在宅医療実践ガイドブック(東京都)

 東京都の医療機関に勤務されている方は既に目にしていると思いますが、東京都では今春、在宅医療に携わる医療従事者を支援し、在宅医療のより一層の充実を図るため、実施方法や関係制度などについて、わかりやすく解説した「今、そしてこれから在宅医療を支える皆さんへ『在宅医療実践ガイドブック』〜多分野融合型連携をめざして」を15,000部を作成し、東京都医師会、東京都歯科医師会、東京都薬剤師会、東京都看護協会、区市町村等に配布しています。

「在宅医療実践ガイドブック」の発行について(東京都プレスリリース3月28日)
   http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2008/03/20i3sg00.htm 

在宅医療実践ガイドブック(東京都福祉保険局ウェブサイト)
  http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/isei/zaitaku_guidebook/zaitaku_guidebook.html

 このガイドブックは、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、事務担当者など多種多様な職種から選出した編集委員(奥付に編集委員名あり)の下、東京都医師会が東京都からの委託事業として作成したもので、在宅医療の現状、在宅の現場でそれぞれの職種がどのようにかかわり、どのような対応が可能になるかが理解できる内容となっています。

 第1部「プロローグ 在宅医療とは?」では、マンガを用いて、認知症・がんなどの事例について、わかりやすく描いていて、在宅医療における、患者・家族・医療関係者などのさまざまな関わりについて理解を深めることができます。(こういった冊子類で珍しく縦書きなのは、このためでしょうか)

 また第2部は、「在宅医療マニュアル」となっており、居住環境や行政の取組みなどの在宅医療を巡る基礎知識、転倒や排泄の問題、栄養管理と口腔ケア、認知症・高齢者のうつ病などの疾患に関する事項などを解説しています。

 くすりについても、第1章で「転倒・転落を起こしやすい疾患や薬」、第2章で「薬剤管理」、第3章で「がん性疼痛と緩和ケア」、第4章で「薬剤の経管投与の注意点」などとして取り上げられ、他職種にもくすりをめぐる問題が理解できるようになっています。

 「さすが、東京!」というような内容の充実ぶりで、他職種が協力して作成したというインパクトがあります。正直東京都の医療関係者だけではもったいないです。他県でも是非参考として欲しいものです。日薬でも、リンクして紹介したらどうでしょう?

参考:ケアマネジメントオンライン ニュース(7月6日)
     http://www.caremanagement.jp/news+article.storyid+2444.htm
    東京都医師会・医師会及び事業
     http://www.tokyo.med.or.jp/about/enterprise/04.html


2008年07月07日 23:00 投稿

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