4月24日、厚労省の医薬品等安全対策部会安全対策調査会が開催され、イラクナのリスク区分についての審議が行われたそうです。
【日経DI 2026.04.28】
イラクナ、第2類移行提案も「指定第2類が適切」
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/202604/593025.html
イラクナは、イトプリド塩酸塩を含む製品で、令和3年12月27日承認、令和4年9月28日販売が開始、そして3年後の令和7年9月28日に第1類医薬品にリスク区分が移行され、今回さらにリスク区分の引き下げについての審議が行われたわけですが、この商品は発売以来、一部チェーンドラッグの店舗でしか取り扱いがなく、販売から3年半たった今でも入手できる店舗は限られています。
小林製薬・販売店検索
https://map.kobayashi.co.jp/b/kmap/?code2=01106001
今回、販売店の制限をしたままで、この調査会での審議になったのはおそらく初めてのケースではないかと思っています。
OTCの流通は、直販のルートと卸を介するルートがあり、直販ルートの商品(主に、大正製薬、エスエス製薬)は、直販メーカーとの正式な取引がないと商品自体が入らないものがありますが、今回は卸ルートの小林製薬の商品です。
実際、卸の段階で発注をかけても一般店はストップがかかる仕組みになっています。
今回何が問題かというと、国が取り扱いを求める要指導医薬品などが、取り扱いたくても納入できない商品が増えてきていて、スイッチ化されても生活者に届きにくくなっていることにあります。
背景には、登録販売者でも販売できるリスク区分に引き下げられるまで、要指導、第1類の間は販売を独占したいとする、OTCメーカーと大手チェーンドラックストアの戦略が見え隠れします
2類になったら薬剤師がいないところでも売れるになるからな
業界の身勝手な論理
これでは、スイッチされてもアクセスはちっとも改善されない【厚労省 2026.04.24開催】
医薬品等安全対策部会安全対策調査会 https://t.co/B953Vd9c1v
イトプリド塩酸塩のリスク区分についてhttps://t.co/MNBp8r1PKj— 小嶋 慎二@community pharmacist (@kojima_aponet) April 27, 2026
現在これ以外にも販売店の制限が確認できている要指導医薬品には次のようなものがあります
| 製品名 | 有効成分 | 販売 | 承認年月日 | 販売開始日 |
|---|---|---|---|---|
| ロートアルガードエピナスチン点眼薬 | エピナスチン塩酸塩 | ロート製薬 | 令和8年1月19日 | 令和8年3月2日 |
| アライ | オルリスタット | 大正製薬 | 令和5年2月17日 | 令和6年4月1日 |
| アレグラFXプレミアム | フェキソフェナジン塩酸塩/塩酸プソイドエフェドリン | エスエス製薬 | 令和5年3月27日 | 令和6年1月16日 |
| ギュラック | ポリカルボフィルカルシウム | 小林製薬 | 令和4年9月16日 | 令和7年5月28日 |
また、これ以外にも、これまでも似たような前例はありました
既に第2類で、卸経由で取り扱いが可能になっていますが、
タリオンAR:
2017年9月に承認されたものの、販売まで3年以上放置、2020年12月にようやく販売開始も、販売当初は取り扱い店を限定
セレキノンS:
2014年に販売開始も、課題や成果を検証し、検証後に全国展開を検討するという理由で販売当初は九州・沖縄に限定
最近では、ロート製薬のブランド品であるドゥーテストLH排卵日予測検査薬(第1類)など、従来品についても販売店を絞る動きも出てきています。
さらに、製造販売の承認がとられている、「イブモービック」(メロキシン、エスエス製薬)、要指導医薬品部会で承認が了承され、今後発売が予定されている、「メノフェミニン」 (ブラックコホシュ、小林製薬)、「シアリス」(タダラフィル、エスエス製薬)なども、同様に販売店の限定の可能が高いと考えています。
国はスイッチ化でOTC類似薬からの要指導医薬品や一般用医薬品への移行を進めようとしています。
そして、国や日薬などはなぜ要指導医薬品を扱わないのかとたびたび苦言しますが、OTCメーカーのこういった戦略がある限り、個店ではどうにもなりません。
メーカーの「需要がどれだけ見込めるかどうかわからない」「市販後調査がやりやすい」「調剤主力店は販売力がない」といった事情があるのかもしれませんが、「適正価格で適正量を供給」の名の下に、OTCメーカーとチェーンドラッグ業界との論理を許すのであれば、スイッチされ、要指導医薬品になってもいつまでたっても意味をなさないと思います。
いったい、いつからスイッチOTCはチェーンドラッグのためだけのものになったのでしょうか?
審議会の委員たちはこういう現状を知らないでしょうし、なによりも薬剤師会が業界の論理に黙って屈していることは大いに問題があると思います。(まあ実際は、スイッチOTCにあまり興味がないのでしょうが)
こういった状況を続けるのであれば、OTC類似薬は全て、販売のための手順をまとめて、零売を認める方が、必要とする生活者に早く届くのではないかと思います。
X記事としても投稿しました。
参考:
要指導医薬品一覧(厚労省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/yoshidoiyakuhin.html
第一類医薬品一覧(要指導医薬品から移行後1年未満のもの)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14390.html
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