副腎皮質ステロイドの使用と筋骨格系有害事象(NZ)

 長期の副腎皮質ステロイド(以下ステロイド)の使用による骨粗鬆症、腱障害(tendinopathies)はよく知られている副作用ですが、ニュージーランド(NZ)当局 MEDSAFE が季刊で出す、Prescriber Update で、これまでの副作用報告の概要等が紹介されています。

Prescriber Update(MEDSAFE)
http://www.medsafe.govt.nz/profs/PUarticles.asp

Corticosteroids and Musculoskeletal Adverse Events
Prescriber Update 2012;33(4):37-38)
http://www.medsafe.govt.nz/profs/PUArticles/Dec2012Corticosteroids.htm

日本語訳概要
(医薬品安全性情報 Vol.11 No.02(2013/01/17))
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly11/02130117.pdf#page=16

 ニュージーランドの副作用モニタリングセンターには2000年1月から2012年6月までのステロイドの使用と関連が疑われる40の筋骨格系の副作用の報告があったそうです。

 薬剤の内訳は、プレドニゾロン30、デキサメタゾン9、トリアムシノロン2、メチルプレドニゾロン1で、2例で複数のステロイドの使用があったそうです。

 副作用で最も多かったのが、無血管性骨壊死(Avascular necrosis )55.6%で、骨壊死(osteonecrosis )13.3%、腱断裂(Tendon rupture)11.1%と続いています。

無血管性骨壊死(メルクマニュアル)
http://merckmanual.jp/mmhe2j/sec05/ch064/ch064a.html

 無血管性骨壊死の報告の2/3は大腿骨頭部に見られた他、これまでに海外で短期間であっても投与量が高用量であったり、局所使用での報告もあるとして、注意を呼びかけています。

1月18日リンク追加


2012年12月13日 14:05 投稿

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