高血圧がある人への経口避妊薬供給時の留意点は?

米国では経口避妊薬市販化や処方箋なしでの供給がすすめられていますが、ユーザーの禁忌である高血圧症をどのようにスクリーニングすべきかという専門家会合からの提言です。

Am J Prev Cardiol. 2025 Oct 10】
Over-the-counter access to combined oral contraceptives for individuals with hypertension: an expert review
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12554057/

レビューのデータに基づき、専門家パネルは以下の結論に達したそうです。

  1. 過去1年間に血圧測定を受けていない、または自身の血圧値を知らない個人については、製品ラベルにおいて購入前に測定を受けるよう助言すべきである。
    さらに、高血圧や心血管疾患の複数の危険因子(喫煙や糖尿病など)に関する情報を、補足パンフレットや製品添付文書に含める必要がある
  2. 血圧記録の提出を市販の経口避妊薬複合剤の購入条件とすべきではない。ただし、市販化に伴う行動研究で、個人が使用に際し正しく自己スクリーニングできることが実証されている場合に限る。
  3. 血圧スクリーニングをより利用しやすく、手頃な価格にすべきである。

提言:
家庭用血圧計はより手頃な価格で保険適用されるべきであり、薬局など血圧計を一般の人が利用できる場所では、測定精度を向上させるため、幅広いカフサイズを用意すべきである。

市販の経口複合避妊薬は、最も一般的に使用される可逆的避妊法へのアクセスを拡大する可能性がある。また、生殖年齢層、特に若年層や有色人種を対象に、高血圧に関する教育・啓発や予防的心臓血管スクリーニングの機会を強化する可能性もある。

関連情報:TOPICS
2025.04.22 経口避妊薬の薬剤師による処方箋なしの販売で必要なことは?(米)


2025年11月23日 15:24 投稿

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