チャンピックスに精神神経系の副作用に関する警告欄が新設

 厚労省は7日、禁煙補助薬チャンピックス(バレニクリン酒石酸塩)について、気分変動、攻撃的行動、敵意、自殺念慮などの精神神経系の副作用発現の可能性について,警告欄に記するよう添付文書の変更を指示しました。

使用上の注意改訂情報(平成21年8月7日指示分)(PMDAウェブサイト)

 新しい添付文書では、[警告]の欄が新雪新設され、

「禁煙は治療の有無を問わず様々な症状を伴うことが報告されており、基礎疾患として有している精神疾患の悪化を伴うことがある。本剤との因果関係は明らかではないが、抑うつ気分、不安、焦燥、興奮、行動又は思考の変化、精神障害、気分変動、攻撃的行動、敵意、自殺念慮及び自殺が報告されているため、本剤を投与する際には患者の状態を十分に観察すること。」

と追記され、また、慎重投与の項に、

「統合失調症、双極性障害、うつ病等の精神疾患のある患者」

と追記され、さらに、重要な基本的注意]の項の精神症状に関する記載に、

「抑うつ気分、不安、焦燥、興奮、行動又は思考の変化、精神障害、気分変動、攻撃的行動、敵意、自殺念慮及び自殺が報告されている。本剤との因果関係は明らかではないが、これらの症状があらわれることがあるので、本剤を投与する際には患者の状態を十分に観察すること。なお、本剤中止後もこれらの症状があらわれることがある。また、これらの症状・行動があらわれた場合には本剤の服用を中止し、速やかに医師等に連絡するよう患者に指導すること。」

と改められます(追記されます)。

 今回の警告欄の追加により,「患者向医薬品ガイドを作成する医薬品」に特定されています。

 米FDAの注意喚起(TOPICS 2009.07.02)よりはマイルドな表現で,使用にあたっては患者とよく話し合うなどといった慎重な使用を求める記載変更はないようですね。今後,医療専門職(特に処方医)は本剤の使用時,患者さんにどのような情報提供を行うべきなのでしょうか?

関連情報:TOPICS
  2009.07.02 バレニクリン、精神神経系副作用の黒枠警告追記へ(米FDA)
  2009.01.09 カナダ当局、バレニクリンの注意喚起強化を検討
  2008.10.23 バレニクリンと有害事象(米国)
  2008.05.22 バレニクリン、パイロットは使用禁止(米国)


2009年08月10日 09:40 投稿

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