厚労省、脱法ドラッグなどの情報を積極発信へ

 日本でもようやく脱法ドラッグに関する情報収集を積極的に行うことになったそうです。

脱法ドラッグでコールセンター 厚労省、年内に設立
(日経、47NEWS 7月7日 共同通信配信)
http://www.47news.jp/CN/201207/CN2012070701001090.html

 上記記事によれば、ハーブを含む脱法ドラッグの販売・流通状況や健康被害に関する情報について、市民から広く収集する専用コールセンターを設置することや、注意喚起するため、新たなホームページの開設などが検討されているとのことです。

 コールセンターやホームページ作成については外部に委託するとのことですが、「偽造医薬品」についてもこの情報収集の対象とするとのこと。(日経配信記事より)

 規制外のくすり、健康被害の重大性というのは共通点はありますが、脱法ドラッグとにせバイアグラを同じ扱いにすることにすることについては、少し疑問があります。また医薬品成分入りのダイエット食品なども情報収集の対象となるのでしょうか?

 脱法ドラッグは薬物の範疇で取り扱うべきであり、下記サイトで現時点で取り上げられていないことには問題意識の低さを感じざるを得ません。(各都道府県の薬務課は結構頑張っているけど、情報発信としては弱い。まずはこのサイトの充実が必要だと考えます)

薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ
http://www.dapc.or.jp/

  米国ではティーン向けの啓発サイトでは現在大きな社会問題となっている“Bath Salts” 問題がきちんと取り上げられています。(このサイトでは、たばこやアルコール、処方薬についても取り上げている他、体験談など乱用者へのサポートについても積極的に行っている。現在の薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ホームページでは、総合的な薬物乱用防止の役割を果たしているとはあまり思えない

Support and Resources for Parents Dealing with Teen Drug and Alcohol Abuse
http://www.drugfree.org/

Our Drug Guide contains information for over 40 commonly-abused drugs.
http://www.drugfree.org/drug-guide

Bath Salts(Drug Guide)
http://www.drugfree.org/drug-guide/bath-salts

 一方、偽装医薬品や医薬品成分などを混入させたダイエット食品などは、薬効そのものを期待して使用されるものであり、脱法ドラッグとは使われ方自体が異なると思います。

 海外ではこれらを総称して“Counterfeit medicines”として、多くの国で専用のページを開設して注意喚起を呼びかけています。

Counterfeit medicines(英MHRA)
http://www.mhra.gov.uk/Safetyinformation/Generalsafetyinformationandadvice/
Adviceandinformationforconsumers/counterfeitmedicinesanddevices/Falsifiedmedicines/

Counterfeit Medicine(米FDA)
http://www.fda.gov/Drugs/ResourcesForYou/
Consumers/BuyingUsingMedicineSafely/CounterfeitMedicine/

 日本でも厚労省内に下記のページがありますが、もっと「くすりには偽物がある」などとした危険性を前面に打ち出して、情報発信の方法を変えてもいいのではない思います。

関連情報:TOPICS
 2012.06.26 脱法ハーブという呼称を変えるべき(クロ現を見て)
 2011.04.27 医薬品個人輸入の危険性
 2009.11.06 ネットでの医薬品購入は危険(英国キャンペーン)


2012年07月09日 00:43 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    薬物依存症の本人及び家族をサポートする団体として、下記のようなところがあります。(薬物そのものの解説は少ない)

    NPO法人 全国薬物依存症者家族連合会
    http://www.yakkaren.com/