オーバードーズの問題など、日本でも若者の抱える問題に身近な薬局がどう関わるかという意見が出ていますが、お隣韓国では、ソウル特別市の薬剤師会が、未成年の女子を対象とした“소녀돌봄약국”（少女ケア薬局・女の子思いやりの薬局）という取り組みが行われているそうです。
소녀돌봄약국 안내（少女ケア薬局・案内）
（ソウル特別市薬剤師会 2019.10.24）
https://www.spa.or.kr/board/NOTICE/board.do?SQ=233275
この取り組みは、ソウル市、ソウル特別市薬剤師会、ソウル市立十代女性健康センターが2014年から共同で行っている事業で、体に不調や病気になった時に相談できる場所がない、助けが必要な十代の女性のために、ソウル特別市薬剤師会のステッカーのある220を超える薬局で女性薬剤師が情緒的やサポート、健康相談、医薬品提供、医療機関や青少年施設・保護施設への連携などを支援を行っています。
●健康相談（건강상담）
眠れなくてお腹が痛くて悩みですか？普段の健康について気になる点を薬剤師が親切に説明します。
●1次医薬品支援（1차 의약품 지원）
体調不良で支援が必要な10代の女性たちに、風邪薬、鎮痛剤、避妊薬（韓国はOTC）など様々な一般用医薬品を無料で提供します。
（1人月1回、年6回、1回あたり15,000ウォン相当）
●医療機関・施設連携（의료기관 및 시설연계）
緊急の医療支援が必要な10代の女性たちに、医療機関や保護施設をご案内します。
取組を紹介するパンフレット↓
また会員薬局では、母子生活支援施設（未婚母施設）やソウル市にある20青少年福祉施設などでは、女性青少年たちに安全な医薬品の使用法を教育も行っているそうです。
パンフレットでは女性薬剤師が対応するとなっていますが、最近では男性薬剤師も参加しているとのこと。
ソウル特別市薬剤師会の会長は、「薬局はアクセスが良く心理的に安心できる空間であるため、家出少女たちが負担を感じずに訪れる場所となる。彼女たちを理解し包み込む相談役になれると考え、薬剤師たちが集まって事業を始めた」と話し、危機にある女性青少年をケアしながら有益な相談を行うために、少女ケア薬局の薬剤師たちは小児青少年精神健康医学科教授とひとり親家族支援センター長を招くなど、毎年研修を受けているとのことです。
この取り組みは、国連でも紹介されている一方で、必ずしも広く知られたものにはなっていないことから、さまざまなイベントを通じて、認知の浸透をはかっているとのことです。
参考：
10年目の危機女性青少年の世話をする「少女ケア薬局」をご存知ですか？
（10년째 위기 여성 청소년 돌보는 ‘소녀돌봄약국’을 아시나요?）
（Kukinews 2023.06.25）
https://www.kukinews.com/article/view/kuk202306230001
「少女ケア薬局運営11年目」ソウル試薬社会、ストリートカウンセリング、広報
（’소녀돌봄약국 운영 11년차’ 서울시약사회, 거리 상담 및 홍보）
（Yakup 2024.07.26）
http://m.yakup.com/news/index.html?mode=view&cat=13&nid=297409
少女ケア薬局＆お年寄りケア薬局薬剤師に聞いてください！
（소녀돌봄약국 & 어르신 돌봄약국 약사에게 물어보세요!）
（ソウル特別市薬剤師会 2019.07.05）
https://www.spa.or.kr/board/NOTICE/board.do?SQ=212271
ソウル特別市薬剤師会の基金による2021年の事業計画
（2021년 서울시 성평등기금 사업계획(안））
（ソウル特別市薬剤師会 2021.03.16）
https://www.spa.or.kr/board/NOTICE/board.do?SQ=258280
2025年11月16日 21:11 投稿
