登録販売者試験の受験資格、来年4月より実務経験や学歴は不問に(Update2)

TOPICS 2014.06.09 で紹介しました、登録販売者試験の受験資格としての実務経験要件等の廃止や店舗管理者等の要件としての実務経験要件の設定などを盛り込んだ改正省令(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令)が7月31日の官報で公布されました(施行は2015年4月)。インターネット版官報(http://kanpou.npb.go.jp/)(号外171号 2-3ページ)で閲覧できます。 

条文がよく理解できず、はじめ「受験試験撤廃は見送り?」というツイートをしましたが、誤りでした。お詫びして訂正します。

 号外2ページの下段後ろの方で、「第百五十九条の五第一項中「次に掲げる」を「写真その他都道府県知事が必要と認める」に改め、同項各号及び同条第二項を削る」となっているので、下記のように変更になります。

(旧)
第百五十九条の五  登録販売者試験を受けようとする者は、本籍地都道府県名(日本国籍を有していない者については、その国籍。第百五十九条の八第一項第二号において同じ。)、住所、連絡先、氏名、生年月日及び性別を記載した申請書に次に掲げる書類を添えて、登録販売者試験を受けようとする場所の都道府県知事に提出しなければならない。
一  次項各号のいずれかに該当することを証する書類
二  写真
三  その他都道府県知事が必要と認める書類
2  登録販売者試験を受けようとする者は、次の各号の一に該当する者でなければならない。
一  旧大学令に基づく大学及び旧専門学校令に基づく専門学校において薬学に関する専門の課程を修了した者
二  平成十八年三月三十一日以前に学校教育法 に基づく大学(短期大学を除く。)に入学し、当該大学において薬学の正規の課程を修めて卒業した者
三  平成十八年四月一日以降に学校教育法 に基づく大学に入学し、当該大学において薬学の正規の課程(同法第八十七条第二項 に規定するものに限る。)を修めて卒業した者
四  旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校を卒業した者であつて、一年以上薬局又は店舗販売業若しくは配置販売業において薬剤師又は登録販売者の管理及び指導の下に実務に従事した者
五  四年以上薬局又は店舗販売業若しくは配置販売業において薬剤師又は登録販売者の管理及び指導の下に実務に従事した者
六  前各号に掲げる者のほか、一般用医薬品の販売又は授与に従事しようとするに当たり前各号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると都道府県知事が認めた者

(新)
第百五十九条の五  登録販売者試験を受けようとする者は、本籍地都道府県名(日本国籍を有していない者については、その国籍。第百五十九条の八第一項第二号において同じ。)、住所、連絡先、氏名、生年月日及び性別を記載した申請書に次に掲げる写真その他都道府県知事が必要と認める書類を添えて、登録販売者試験を受けようとする場所の都道府県知事に提出しなければならない。
 一  次項各号のいずれかに該当することを証する書類
 二  写真
 三  その他都道府県知事が必要と認める書類
2  登録販売者試験を受けようとする者は、次の各号の一に該当する者でなければならない。
 一  旧大学令に基づく大学及び旧専門学校令に基づく専門学校において薬学に関する専門の課程を修了した者
 二  平成十八年三月三十一日以前に学校教育法 に基づく大学(短期大学を除く。)に入学し、当該大学において薬学の正規の課程を修めて卒業した者
 三  平成十八年四月一日以降に学校教育法 に基づく大学に入学し、当該大学において薬学の正規の課程(同法第八十七条第二項 に規定するものに限る。)を修めて卒業した者
 四  旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校を卒業した者であつて、一年以上薬局又は店舗販売業若しくは配置販売業において薬剤師又は登録販売者の管理及び指導の下に実務に従事した者
 五  四年以上薬局又は店舗販売業若しくは配置販売業において薬剤師又は登録販売者の管理及び指導の下に実務に従事した者
 六  前各号に掲げる者のほか、一般用医薬品の販売又は授与に従事しようとするに当たり前各号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると都道府県知事が認めた者

登録販売者制度の根幹に関わる部分をこういった形で変更するのは本当に残念でなりません。

まだ、現時点ではアップされていませんが、パブリックコメント(結果)でどのような意見が出されていたか注目したいと思います。(通常だと、省令公布時にアップされるのですが、おそらく今回はすぐには出ないと思う。でもそうだったらこれは怠慢)

省令の公布と合わせて、パブコメ結果がアップされました。65件の意見が寄せられたそうです。

【e-Gov】 薬事法施行規則の一部を改正する省令(案)に関する意見の募集の結果について
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000116069

意見の内容 厚労省の考え方

(既に試験に合格している者や、今後、実務経験を積んで試験を受けようとする者の取扱いに関するご意見)

・平成27年度の試験を目指して現在実務経験を積んでいる場合、現制度なら試験に合格すれば店舗管理者になれたが、新制度だと更に1年実務経験が必要となり、理不尽。施行は数年後にすべき。
・店舗の運営、出店計画をたて、平成27年度受験予定として実務経験を始めている。平成28年4月以降の運用とすべき。
・現在、医薬品の販売業務に就いていない場合、今後は、店舗管理者になるために、実務経験が2年間必要。これは、現在の制度と比べると不公平。

本省令の公布前に実務経験を積んでおり、平成27年度の試験に合格した者については、一定の期間は1年間の実務経験で店舗管理者になることができる経過措置を設けることとしました。

また、店舗管理者になることができる者についての経過措置については、平成26年度までの合格者を対象とすることとしました。

(受験資格として実務経験をなくすことを含めた今回の改正の理由に関するご意見)

・実務経験をなくすと薬の知識はあっても適切なアドバイスや指導ができないままに薬を販売してしまうおそれがある、一定期間、実務指導を受けることが、安全な医薬品の使用のためには必要。
・現在、医薬品販売の仕事をしていない試験合格者には、再試験を義務付けたり、新しい制度の合格者と同じ実務経験を積まなければ合格を無効にしたりするなどしてはどうか

今回の制度改正は、登録販売者制度の実効性を確保するとともに、医薬品販売における安全性を確保するために行うものであり、受験資格としての実務経験を廃止する一方で、医薬品販売に関係する知識の取得した者が、適切な相談・情報提供が行えるよう、指導者の下で経験を積む期間を2年に延ばすものです。

また、店舗管理者となるためには、5年間のうち2年間従事経験が必要で有り、それまでの間、指導者の下で経験を積むこととなります。

(実務経験以外の受験資格に関するご意見)・受験資格として、年齢制限を設けないのか。 販売従事登録には、店舗で実際に雇用される必要があるため、受験資格として、年齢制限は設けないこととしています
(実務経験等を積むことができる業種に関するご意見)・実務経験を積むことができる業種から配置販売業を削除すべき。 配置販売業は、医薬品販売業の一つであり、店舗販売業と同様に、販売時の説明の義務等も適用されていますので、実務経験を積むことができる業種として考えています。

(実務経験等の内容に関するご意見)

・店舗管理者・管理代行者の指導・管理の下での実務従事が形式的なものとなることがないよう、実効性を伴う厳正な運用を強く求める。

今回の制度改正の具体的な運用を施行通知等でお示しすることを通じて、適切な運用となるよう取り組んでいきます。

(店舗管理者となる要件を満たしていない登録販売者の取扱いに関するご意見)

・店舗管理者となる要件を満たしていない登録販売者の別だけでなく、その意味合いについて購入者等が認識できるような方策が実行されるように求める。

施行通知等で、店舗管理者となる要件を満たしていない登録販売者については、例えば「登録販売者(研修中)」といった表記や、研修中である旨を名札にシール等で表記すべきことを明確化する予定です。

(登録販売者試験の内容や実施方法などに関するご意見)

・登録販売者の試験問題が、都道府県で異なり、難易度に差があるのはおかしい。
・試験の実施回数を増やしてほしい。
・全国一斉で年1回試験実施すべき。
・試験及び合格基準をもっと厳しくする必要がある。
・不合格時には一定の期間試験を受けることができなくした方がいい。

登録販売者試験は各都道府県が行うものですが、厚生労働省では、「登録販売者試験問題作成の手引き」を各都道府県に示すとともに、毎年度、各試験問題の共有を図ることにより、難易度の平準化を図っています。

(登録販売者の資質向上に関するご意見)

・登録販売者に対する研修の実施を徹底すべき。

施行通知において、研修の実施徹底について周知を図る予定です。

(実務経験等の内容に関するご質問)

・実務経験に必要な時間や証明方法はどうなるのか。

今回の制度見直しの具体的な運用については、施行通知等でお示しする予定です。
(店舗管理者の要件に関するご質問)・登録販売者が、要指導医薬品を取り扱う店舗の管理者になるにはどうすればよいか。 要指導医薬品を販売する店舗の管理者は薬剤師でなければなりませんが、その経過措置として、当分の間は、第1類医薬品の販売店で登録販売者が管理者となる場合と同様に、要指導医薬品を販売する薬局等において、登録販売者として、過去5年のうちの3年の実務経験があれば、管理者となることができることとしています。

今回の改正省令案に対しては、薬害オンブズパースン会議が意見書を提出したことを明らかにしています。(今回のパブコメ結果に含まれているでしょうか? 日薬など関係団体はどのような意見を出したのかな?)

「『薬事法施行規則の一部を改正する省令(案)』に関する意見書(パブリックコメント)」を提出しました
(薬害オンブズパースン会議 2014.07.09)
http://www.yakugai.gr.jp/topics/topic.php?id=875

ちなみに、個人的には次のような意見を提出しました

 平成19年6月26日にまとめられた登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会報告書では、「役割をしっかりと果たすことができるようにするためには、あらかじめ、専門家である薬剤師又は登録販売者の管理・指導の下、受験資格として実務経験を積むことを通じて実践的な資質を身につけている必要がある。具体的には、医薬品の販売等の現場において、医薬品の取扱いを知ることや、購入者等からの要望を聞きそれを専門家に伝えて応答の仕方を知ることなどを通じて座学では習得しにくい知識を身につけ、かつ、習得した知識の実践への生かし方を学ぶことなどが考えられる。」と記されています。
一部報道によれば、今回の省令改正は「確認業務が煩雑」「不正証明が相次ぐ」などが理由とされているようですが、こういったことは制度設計において想定されていたことであり、登録販売者制度のこの根幹に関わる部分の変更を厚労省の裁量で案を作り、それをパブリックコメントで了承を求めるというやり方には大きな疑問を感じます。
しかるべき審議会できちんと審議したうえで、提案を図るというのであれば理解できますが、なぜ今回の省令改正が必要なのかという理由がきちんと示されないのであれば、今回の省令変更には反対します。
一方、管理者になるには5年間実務経験を行った上で管理者になれるとのことですが、登録販売者制度では毒物劇物取扱責任者管理者における 「18歳未満の者」「心身の障害により毒物劇物取扱責任者の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの」「麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者」「毒物若しくは劇物又は薬事に関する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなった日から起算して3年を経過していない者」といった資格要件がありません。 今回の省令が改正された場合、資格マニア的な方の受験も考えられます。管理者について、きちんとした資格要件もあわせて規定すべきではないでしょうか?

今回のパブコメの結果では、上記疑問にはあまり答えて頂けませんでした。残念でなりません。(こちんとした手続と対応をすれば、受験資格撤廃は必ずしも反対というわけではありません)

どうでしょう、来年以降の登録販売者試験の難易度は上がってくるのではないかと思います。

今後、関連通知が示されると思いますので、追って紹介できればと思っています。

関連情報:TOPICS
 2014.06.09 登録販売者試験の受験資格に実務経験や学歴は不問(パブコメ)

7月30日22:40更新 23:30更新


2014年07月31日 16:08 投稿

コメントが2つあります

  1. なぜ、薬剤師会は登録販売者研修を主催するのか。
    その意図がわからない。

  2. 日薬が登録販売者の研修を主催で後押ししているが、何を考えているのだろう。本当に、おめでたい日薬だ・・・。OTC薬の現場で、薬剤師と登録者の役割分担はどうなっているのか。そして、要指導薬などの整備は・・。特に、要指導薬は医師会に妨げられて、全く、増えていない。OTC薬の現場で、薬剤師がどのような活躍をしていけるのか。いや、名目だけの洒落た表現を使えば、どれだけの役割使命があるというのか。そういうものが全く整備されていないままに、研修主催も滑稽だ。調剤にしても、医師の下請けになっていて、OTC薬にしても、こんな馬鹿な行動を取っている。だから、いつまで、経っても薬剤師はうだつの上がらない職種・・・。チンケな社会的資格に成り下がっている。登録者研修を主催する前に、日薬としてやらなければならないことがたくさんあるだろう。そんなこともわからない日薬なんて、社会的存在に意味がない。