OTC解熱鎮痛剤に潜在的リスクの明示を求める(米国)

 米FDAは28日、イブプロフェンなどのNSAIDs、アセトアミノフェンなどを含有するOTC解熱鎮痛薬を製造するメーカーに対し、ラベルに胃腸出血や肝障害の潜在的なリスクがあることを追記することを求めると発表しました。

FDA Requires Additional Labeling for Over-the-Counter Pain Relievers and Fever Reducers to Help Consumers Use Products Safely (FDA NEWS 2009.4.28)

Questions and Answers on Proposed rule for Labeling Changes to Over-the-Counter Pain Relievers
 (Consumer Information: Safe Use of Over-the-Counter Drug Products 2009.4.30)

 4月29日の官報で、表示すべき規則の内容とその理由などが告示されています。(FDAウェブサイトリニューアルのため、リンク切れの可能性)

Organ-Specific Warnings; Internal Analgesic, Antipyretic, and Antirheumatic Drug Products for Over-the-Counter Human Use; Final Monograph.
(Federal Register / Vol. 74, No. 81 / Wednesday, April 29, 2009 /Rules and Regulations)
  http://www.fda.gov/OHRMS/DOCKETS/98fr/E9-9684.htm
  http://www.fda.gov/OHRMS/DOCKETS/98fr/E9-9684.pdf

 2006年以降、一部の製品については自主的にこれらのリスクについての表示がされていましたが、FDAではこれらOTCを使用する消費者がこういった潜在的なリスクに気付くよう、外箱、瓶両方に成分名をはっきり表示すると共に、アセトアミノフェンについては重篤な肝障害、NSAIDsについては胃腸出血のリスク等についてはっきりわかるよう記載することを求めています。

 具体的には、例えばアセトアミノフェン配合薬については、「ワルファリンを服用中の人は、この薬を服用する前に医師または薬剤師に相談して下さい」(ワルファリンとアセトアミノフェンの相互作用を重視しているようです)「毎日3杯以上アルコールを摂取する人がこの薬を服用すると肝臓にダメージを与える場合があります」といった文言を盛り込まれます。

 FDAでは製造メーカーに対し、これらラベルの変更を1年以内に行うことを求めると共に、アセトアミノフェンの過量服用に伴う重篤な肝障害についての検討を行う諮問委員会を、6月29日、30日に行うことを発表しています。

Joint Meeting of the Drug Safety and Risk Management Advisory Committee with the Anesthetic and Life Support Drugs Advisory Committee and the Nonprescription Drugs Advisory Committee(June 29-30, 2009)

関連情報:TOPICS 2005.12.04 アセトアミノフェンと肝不全(米国研究)

参考:
FDA Adds New Label Warnings to Over-the-Counter Painkillers
  (HealthDAY 2009.4.28)
 http://www.healthday.com/Article.asp?AID=626528
U.S. warns of stomach, liver problems from painkillers
 (CBC News.Ca 2009.4.28)
 http://www.cbc.ca/health/story/2009/04/28/painkillers-warning.html

4月30日 0:30更新 5月31日 0:30更新


2009年04月29日 10:45 投稿

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