家庭から出る注射針、市町村に処理責任 環境省通知へ

 環境省は、医療関係者や自治体職員らで、糖尿病の治療などで使う注射針、輸液点滴セット、血液のついたガーゼなど家庭から出る感染性の廃棄物の処理の仕方について、2003年に検討会を設置し、検討を続けてきたが、13日、家庭から出る治療用の注射針など、感染の恐れがある廃棄物について、市町村が責任を持って処理するよう通知することを決めた。

 こうした廃棄物は、現在全国の4分の1の自治体は全く受け入れていないという。薬剤師会が回収するなど代替措置をとる自治体もあるが、在宅医療が進めば感染性の廃棄物が増加するとみられ、環境省は改めて徹底を図る。

 現在、受け入れられない廃棄物は、自治体側の「専門家である医療機関が処理すべきだ」との意見も根強いことから、医療機関が自主的に引き取って処理したり、薬剤師会が回収したりしているところも少なくない。しかし、医療機関側にも、「一般廃棄物の処理は、本来、市町村の責任である」という不満の声もあるという。

 今後は、市町村の責任を明確にしたうえで、回収時の安全確保など技術的な問題が解決できない場合は、地元医療機関などと調整して、処理計画を作るよう求める。また、注射針と血のついたガーゼなどでは、感染の危険性に大きな違いがあるため、廃棄物をランク分けすることも検討し、5月にも検討会の報告がまとまるのを受けて、通知する。

参考:朝日新聞4月13日


2005年04月15日 23:00 投稿

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