22日、薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会が開催され、WG(ワーキンググループ)がまとめた一般用生薬成分のリスク区分見直し案の審議が行われ、原案通り了承したそうです。
平成23年度第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会
(2011年4月22日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001aj7l.html
現在、生薬及び動植物成分については245成分が第2類、408成分が第3類に区分され、これらの成分が配合された生薬製剤は、配合された成分のうち、最もリスク区分が高い成分に合わせて、リスク区分が決められていますが、WGがまとめた見直しでは、食経験の有無副作用報告などから、製剤としての安全性も踏まえて検討が行われています。
その結果、現行第2類となっている245成分のうち123成分が第3類へ引き下げ(配合量に制限のものあり)となった一方、第3類の408成分のうち5成分が第2類に引き上げられます。
量的条件なしで、第2類から第3類へ変更する生薬及び動植物成分
- アンソッコウ。ただし、外用剤を除く。
 - イヌザンショウ。ただし、外用剤を除く
 - イヌザンショウ果実。ただし、外用剤を除く。
 - エゾノレンリソウ
 - エンメイソウ。ただし、外用剤を除く。
 - ガイシ。ただし、外用剤を除く。
 - カイバ。ただし、外用剤を除く。
 - ガイヨウ。ただし、外用剤を除く。
 - カゴソウ。ただし、外用剤を除く。
 - キバン。ただし、外用剤を除く。
 - キョウオウ。ただし、外用剤を除く。
 - キンギンカ。ただし、外用剤を除く。
 - クニン
 - コウエン
 - ゴウカイ。ただし、外用剤を除く。
 - ゴオウ
 - コズイシ。ただし、外用剤を除く。
 - コトウイ。ただし、外用剤を除く。
 - コトウニン。ただし、外用剤を除く。
 - ゴバイシ。ただし、外用剤を除く。
 - コロハ。ただし、外用剤を除く。
 - サヨウ。ただし、外用剤を除く。
 - サンキライ。ただし、外用剤を除く。
 - サンシシ。ただし、外用剤を除く。
 - サンソウニン。ただし、外用剤を除く。
 - サンリョウ。ただし、外用剤を除く。
 - シクンシ。ただし、外用剤を除く。
 - シャジン(沙参)。ただし、外用剤を除く。
 - シャゼンソウ。ただし、外用剤を除く。
 - シュロヨウ。ただし、外用剤を除く。
 - シンキク。ただし、外用剤を除く。
 - ズシ
 - センタウリウム草。ただし、外用剤を除く。
 - ソウヒョウショウ。ただし、外用剤を除く。
 - ゾクダン。ただし、外用剤を除く。
 - ダイウイキョウ。ただし、外用剤を除く。
 - タイカ。ただし、外用剤を除く。
 - ダイフウシ
 - タラ根皮。ただし、外用剤を除く。
 - タラ根。ただし、外用剤を除く。
 - チクジョ。ただし、外用剤を除く。
 - チユ。ただし、外用剤を除く。
 - ツユクサ。ただし、外用剤を除く
 - テイレキシ
 - テンジクオウ。ただし、外用剤を除く。
 - トウシンソウ。ただし、外用剤を除く。
 - 冬虫夏草。ただし、外用剤を除く。
 - トショウジツ。ただし、外用剤を除く。
 - ナンバンゲ。ただし、外用剤を除く
 - ハクシニン。ただし、外用剤を除く
 - バッカツ
 - ヒカイ。ただし、外用剤を除く。
 - ヒハツ。ただし、外用剤を除く。
 - ビャクゴウ
 - ビャクレン。ただし、外用剤を除く。
 - ビワヨウ
 - プランタゴ・オバタ種子。ただし、外用剤を除く。
 - プランタゴ・オバタ種皮。ただし、外用剤を除く。
 - ボウコン。ただし、外用剤を除く。
 - ホオウ。ただし、外用剤を除く。
 - ボチョウコウ
 - ホホバ。ただし、外用剤を除く。
 - マシニン。ただし、外用剤を除く。
 - マツフジ
 - モッカ。ただし、外用剤を除く。
 - モッコウ。ただし、外用剤を除く。
 - モツヤク
 - ヨウバイヒ
 - ラタニア
 - リョウキョウ。ただし、外用剤を除く。
 - レンセンソウ。ただし、外用剤を除く。
 - ロクキン。ただし、外用剤を除く。
 
配合量に制限を設け、第2類から第3類に変更する生薬及び動植物成分
(1日量が条件値以下の場合に第3類とする)
- インチン。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 3g)
 - インチンコウ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 3g)
 - ウヤク。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 1g)
 - オウゴン。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 1g)
 - オウバク。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 3g)
 - オウレン。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 1g)
 - カッコウ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 3g)
 - カッコン。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 4g)
 - カッセキ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 1.5g)
 - カラセンキュウ。ただし、外用剤は除く。(配合量条件 2.5g)
 - ケイガイ(配合量条件 1g)
 - ケイガイホ(配合量条件 1g)
 - ゲンジン。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.5g)
 - ゴシツ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 1.5g)
 - ゴボウシ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 1.5g)
 - ジャショウシ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.6g)
 - ジリュウ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 1.5g)
 - ジンコウ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 1g)
 - センキュウ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 2.5g)
 - ゼンコ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 1.25g)
 - ソウジュツ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 2.25g)
 - ソボク。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 1g)
 - タクシャ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 3g)
 - チョレイ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 2.25g)
 - テンマ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 1g)
 - テンモンドウ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 1.25g)
 - ドクカツ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 1.5g)
 - ビャクシ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 1.6g)
 - ビャクジュツ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 2.25g)
 - ブクリョウ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 4g)
 - マンケイシ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.5g)
 - リュウタン。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.75g)
 
製剤として第2類成分の配合量が少ない等の理由により、第2類から第3類に変更する生薬及び動植物成分(1日量が条件値以下の場合に第3類とする)
- イレイセン(配合量条件 0.15g)
 - キョウカツ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.15g)
 - キョウニン。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.2g)
 - コウボク。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.3g)
 - ゴシュユ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.4g)
 - サイコ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.7g)
 - サイシン。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.3g)
 - ジオウ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.8g)
 - ジコッピ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.2g)
 - ショウマ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.15g)
 - シンイ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.3g)
 - セッコウ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 1.5g)
 - チョウトウコウ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.3g)
 - ハンゲ(配合量条件 0.6g)
 - ボウイ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.5g)
 - ボウフウ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.3g)
 - ボタンピ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.4g)
 - モクツウ(配合量条件 0.3g)
 - レンギョウ。ただし、外用剤を除く。(配合量条件 0.3g)
 
第2類から指定第2類に変更する生薬及び動植物成分
- 加工ブシ
 - カロコン。ただし、外用剤は除く。
 - クジン。ただし、外用剤は除く。
 - セイヨウトチノキ種子。ただし、外用剤を除く。
 - セイヨウヤドリギ。ただし、外用剤を除く。
 - セキサン。ただし、外用剤を除く。
 - センソ。ただし、外用剤を除く。
 - ダツラ。ただし、外用剤を除く。
 - ブシ
 - ベラドンナ。ただし、外用剤を除く。
 - ホウブシ。ただし、外用剤を除く。
 - ホミカ。ただし、外用剤を除く。
 
第3類から指定第2類に変更する生薬及び動植物成分について
- ソウキセイ
 
配合量に制限を設け、第3類から第2類に変更する生薬及び動植物成分について
(1日量が条件値以下の場合に第3類とする。ただし、カンゾウについては1日量が1g未満の場合に限り第3類)
- アロエ(配合量条件 0.75g)
 - ガジュツ(配合量条件 5g)
 - カンゾウ(配合量条件 1g未満)
 - トウニン(配合量条件 0.5g)
 
今回のリスク区分の変更により、生薬製剤のうち第2類845品目のうち182品目が3類となる一方、第3類185品目のうち15品目が第2類となり、現行法では通販が不可となります。
この15品目にはおそらく、強衰性散、ワグラスD錠、恵命我神散、恵命我神散Sなどが含まれると思います。(副作用報告(→資料2-3-2 リスクの高い区分に変更となる製剤の一覧とその副作用の発生状況・分割版1、きちんと商品名を出せばいいのに)も多いことが理由のようですが、使用者が多ければ、一定数の報告もあるとは思いますが。)
今後、5月中にパブリックコメントが開始され、夏にも告示される予定です。
一方、漢方製剤(○○湯などの処方名がついたもの)は現状で一律第2類となっていますが、今回の成分ごとの見直し案を決定したことから、漢方製剤についても、配合成分や副作用報告の状況を調べてリスク区分見直しに入るようです。
リスクが低いと判断されれば第3類医薬品に移行し、インターネットなど通信販売での販売が可能になるわけですが、どの程度までに広がるでしょうか。
参考:
【一般用生薬】リスク区分を変更‐夏にも告示へ
(薬事日報 HEADLINE NEWS 4月26日)
http://www.yakuji.co.jp/entry22895.html
厚労省  OTC漢方のリスク区分見直し 7月めどに開始
(日刊薬業 WEB フリーサイト4月25日)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226555948395.html?pageKind=outline
医療介護CBニュース 4月22日
https://www.cabrain.net/news/article/newsId/33825.html
医療介護CBニュース3月25日
https://www.cabrain.net/news/article/newsId/33286.html
2011年04月28日 00:07 投稿
