プラビックスとオメプラゾールとの相互作用の追記を指示

 厚労省は27日、クロピドグレル硫酸塩(プラビックス)の添付文書について、オメプラゾールとの相互作用に関する情報と重大な副作用の項に横紋筋融解症に関する情報の追記を指示しました。

使用上の注意改訂情報(平成22年4月27日指示分)(PMDAウェブサイト)

 オメプラゾールとの相互作用については、次のような変更を指示しています。

[相互作用]の項に

「本剤は、主にCYP3A4、CYP1A2、CYP2C19及びCYP2B6により活性代謝物に代謝される。」を追記し、

「併用注意」の項に

「薬物代謝酵素(CYP2C19)を阻害する薬剤(オメプラゾール)」を追記し、

[その他の注意]の項を新たに設け、

「海外で実施された健康成人を対象とした臨床薬理試験において、本剤300mgを初回投与後24時間の5μM ADP惹起血小板凝集に対する抑制率(血小板凝集抑制率:%)は、CYP2C19の代謝能に応じて、Ultrarapid metabolizer(UM)群、Extensive metabolizer(EM)群、Intermediate metabolizer(IM)群、Poor metabolizer(PM)群の順に、40±21、39±28、37±21、24±26であり、その後4日間にわたって本剤75mg/日を投与した後の血小板凝集抑制率(%)は、それぞれ56±13、58±19、60±18、37±23と、PM群において本剤の血小板凝集抑制作用が低下した。」
「海外における経皮的冠動脈形成術施行を予定した患者を対象とした臨床試験及び複数の観察研究において、CYP2C19のPM若しくはIMでは、CYP2C19のEMと比較して、本剤投与後の心血管系イベント発症率の増加が報告されている。」
を追記する。

 クロピドグレルとオメプラゾールとの相互作用については、各国当局が既に注意喚起を行っていますが、欧米のように「併用を避ける」(欧州では警告欄)ではなく、日本では「併用注意」と表現が異なっている点に注意が必要です。(もっと強い表現にしなくていいのかなあ?)

 これで、日本でも添付文書が変更されたことから、プラビックスとの投与患者で新規にオメプラゾールが処方された場合には、処方医に確認が必要となるでしょう。

関連情報:TOPICS
 2010.03.22 欧州医薬品庁もクロピドグレルとオメプラゾールを併用しないよう勧告
 2009.11.18 クロピドグレルとオメプラゾールの併用は避けるべし(米FDA)
 2010.04.15 海外公的機関 医薬品安全性情報Vol.8 No.8(NZ)
 2009.07.13 海外公的機関 医薬品安全性情報Vol.7 No.14
 2010.03.13 プラビックスの使用前に遺伝子検査が必要?


2010年04月29日 12:05 投稿

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