バイアグラ服用で、深刻な視力障害か

 FDAは27日、バイアグラの服用者38人に、「非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)」という深刻な視力障害が出ているとの報告を受け、調査を始めたことを明らかにした。現時点では、直接の因果関係は不明だが、同様の事例報告が、同効薬のシアリス(日本では未承認)で4件、レビトラで1件寄せられていることから、医師や患者に注意喚起するため、添付文書の改訂を検討しているという。

 このNAIONは、視神経に血液が流れにくくなって突然視力が低下、ひどい場合は失明するというもので、50歳以上で高血圧や糖尿病があると発症のリスクが高いという。

 この問題は今年3月、ミネソタ大の研究者が、バイアグラの服用後36時間以内にNAIONを発症した7人の症例を医学誌 Journal of Neuro-Ophthalmology に報告していたことから、関心が高まっていた。

Nonarteritic Ischemic Optic Neuropathy Developing Soon After Use of Sildenafil (Viagra): A Report of Seven New Cases
  (Journal of Neuro-Ophthalmology. 25(1):9-13, March 2005)

関連情報:
An overview of visual side effects associated with erectile dysfunction agents
  (勃起機能不全治療薬に関する視覚への副作用の概要)
  (WHO Pharmaceutical Newsletter (No.2,2005) の18ページ)
       http://www.who.int/medicines/library/pnewslet/pn2005_2.pdf

日本語訳は、海外規制機関医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.3 No.9に掲載
       http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly3/10050526.pdf

参考:毎日新聞、朝日新聞、読売新聞5月28日

 


2005年05月28日 22:20 投稿

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