自治体が「ジェネリック医薬品希望カード」を配布(常陸太田市)

 茨城県常陸太田市ではこのほど、後発医薬品の使用を促進するため、名刺大の「ジェネリック医薬品希望カード」を約2万枚作成し、国民健康保険被保険者の約1万2千世帯に郵送したそうです。

 同市では高齢化率が27.23%(2006年10月現在)と高いこともあり、国民健康保険と老人医療を合わせた1人当たりの2005年度の医療費は398,638円で、県平均を約8万円上回る県内で最も高くなっているそうです。

 同市の保険年金課では「ジェネリック医薬品そのものを知らないか、知っていても言いづらい人が多い。」として、今回のカードを作成、後発医薬品の使用を図ることで、国民健康保険の医療費(とりわけ、13.7%を占める薬剤費)の抑制を図る狙いがあるようです。

 同市では、医師会、歯科医師会、薬剤師会に協力を要請した他、市内外の35診療所には「ジェネリックを希望する場合はカードを提示下さい」と記したポスターも配られているそうです。

 すでに茨城県では、県薬が中心となって後発医薬品啓蒙の独自の取り組みが行われており、去年の10月には啓蒙のチラシを作成し、薬局などで配布を始めています。今回の常陸太田市の取り組みも、こういった背景があるのかもしれません。

 こういった「ジェネリック医薬品希望カード」の配布は、すでに一部の健保組合でも行われていて、最近では受診時にカードを提示して後発医薬品を求める患者さんも少なくないようですが、自治体レベルで行うのはおそらく初めてではないかと思います。

 品質などに後発医薬品に疑問を持つ医療関係者もまだまだ少なくありませんが、医療費抑制を旗印に他の自治体も追従する可能性もあります。少なくとも患者さんや住民に対し、医師会や薬剤師会など公的機関が後発医薬品の情報提供やきちんとした啓蒙を行うことが求められていることだけは確かなようです。

関連情報:茨城県薬、チラシ作成しジェネリック医薬品を啓蒙
        (薬事日報 HEADLINE NEWS 2006年11月28日)
        http://www.yakuji.co.jp/entry1706.html


2007年06月08日 14:00 投稿

Comments are closed.