第1回内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会

 すでに、業界紙・ブログなどで紹介されご存じの方も多いかと思いますが、厚労省は5月25日、「内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会」の第1回会合を開催しています。

内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会(2009年5月25日開催)
 資料 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/s0525-3.html
議事録 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/txt/s0525-1.txt

 この検討会では、医療安全の観点から、内服薬処方せんの記載方法に係る課題やその標準化など、今後の処方せんの記載方法の在り方ついて、幅広く検討を行うもので、第1回会合では、厚生労働科学研究班がまとめた処方せん記載方法の標準案(資料3:p15-18、下記例はこの資料より引用)が、議論のたたき台として示されました。

 標準案では、分量として1回服用量の記載が提案され、用法・用量として1日服用回数や服薬時期、服用日数を記載します。

(1)錠剤・カプセル剤の場合

記載例(錠剤・カプセル剤の場合) 散剤や液剤の場合、薬名を販売名で記載した場合には、分量は製剤量(薬剤としての重量)とし、薬名を一般名(原薬名)で記載した場合は、分量は原薬量で記載します。

(2)散剤の場合

記載例(散剤の場合)

(3)液剤の場合

記載例(液剤の場合)

(4)休薬期間のある薬剤の場合

記載例(休薬期間のある薬剤の場合)

 1回服用量を基本とした理由については、「1日量」を採用しているのは先進国の中では日本だけで、「1回量」を明示しない処方せんは、あいまいさを広めていること、誤解・伝達ミスを防ぐ上で最小単位での記載が最も正確である点などをあげたそうです。

 検討会は年度末までに結論がとりまとまれるよう、今後月1回のペースで開かれ、次回の検討会では、患者、薬剤師、看護師の立場をそれぞれ代表した3人の委員からヒアリングを行う予定だそうです

 なお、検討会で引用されている研究斑がまとめた報告書が、6月16日、配付資料のページに掲載されました。

  • 平成14年度(2002年度)報告書(PDF:4,623KB)
  • 平成17年度(2005年度)報告書(PDF:295KB)
  • 平成18年度(2006年度)報告書(PDF:566KB)
  • 平成19年度(2007年度)報告書(PDF:547KB)

 この報告書(2006・2007年度分は全文、2005年度分は概要版のみ)は、下記ページからも閲覧することができます。(検索ワードに「処方せん」と入力後、検索実行ボタンを押すと報告書がリストアップされます。)

厚生労働科学研究成果データベース・検索トップ
 http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIST00.do

 処方医によって、処方せんの記載の仕方がバラバラであることがよくわかります。

関連ブログ:処方せん記載方法についての検討会が始まる
        (薬局のオモテとウラ 2009年5月26日)
    http://blog.kumagaip.jp/article/29397472.html

参考:
処方せん記載方法の標準案提示、情報伝達のエラー防止が目的
 厚生労働省処方せんの記載方法に関する医療安全対策の検討研究班
(クラシス薬剤師関連ニュース 2009年5月27日 薬事日報配信)
 http://yaku-job.com/news/item_1038.html

CBニュース5月25日、26日
日経DIオンライン5月29日

6月16日 17:00更新


2009年06月02日 17:17 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    6月16日、議事録と検討会で引用されている研究斑がまとめた報告書が、配付資料のページに掲載されました。本記事からもリンクをはりましたので、ご参考下さい。

    尚、第2回は6月22日(月)に開催予定で、患者の立場から隈本邦彦(江戸川大学メディアコミュニケーション学部教授)委員、薬剤師の立場から岩月進(日本薬剤師会常務理事)委員、看護師の立場から嶋森好子(慶応義塾大学看護医療学部教授)委員の3委員が、それそれの立場から現状の課題、論点を踏まえた意見が示すとのことです。