政府はネット販売の安全性確保をどう考えているか(質問主意書)

 みんなの党の川田龍平参議院議員が医薬品のインターネット販売における適正使用と安全性の確保に関する質問主意書を6月11日に提出し、政府は22日に答弁書を返送しています。

医薬品のインターネット販売に関連した医薬品の適正使用と安全性の確保に関する質問主意書
(参議院ウェブサイト 質問主意書)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/174/meisai/m174095.htm

 この質問主意書は、医薬品のインターネット販売の規制緩和を求めるものではなく、インターネット販売の現状への懸念について、政府の考えを質したものです。

 川田議員は、質問2で「IMPACT(国際偽造医薬品・医療機器対策タスクフォース)」の取り組み(TOPICS 2009.11.20)を取上げ、日本において偽造医薬品の流通を防ぐためのインターネット販売の在り方についての政府見解を質しています。答弁書は以下の通りです。

 御指摘の「IMPACT」において「偽造医薬品」、「偽造医薬品とインターネット販売の関係性」等について議論されているが、「偽造医薬品」の確立した定義や「偽造医薬品とインターネット販売の関係性」についての共通の認識はないと承知している。

 したがって、お尋ねの「偽造医薬品流入を阻止するための措置」及び「偽造医薬品の流通を防ぐためのインターネット販売の在り方」についての見解をお示しすることは困難であるが、薬事法上、模造に係る医薬品等については、第五十五条第二項において、保健衛生上の観点から、販売、授与又は販売若しくは授与の目的での貯蔵若しくは陳列が禁止されており、厚生労働省としては、当該規定が遵守されるよう、同法に基づき適切に監視や取締りを行っているところである。

 また、厚生労働省のホームページやリーフレット等を活用して、模造に係る医薬品等に関する販売事例等について注意喚起を行っているところであり、引き続き、これらの取組を推進してまいりたい。

 どうも厚労省は、日本では偽造医薬品は流入しない、国民が被害を及ぼすことは少ないというスタンスのようですね。IMAPCTの国際的な取り組み(TOPICS 2009.11.20)に参加しない理由がわかりました。

 一方、質問3で川田議員は生活者が安心してインターネットにて医薬品を購入できる体制を構築するために、我が国においても何らかの政府認証制度を講ずる必要があるとして、政府の考えを質しています。

 しかし答弁書をみると、「郵便等販売を行う場合は、第三類医薬品以外の医薬品を販売しないこと等が規定されており、厚生労働省としては、薬事監視等を通じてこれらの規定の遵守の徹底を図っているところである。したがって、現時点では、お尋ねのような「公的認証制度」が必要であるとは考えていない。」とし、現状の薬事監視等で十分だとしています。(なら、ネット販売の監視をしっかりやってよ)

 確かに、上乗せ許可となる政府認証制度は必要ないかもしれませんが、何らかの形での「公的認証制度」は私も必要だと思いますね。 

関連情報:TOPICS
  2009.11.20 コードネーム Pangea II(国際刑事警察機構)
  2010.02.14 日本における個人輸入の実態とネット販売規制の国際的動向


2010年07月02日 16:25 投稿

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