第2回「統合医療」のあり方に関する検討会

 25日、「統合医療」のあり方に関する検討会の第2回会合が行われています。

第2回「統合医療」のあり方に関する検討会
(2012年4月25日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000295bh.html

 検討会では冒頭、小宮山厚生相が統合医療の必要性について述べたのち、聖路加国際病院長の福井次矢氏と順天堂大の丸井英二氏が、統合医療(伝統医療Traditional Medicineと相補・代替医療Complementary and Alternative Medicine:TRM/CAM)について、「安全性、有効性、経済性等に関する評価方法の問題点」「国民への情報提供の実態」「外国(米国、インド、韓国)の状況」などの調査研究を行った厚生労働科学研究の概要について説明しています。

 福井氏は、統合医療は西洋医学)と比べ、「疾病や病態の概念(病態認識)が異なる」「治療によるアウトカムが定性的で主観に基づく」「治療によるアウトカムが複数で複合的なことが多い」「わが国の漢方薬は生薬の品質が厳格に規定されていて、外国(中国や韓国など)で用いられている生薬とは異なる」などの特異性を指摘した上で、統合医療にも、エビデンスに基づいて医療を評価するEBMの考え方を導入できるとの考えを示したそうです。

資料1 福井参考人提出資料(PDF)
資料2 丸井構成員提出資料(PDF)

統合医療の情報発信等の在り方に関する調査研究
(厚生労働科学特別研究事業(平成22年度))
http://www.luke.or.jp/about/approach/research_activities.html

 次いで、慶応大漢方医学センターの渡辺賢治氏が、「伝統医学をめぐる国際的動向」についてという題で、2009年に行った厚生労働科学研究の「漢方・鍼灸を活用した日本型医療創生のため調査研究」をもとに、中国・韓国・日本における伝統医学の動向についての話を行っています。

資料3 渡辺構成員提出資料(PDF)

漢方・鍼灸を活用した日本型医療創生のため調査研究
(平成21年度厚生労働科学研究費補助金(厚生労働科学特別研究事業))
http://kampo.tr-networks.org/sr2009/

 なお、CBニュースなどによれば、検討会では統合医療の定義をめぐって議論が白熱したようです。(医師の委員が注文をつけた)

資料5 「統合医療」を提供している主体(PDF)

関連情報:TOPICS
 2012.03.28 第1回「統合医療」のあり方に関する検討会(Update)
 2010.03.11 漢方・鍼灸を活用した日本型医療創生のため調査研究

参考:
医療介護CBニュース4月25日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37109.html
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37108.html
RISFAX 4月26日
http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=38273


2012年04月29日 16:17 投稿

Comments are closed.