新型FLUワクチン、接種の適否は慎重な判断が必要

 13日、厚労省の「第6回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」と「第3回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会」の合同の検討会が開催され、新型FLUワクチン接種後の死亡70例を含む入院相当以上の重篤例199例についての検討が行われています。

平成21年度薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(第6回)及び新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会(第3回)(第3回合同開催)(2009年12月13日開催)
  厚労省資料(12月16日掲載)

資料1-6 死亡症例の概要 (PDF:447KB) 

あまりに空虚な議論 新型インフル ワクチン検討会
 (ロハス・メディカル 12月14日)
  http://lohasmedical.jp/news/2009/12/14152818.php

 各紙によれば、新たに報告された死亡例について、「前回と同じような傾向だ」との見方が示された一方、死亡例の中にはかぜの症状があったのに接種したり、接種後に間質性肺炎などが悪化したケースがあったとのことで、「基礎疾患が重症で、あまり外出しない人に接種する必要があるのか」などの意見が示されました。

 検討会では、これらの意見を踏まえ、ワクチン接種が基礎疾患の悪化の引き金になる恐れがあるとして、接種の際には適否を慎重に判断するよう、注意喚起を強化することで一致したそうです。

 適否の慎重判断の必要性については、12月1日付の下記の事務連絡で示されていますが、今後リスクとベネフィットについてよりわかりやすい情報提供が行われるものと思われます。

基礎疾患を有する者への適切な接種の実施について
(厚労省新型インフルエンザ対策推進本部事務局 12月1日)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/12/dl/info1214-01.pdf

 なお、11月25日〜12月8日に報告された死亡症例(32-58例、前回調査中の報告例も含む)の経過は12月9日のプレスリリースで公表されています。

新型インフルエンザワクチンの接種後副反応報告及び推定接種者数について
(厚労省新型インフルエンザ対策推進本部事務局 12月9日)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/12/dl/infuh1209-02.pdf

関連情報:TOPICS 2009.11.30 新型FLUワクチン接種後の死亡例が公表されなくなる?

参考:
医療介護CBニュース12月14日(一定期間を過ぎるとログイン必要)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/25589.html
毎日新聞12月14日
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091214k0000e040021000c.html
ロハスメディカル12月13日
http://lohasmedical.jp/news/2009/12/13182455.php
http://lohasmedical.jp/news/2009/12/13184552.php
ロハスメディカル12月14日
http://lohasmedical.jp/news/2009/12/14152818.php 

12月16日 18:00 更新


2009年12月14日 16:12 投稿

コメントが4つあります

  1. アポネット 小嶋

    12月18日のプレスリリースで、12月9日以降に報告された死亡症例や重篤症例が公表されています。

    新型インフルエンザワクチンの接種後副反応報告及び推定接種者数について
    (厚労省新型インフルエンザ対策推進本部事務局 12月18日)
    http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/12/dl/infuh1218-01.pdf

    死亡報告症例は90例となっていますが、いずれも関連性はないとしています。

    また重篤報告数は死亡例90例を含む254例で、うち99例は関連ありとしています。

  2. アポネット 小嶋

    12月28日のプレスリリースで、前回12月18日の発表以降に報告された死亡症例や重篤症例が公表されています。

    新型インフルエンザワクチンの接種後副反応報告及び推定接種者数について
    (厚労省新型インフルエンザ対策推進本部事務局 12月28日)
    http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/12/dl/infuh1228-01.pdf

    死亡報告症例は新たに14例増え、全部で104例となっていますが、いずれも関連性はないとしています。

    また重篤報告数は死亡例103例(上記と数値が異なるが)を含む194例で、うち110例は関連ありとしています。

  3. アポネット 小嶋

    共同通信は30日、新型インフルエンザの国産ワクチン接種が、重い基礎疾患(持病)のある患者の死亡リスクを高めているかどうかを見極めるための疫学調査に乗り出すことを決めたと伝えています。

    死亡リスクとの関連調査へ 新型ワクチンで厚労省
     (47NEWS 12月30日 共同通信配信)
     http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009123001000308.html

  4. アポネット 小嶋

    1月8日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会と新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会の第4回会議で1月5日分までの副反応症例が公表されています。

    平成21年度薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会 安全対策調査会(第7回)及び新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会(第4回)(第4回合同開催)
    (2010年1月8日開催 厚労省1月15日掲載)
     http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/01/s0108-4.html

    推定接種者数及び副反応報告頻度について新型インフルエンザワクチンの接種後副反応報告及び推定接種者数について(資料1-1)
     http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/01/dl/s0108-4a.pdf

    死亡報告症例はこれまでに107例となっていますが、いずれも関連性はないとしています。

    また、ギランバレー、アナフィラキシーの疑いがある症例もまとめられています。

    ギランバレー症候群(GBS)の可能性のある副反応報告(資料1-8)
     http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/01/dl/s0108-4h.pdf

    アナフィラキシー様症状の可能性のある副反応報告(資料1-9)
     http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/01/dl/s0108-4i.pdf

    CBニュースによれば、安全性に大きな問題はないとの専門家の見解が一致したとのことですが、間質性肺炎など呼吸器系の基礎疾患がある人に死亡例が多いため、呼吸器疾患対象に疫学研究を検討することになったそうです。