WADA、バイアグラを禁止リストに加えることを検討

 ここ数日の海外各紙は、世界アンチドーピング機構(WADA:The World Anti-Doping Agency)が、バイアグラ(シルデナフィル)などの性機能改善薬を、WADAの禁止リストに加えることを検討していると伝えています。  

 シルデナフィルなど、PDE5阻害薬には平滑筋弛緩作用があることから、運動科学者たちは肺への血流量の増大や筋肉への血流供給が増大し、運動能力のアップするのではないかと考えたのでしょう。

 一部の研究で、シルデナフィルの使用により自転車競技でタイムが縮まるとのデータもありますが、現時点ではその影響は明らかではないことから、WADAでは来年を目途に現在検討を行っています。各紙は、次回ロンドンオリンピックまでには禁止リストに加えられるのではないかとしています。

 すでに出場停止になった自転車選手の自宅から大量のバイアグラが発見されたり、WADAによる尿のサンプリング調査で同効薬のシアリスが検出されるなど、スポーツ界では“Vitamin V”として密かに使用が広がっていると各紙は伝えています。

 各紙では、現時点では規制がなく、大気汚染がひどい北京オリンピックではバイアグラは有用ではないかとして、多くの選手が使用するのではないかと伝えています。記録とメダルのためには手段を選ばないのでしょうか。

関連情報:The drug wars(British Journal of Sports Medicine 2007;41:1)
     http://bjsm.bmj.com/cgi/content/full/41/1/1

参考:Athletes face Viagra ban as sex pil
    found to boost performance on track as well as in bedroom
      (Daily Mail Online 2008.6.22)
   Wada to consider banning Viagra(BBC SPORT 2008.6.23)
     http://news.bbc.co.uk/sport1/hi/olympics/7469509.stm
   Sex drug up for international sporting ban
     (News.com.au 2008.6.24)
     http://www.news.com.au/story/0,23599,23913012-13762,00.html  

6月24日 12:30掲載


2008年06月24日 12:30 投稿

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