第5回医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会

 28日、「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」の第5回会合が開催されています。資料も30日に公表されています。

第5回医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会資料(2009年4月28日開催)
  厚労省資料(5月12日掲載)  WAMNET資料(4月30日掲載)

 資料は、前回のヒアリングや議論で示された意見が加味された「これまでの議論を踏まえた検討項目」が示された他、三木谷氏は日薬などが示した「代替案への消費者の声」、後藤氏は検討会の引き続きの開催と暫定的な通信販売等の継続を求める意見書、綾部氏は伝統薬の定義に関する資料、その他國領氏、足高氏が資料を提出しています。

 当日の様子については、下記WEBニュースが伝えています。

 医薬品ネット販売規制を巡り厚労省が改正方針
  – 限定的な販売継続措置、パブコメ案には困惑の声も
 (マイコミジャーナル4月28日)
  http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/04/28/medicinesell/

 医薬品のネット販売に時限的な経過措置―厚労省
  (CBニュース4月28日、一定期間を過ぎるとログイン必要)
  http://www.cabrain.net/news/article/newsId/21798.html

朝日新聞4月28日
  http://www.asahi.com/national/update/0428/TKY200904280286.html

 今回の議論でも規制反対派、容認派の意見の隔たりが大きく、検討会座長は報告書として意見集約は困難だとして、今回の議論を踏まえた省令の再検討を厚労省に委ねることになったようです。

 そして検討会の終了直前に、検討会の厚労省事務局から、限定的な販売継続措置を盛り込んだ省令改正案を検討していることが示されたそうです。

 マイコミジャーナルによれば、「通信販売が規制されると困る人がいる」という観点から、(1)特定の医薬品を継続して飲んでいる人、(2)離島など店舗のない場所で通信販売を利用している人、などについて、明確な期限を設けて通信販売を継続するための措置が省令案に盛り込まれるようです。

 次回の検討会に、厚労省は省令案としてまとめて提示するとのことですが、おそらくこれで「伝統薬」や相談販売の「漢方薬」の利用者は当面は今まで通り購入が可能になる一方、これら以外の一般用医薬品の購入については、継続販売を認める人をどこで線引きするか、そういった人をどう認証するか、また期限をどの位に設定するのかが今後の焦点となります。

 暫定的に認めるのはやむを得ないかもしれませんが、このままだと一部目に余るのネット販売の状況が変わらないままになる可能性があります。引き続き、情報提供方法などのネット販売のあり方の議論を続けて、医薬品の個人輸入などのサイトを含めた不適切なサイトを排除することや、自主規制ではなく、販売店側に対して何らかの認証制度をつくることも必要ではないかと思います。

関連情報:TOPICS 2009.04.17 第4回医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会

5月1日 0:20更新 5月12日 リンク追加


2009年04月29日 00:10 投稿

コメントが3つあります

  1. アポネット 小嶋

    CNET JAPAN が当日の様子を詳細に報告しています。
    厚労省が突然パブコメを行うとした方針を示したことが、大きな混乱になっていることがわかります。

    改正薬事法の完全施行は土壇場で厚労省がどんでん返し
     –委員の不信感も募り混沌
    (CNET JAPAN 5月3日)
     http://japan.cnet.com/sp/drag/story/0,3800097284,20392675,00.htm

    医薬品のネット販売規制で世論巻き起こるか–ターニングポイントの検討会議事録
    (CNET Japan 5月3日)
     http://japan.cnet.com/sp/drag/story/0,3800097284,20392676,00.htm

  2. アポネット 小嶋

    楽天の関係者が立ち上げたブログでも、今回の厚労省の対応について厳しく批判しています。
    (こういったブログが存在したのは今日知りました。)

    ひどすぎる厚生労働省の対応〜大荒れの第5回検討会で何がおきていたのか〜
    (一般用医薬品の通信販売継続を求める声を伝えよう!・ブログ 4月28日)
     http://plaza.rakuten.co.jp/medicine/diary/200904280000/

    このブログでは、一般消費者からのリアルタイムな声を多く掲載しています。店頭での販売や配置販売の実態(消費者の不満)などもよくわかります。楽天の言い分もある程度理解せざるを得ませんね。

    記事一覧 http://plaza.rakuten.co.jp/medicine/diaryall

    一方、5月3日、テレビ朝日系列で放送されたサンデープロジェクトで楽天の三木谷氏は、今回のネット販売規制について、「日本薬剤師連盟から政界行われている巨額の献金が関係している」と強調していたのを皆さんも見ましたでしょうか? 

    このブログでは、その現状を詳しく調べてアップしています。

    日本薬剤師連盟から永田町への献金等はいくらかご存知ですか?
    (一般用医薬品の通信販売継続を求める声を伝えよう!・ブログ 2009年5月4日)
      http://plaza.rakuten.co.jp/medicine/diary/200905040000/

    私も放送を見たのですが、「なぜ一業界団体がここまで献金して、こういう仕組みをキープしなければならないのか、私には分からない、利権の構造のように感じている」とまで言い切るのは、どうかと思いましたが、やはり世間一般的にはそう見られしまうのかもしれません。

    楽天、三木谷社長が暴露した薬剤業界の大口献金 「医薬品ネット販売規制」と関係はあるのか?(J-CASTニュース5月8日)
      http://www.j-cast.com/2009/05/08040805.html

  3. アポネット 小嶋

    日本オンラインドラッグ協会が、当日の検討会の様子について、議事録速報としてアップしています。

    「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」第五回傍聴メモ
     (日本オンラインドラッグ協会)
      http://comments.online-drug.jp/archives/674757.html