介護予防検診における調査項目

 22日、「改正介護保険法」が国会で成立し、今後は予防重視の介護保険への転換が図られることになりました。具体的には2006年度から、軽度者を対象とする「新予防給付」が実施されるとともに、現在は介護を必要としない人を、要介護に移行するのを防ぐための介護予防の「地域支援事業」という新たなサービスが行われることになっています。

 この「地域支援事業」では、65歳以上を対象に、年に1回以上の介護予防検診を実施(運動機能や食生活の状態を聞き取り、それを介護予防手帳(仮称)に記録して交付)し、保健師など専門家の意見を参考に予防措置が必要と判断された人について、転倒・骨折予防教室や、認知症介護教室などの介護予防教室などに参加してもらうことになっていますが、厚生労働省はこのほど、この検診時に行う心身機能に関連した具体的な調査項目(要介護予備軍チェック項目)を決めたと30日の共同通信(下野新聞)が報じています。

要介護予備群チェック項目(素案)

  • バスや電車で1人で外出をしていますか
  • 日用品の買い物をしていますか
  • 預貯金の出し入れをしていますか
  • 友達の家を訪ねていますか
  • 家族や友人の相談に乗っていますか
  • 片足立ちで靴下を履いていますか
  • 階段を手すりや壁を伝わらずに上っていますか
  • いすに座った状態から何もつかまらずに立ち上がっていますか
  • 15分くらい続けて歩いていますか
  • この1年間に転んだことがありますか
  • 週に1日以上は外出していますか
  • 昨年に比べて外出の回数が減っていますか
  • 半年前に比べて硬いものが食べにくくなりましたか
  • お茶や汁物などでむせることがありますか
  • 口の渇きが気になりますか
  • 6ヶ月間で2〜3?以上の体重減少がありましたか
  • 周りの人から「いつも同じことを聞く」などの物忘れがあると言われますか
  • 自分で電話番号を調べ、電話をかけることをしていますか
  • 今日が何月何日か分からない時がありますか
  • 薬を決められた通りに飲んでいますか

(以下 最近2週間の様子について)

  • 毎日の生活に充実感がない
  • これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった
  • 以前は楽にできていいたことが今ではおっくうに感じられる
  • 自分が役に立つ人間だと思えない
  • 訳もなく疲れたような感じがする。

 転倒や口渇、うつ傾向など、これらの項目の中には、薬の服用(副作用)によって生じうるものもあります。これらのチェック項目に影響を与えないように、現場の薬剤師は日頃から高齢者が服用している薬との関連性について、留意する必要あるのではないでしょうか。

参考:共同通信6月30日


2005年06月30日 23:00 投稿

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