OTC子ども用風邪薬、薬剤師の管理下での販売が必要(豪州)

 豪州の公的医薬品規制機関のTGAは22日、OTC子ども向け風邪薬・咳止め薬について、6歳未満は処方せん医薬品、12歳未満の用法がある製品については要薬剤師薬に分類を変更するなどの方針をまとめ、12月18日までのパブリックコメントを開始すると発表しました。

Labelling and packaging of cough and cold medicines – proposed changes to requirements(TGA 2009.10.22)
http://www.tga.gov.au/archive/consult-labelling-cough-cold-091022.htm
http://www.tga.health.gov.au/npmeds/consult/drlp-ccmedicines.htm

 TGAでは、海外で発表されたレビューの検討の他、国内で独自のレビューを行い、6歳未満の使用はベネフィットよりリスクが上回り、また6歳以上12歳未満についても有効性が十分でなく潜在的リスクがあるとして、下記のような勧告を行っています。

  • OTC風邪薬・咳止め薬は、6歳未満の小児には使われるべきではない。6歳以上12歳未満についても、医師または薬剤師のアドバイスの下で使用されるべきである
  • 2010年7月1日からは、6歳未満への用法の入った製品は認めない
  • 現在大部分の風邪薬・咳止め成分は、S2 (pharmacy only 薬局医薬品)だが、6歳〜11歳への用法があるものはS3 (pharmacist only 要薬剤師薬)、6歳未満については、S4(処方せん医薬品)とすべきである
  • 6歳未満のこどもにとってOTC風邪薬は効果がないばかりか、潜在的に有害であることを、医師・薬剤師・消費者は理解すべきであり、関係団体は教育キャンペーンを行うべきである。

該当となる成分は以下の通りです。

鎮咳薬 コデイン、ジヒドロコデイン、デキストロメトルファン、pholcodine、pentoxyverine
去痰薬 グアイフェネシン、ブロムヘキシン、塩化アンモニウム、トコン(ipecacuanha)、セネガ、アンモニア
鼻粘膜充血除去薬 プソイドエフェドリン、フェニレフリン、oxymetazoline、xylometazoline
抗ヒスタミン薬 クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、フェニラミン、brompheniramine、doxylamine、triprolidine、dexchlorpheniramine

あわせて発表された資料は以下の通りです。(PDFファイル)

Summary of actions taken by the TGA and other regulatory agencies regarding cough and cold medicines in the treatment of children
 (豪州及び、カナダ、米国、英国、ニュージーランドの対応状況のまとめです)

Review of cough and cold medicines in children
 (海外と豪州独自のレビューのまとめ)

Tabulated summaries of clinical trials prepared by the TGA to accompany the Report by the External Reviewers
 (上記レビューで引用された文献の概要)

TGA internal panel report on the safety, efficacy and use of cough and cold medicines in the treatment of children aged 2-12 years
 (当局に寄せられた有害事象のまとめと安全対策)

TGA Internal Panel to review cough and cold medicines for children aged 2-12 years
 (6月25日に行われた専門委員会の議事の様子)

Extract of Minutes Medicines Evaluation Committee Meeting
 (7月30日に行われた医薬品評価委員会の議事の様子)

 TOPICS 2009.5.12 で紹介しましたが、日本では有害事象の報告がないとして、現在のところ、レビューは海外の様子見、対応は現場での自主的な取り組みにまかせられているのが現状ですが、果たしてこんな対応でよいのでしょうか?

 今年、酸化マグネシウムのリスク分類の変更をするかしないかでもめた結果、「長年安全に使われてきたから」という理由で、第三類のままとなったということがありました(TOPICS 2009.08.08)が、OTCは実際にどのように使われる可能性があるかなど、OTCとしての視点での再評価も必要です。(酸化マグネシウムの例であれば、もし知らずに腎障害がある人が使用する、やせ目的で大量服用する可能性も念頭に)

 セルフメディケーションを推進したいのであれば、日本でも海外でのこういった動きに対応して、OTCという視点での再評価がもっとすすめられるべきではないでしょうか?

関連情報:TOPICS
 2009.05.12 OTC小児用風邪薬・咳止め薬のさらなる注意喚起は見送りへ
 2008.07.05 2歳未満はOTC風邪薬は使用せず受診を
 2008.04.09 抗ヒスタミン剤、2歳未満は処方せんが必要(豪州)
 2009.10.08 6歳未満に風邪薬・咳止め薬は与えられるべきではない(NZ)
 2009.03.01 英国当局も6歳未満にはOTC風邪薬・咳止めを使用しないよう勧告
 2008.12.19 カナダ当局、6歳未満にはOTC風邪薬・咳止めを使用しないよう勧告
 2008.10.08 小児用OTC風邪薬は4歳未満に与えてはいけない(米国)
 2008.01.18 ニュージランド政府も2歳未満の風邪薬の使用禁止を勧告
 2008.12.21 OTC風邪薬による有害事象は、偶発的過量服用だけが原因ではない
 2008.01.30 風邪薬・咳止めによる事故の多くは大人の不注意が原因(米国)
 2006.01.11 OTC咳止め薬は、本当に有用か?(米国)

2012.08.17 リンク再設定


2009年10月23日 15:26 投稿

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