6月7日掲載)
http://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2012/088/gijiroku/index.html

【資料1】 消費者の「健康食品」の利用に関する実態調査(アンケート調査)関連資料

(資料1-1) アンケート調査の結果概要(PDF:175KB)
(資料1-2) 消費者の「健康食品」の利用に関する実態調査(アンケート調査)(PDF:579KB)
(資料1-3) 調査票(PDF:272KB)
(資料1-4) 回答結果(PDF:370KB)

 この調査は、消費者庁で行われた、「『健康食品の表示に関する検討会』論点整理」(→リンク)(2010年8月公表)において、消費者等を対象とした実態調査を実施し、更なる検討を行うことが求められていたことから実施されたものですが、予備調査を30,000人を行った上(ここで約6割が現在健康食品を利用していると回答)で、このうちの利用者10,000 人に対して詳しい調査が行われたもので、かなり実態を示したものと言えます。

 調査項目は、健康食品を利用する目的、重視する事項、購入する先、個人輸入した健康食品の安全性に対する認識、健康食品に関する情報収集経路、種類数、処方薬との関係、 医療機関の受診の有無など多岐にわたっています。

 報告書によれば以下のようなことがわかったそうです。

  • 約6割の利用者が概ね満足している
  • 「不満」又は「やや不満」と回答した者の約8割が「期待したほどの効果がなかった」ことを感じた
  • 健康被害が疑われるトラブルが発生した場合の通報する先はさまざまであったが、保健所への通報する割合は低く、健康被害情報の多くが潜在している可能性がある
  • 体調の維持や健康の増進を目的として利用している者の割合が高かったが、「病状の改善」を目的に利用している人は11%に留まった(但し年齢が高まるについて、この割合は増加)
  • 健康食品の購入の際、参考にしている情報として多かったのが原材料や機能性(効能・効果)などの他、「キャンペーン情報・割引情報」(30.7%)や「ランキングや口コミ情報」(24%)などを閉めた占めた一方、「行政機関の提供する安全性等に関する情報」を参考にしたと選択したのは12%に留まった。
  • 購入先は店舗購入が60.8%と最も多かったが、ネット通販(個人輸入を除く)も49.0%と高かった
  • 一方、訪問販売は1.8%、個人輸入は2.8%(202人)と少数に留まった(でも実数としては決して少なくない)
  • 個人輸入した健康食品の安全性に関して、調査した8割以上の人が「必ずしも安全性が確保されているとは限らない」と回答する一方、これを個人輸入を行ったことがある人に尋ねたところ安全性が確保されない人は46%に留まった
  • 約5割の利用者が2種類以上のサプリメントを利用していると答え、年齢が上がるほど、複数のサプリメントを利用する割合が増える傾向があった
  • また、 ほぼ毎日利用している人の約7割は2種類以上のサプリメントを利用していた
  • 健康食品の現在利用者のうち、34%は病院からもらった処方薬と健康食品を併用していて、生活習慣病などハイリスク・グループの人の46%は処方薬と健康食品を併用していた
  • 健康食品の現在利用者のうち、70 代の高齢者は、約2/3が処方薬と併用していた
  • 健康食品の利用者のうち通院をしている者の約8割が医師等から健康食品の利用状況に関する確認を受けていなかった

 事務局報告後の意見交換で委員から下記のような発言もありました。

  • 電話勧誘の場合もあり、これらの実態が反映されているか
  • ネット利用者の6割で健康食品が利用されているので、実態はもっと多いのではないか
  • 機能性表示を望む声もあるが、誰がどうこれを認定し、どのようなところが中立の立場で評価するのかという課題もある
  • TVでの売り方は、情報提供番組の名を借りた広告という傾向もある。総務省による調査も必要ではないか(健康食品に限ったことではないが)

関連情報:TOPICS 2012.04.29 食品の機能性評価モデル事業(消費者庁)


2012年05月29日 20:55 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    議事録もが7日掲載されています(元記事でリンク)

    また、5日開催の第91回消費者委員会で、健康食品の利用者アンケートの分析結果を踏まえたまとめが提示されています。

    第91回 消費者委員会(2011年6月5日開催)
    http://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2012/091/shiryou/

    動画
    http://wwwc.cao.go.jp/lib_001/iinkai/120605-91.html

    「健康食品の表示等の在り方」に関する考え方
    ~健康食品の利用者アンケートの分析結果を踏まえて~
    (2012年6月5日消費者委員会)
    http://www.cao.go.jp/consumer/iinkaikouhyou/2012/0605_kangaekata.html

    関連記事も掲載されています。

    生活必需品となったサプリは、医薬品を目指していない
    (健康メディア com. 6月8日)
    http://www.kenko-media.com/health_idst/007679.html

    (14時2分のコメントを再構成)