す・ぴん凛内服錠は疲れ顔を改善するか?

 7日、ロート製薬株式会社は体の疲れが顔に出てしまった「疲れ顔」等に内側から効く医薬品『す・ぴん凛(りん)内服錠』を9月15日に全国の薬局・薬店で新発売すると発表しています。

「疲れ顔」に元気をチャージ!『す・ぴん凛(りん)内服錠』新発売!
(ロート製薬株式会社プレスリリース2010年9月7日)
http://www.rohto.co.jp/comp/news/?n=r100907

 効能効果は、「次の場合の滋養強壮:血色不良、冷え症、虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振」で、同社では「疲れ顔」や血色不良をメインに販売するようですが、配合成分を見ると滋養強壮効果あるとしても、「疲れ顔」に本当に効果があるのかなと考えてしまいます。

<有効成分>
ニンジン乾燥エキス 450mg(原生薬換算3000mg)
ショウキョウエキス 29.2mg(原生薬換算300mg)
ヨクイニンエキス 46.2mg(原生薬換算600mg)
ニクジュヨウエキス 75mg(原生薬換算300mg)
ローヤルゼリー 30mg

 生薬主薬製剤の「生薬を主剤とする保健剤の効能・効果の自主的評価点検」(1975年7月25日)によれば、生薬を主剤とする保健剤の効果は、「次の場合の滋養強壮:虚弱体質、肉体疲労、病中病後(病後の体力低下)、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症、発育期」(※血色不良・冷え性の効能は、薬用酒または人参・地黄・当帰・センキュウなどが配合されている場合に限る)となっており、『す・ぴん凛(りん)内服錠』は「血色不良」「冷え症」の効能を前に持ってきて、これを強調しています。

 漢方や中医学を少しかじった私にとっては、本剤に地黄・当帰・センキュウ(中医学でいうところの補血薬)が一つでも含まれていれば、「疲れ顔」や血色不良をメインにプロモーションすることに異議はありませんが、ニンジン主剤(配合されている他の生薬も補血薬ではない)の本剤がこれらを改善する(標榜してよい効能ではありますが)ことを中心にプロモーションを行うのであれば、若干の違和感があります。

 和漢箋シリーズが好調な同社にとって、新しい購買層を開拓するという戦略だと思いますが、近くオープンする商品サイトやTVCMに注目したいと思います。 


2010年09月07日 13:40 投稿

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