第1回医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会の資料が公表

 27日、第1回医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会の資料がWAM NETに掲載されました。

第1回医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会(2009年2月24日開催)
    WAMNET資料(2月27日掲載)
    厚労省資料(3月3日掲載、個別資料はこちらの方がきれいです)

 資料は、委員提出のものだけでも105ページにも及び、かなり読み応えがあります。

 楽天とオンラインドラッグ協会は独自の業界ルール案を提示した他、あるネット販売事業所(おそらくケンコーコム?)の購入者の住所地、年間医薬品上位のリストが示されています。(上位に便秘薬やスミスリンがランクされているのは興味深いところです)

 また、増山委員が提出した、昨年12月3日に行われた緊急フォーラムの資料や綾部委員提出のいわゆる伝統薬の販売状況を示した資料も考えさせられるところがあります。

 一方、日薬の児玉委員はどうかというと、関係団体9団体で12月18日に提出した「改正薬事法の下での一般用医薬品供給の確保対策について」という下記のようなペーパーのみで、ネット規制反対・慎重派の委員の資料と比べ、説得力に欠けると言わざるを得ません。

改正薬事法の下での一般用医薬品供給の確保対策について

 去る12月11日には、ご多忙にもかかわらず面談のお時間をいただきましたこ去る12月11日には、ご多忙にもかかわらず面談のお時間をいただきましたことに感謝申し上げます。
 我々は、「効果もあれば副作用もある」という医薬品の特性を考えれば、薬剤師や登録販売者といった専門家自らの手によって、対面で情報提供を行うことが必須であり、インターネットによる販売では、生活者が正しく医薬品を選択し安全かつ適正に使用できないと考えています。
 舛添大臣は、私共に会っていただいた同じ日に、障害者の方や小さな子供を育てている主婦の方などにも会われ、インターネット販売の利便性に関する要望を聞いておられます。医薬品の中には、これらの方々には使用すべきでないものがありますので、供給方法についてはより慎重に考える必要があり、インターネット販売ではなく、専門家による対面販売により医薬品を購入すべきと考えます。
 しかしながら、これまでインターネットを利用されてきた方にとっては、改正薬事法の施行後は医薬品を購入しにくくなるとの不安があるのも事実だと思います。
 そこで、我々は、対面の原則を前提として、別紙のように一般用医薬品を供給する方法をお示しします。
我々は、これらの方法を通じて、改正薬事法の下、全ての国民がインターネット販売によらずとも必要な医薬品 を安全かつ適切に購入できるよう、全力で取り組みますので、どうかご安心いただきたいと存じます。

平成20年12月18日

日本薬剤師会
全国医薬品小売商業組合連合会
全国配置家庭薬協会
全日本薬種商協会
日本医薬品登録販売者協会
日本置き薬協会
日本チェーンドラッグストア協会
日本薬局協励全
日本薬業研修センター

厚生労働大臣 舛 添 要 一 殿

(別紙)

1.障害者、高齢者、妊婦、育児中の方などであって、薬局や店舗に自ら買いに行けない人に対する供給方法

(方法の1)
○ 配置販売業者を通じて、必要な医薬品を居宅に配置する。

 配置販売業の場合、訪問先の居宅で、専門家が対面で情報提供することになる。

(方法の2)
○ 使用する者から依頼を受けた家族、親戚などが薬局・店舗を訪れて、使用する者の状態を伝え、専門家から対面で情報提供を受けて医薬品を購入する。

 この場合、購入を依頼された家族などが使用する者に医薬品を渡しながら情報提供の内容を伝えることになる。

(方法の3)
○ 介護事業者などが、障害者や高齢者などの通院や買い物を介助する中で、薬局・店舗に来て、使用する者が専門家から対面で情報提供を受けて、医薬品を購入する。

2.居住地の近くに薬局・店舗がない人に対する供給方法

○ 上記1の「方法の1」のように、配置販売業者を通じて、必要な医薬品を居宅に配置する。

3.購入したい医薬品が近くの薬局・店舗で販売していない場合の供給方法

○ 使用する者が近くの薬局・店舗に注文して、その薬局・店舗が製造業者や製造販売業者から取り寄せて、使用する者が薬局・店舗を訪れて、専門家から対面で情報提供を受けて購入する。

 この場合、使用する者の代わりに家族や親戚などが薬局・店舗を訪れて、専門家から対面で情報提供を受けて購入し、使用する物に渡すことも可能である。

 

 代替手段を示すことも結構ですが、6月の施行から、薬局・店舗販売業ではではこういった方法で情報提供を行い安全性を確保する(ネット販売ではしえない具体例を挙げて)などの行動指針を示すことも必要だったのではないでしょうか。チェーンドラッグストア協会も同様です。

関連情報:TOPICS
 2009.02.24 医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会が開催
 2009.02.10 OTCの通信販売継続等を求める緊急会議が開催

3月3日 19:00リンク追加


2009年02月27日 14:43 投稿

コメントが2つあります

  1. アポネット 小嶋

    日本オンラインドラッグ協会が、当日の検討会の様子について、議事録速報としてアップしています。

    日本オンラインドラッグ協会、医薬品のインターネットその他通販等に関し、2009年2月24日開催の厚生労働省検討会 議事録メモを公開
       (news2u.net 2009年3月3日)
     http://www.news2u.net/NRR200945261.html

    検討会速報
     http://comments.online-drug.jp/archives/189652.html

    日本オンラインドラッグ協会活動報告2008
     http://www.online-drug.jp/2008/

    上記資料と合わせて読むとおおよそ当日の様子がわかります。

    日薬児玉会長の発言は「児島」となっていますのでご注意下さい。

  2. アポネット 小嶋

    3月24日、議事録が厚労省ウェブサイトに掲載されました。

    第1回医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会議事録
     http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/02/txt/s0224-1.txt