日本の病院薬剤師の業務に対する医薬品不足の影響は?(国内研究)

海外ではさまざまな調査結果が報告されている医薬品不足問題ですが、このほど病院薬剤師目線で調査、まとめられた報告が論文として発表されています

J Pharm Policy Pract. 2025 Dec 23】
Impact of drug shortages on the work of hospital pharmacists in Japan
https://tandfonline.com/doi/full/10.1080/20523211.2025.2602285

全国自治体病院協議会に加盟する853病院の薬剤部長に対し、2024年2月13日から2024年3月15日までの期間に、回答病院における最近の医薬品不足の状況と、病院薬剤師が医薬品不足への対応に費やした時間に関する質問票を配布

98.1%の病院で、最近の医薬品不足は病院薬局の他の業務に悪影響を及ぼしていると回答。

うち約40%の病院が、医薬品不足による業務量の増加により、一部の薬局業務が実施できなくなったと報告

さらに、約70%の回答者が、医薬品不足により薬剤師の残業時間が増加したと回答

病院薬剤師の作業負荷に特に影響を与える上位 10 種類の薬剤

(経口)アセトアミノフェン
(注射)メロペネム水和物
(注射)等張塩化ナトリウム溶液/プレフィルドシリンジ
(経口)クラブラン酸カリウム/アモキシシリン水和物
(経口)L-カルボシステイン
(経口)デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
(注射)セファゾリンナトリウム
(経口)ビペリデン塩酸塩
(注射)「ポリエチレングリコール処理正常ヒト免疫グロブリン
(経口)ウロキナーゼ
(注射)ジメモルファンリン酸塩

医薬品不足に関する4つの情報源
・製薬企業からの情報
・DrugShortages.jp
・日本ジェネリック医薬品協会(JGA)のデータベース
・日本製薬団体連合会(FPMAJ)のデータベース

についての利用度と満足についても調査

いずれに対する満足度も限られており、「理由の明確さ」、「対応策の提案」、「期間の明確さ」に関して、回答者の4分の1未満が満足またはやや満足にとどまった

近年の医薬品不足への対応に全国の病院薬剤師が費やす人件費は年間71億円と推計

製薬企業から医療機関への適切かつ迅速な情報共有や、医薬品供給状況に関する情報を集約した一元的なデータベースの構築・活用は、病院薬剤師による医薬品不足情報の収集時間の短縮につながる可能性があるとしています。

——

薬がないと訴えるだけではなく、こういったきちんとした調査は必要です。

日薬もこれくらいの調査ができないのかと思いました。


2026年01月17日 23:12 投稿

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