OTCの通信販売継続等を求める緊急会議が開催

 6月からは、第3類以外の一般医薬品の通信販売(郵便、カタログ、ちらし、電話、インターネット等)禁止が確実と伝えられていますが、17日、「一般用医薬品の通信販売継続及び安全な販売環境の整備を求める緊急会議」というのが開催されています。

一般用医薬品の通信販売継続及び安全な販売環境の整備を求める緊急会議
  http://www.iyakuhin-tuhan.com/
    (当日の模様がビデオ配信されています)

 この緊急会議は、慶応大総合政策学部教授の國領二郎氏などの有識者が呼び掛け人となって開催されたもので、当日は通信販売利用者6人、楽天や日本オンラインドラッグ協会などの販売関係事業者4人がディスカッションに参加し、「通信販売を必要不可欠なものとして利用する人がおり、通信販売を禁止されると、代替手段を講じることでは問題が解決できないことが明確になった。また、一般の消費者にとっては、通信販売を通じて市販の医薬品を購入できるという安心感の確保も重要」といったことが指摘されています。

「一般用医薬品の通信販売継続及び安全な販売環境の整備を求める緊急会議」の結果報告について
(2009年1月17日ニュースリリース)
  http://www.iyakuhin-tuhan.com/news/news01.pdf

 通信販売規制反対派は一般用医薬品の通信販売の継続を可能とするためには、どのような安全な販売環境整備が必要かなどを検討することで、幅広い国民的議論を喚起するという方向に舵を切ったようです。

 消費者や国民を味方につけるために、議論をオープンな形で伝えることはなかなかの方策です。6月以降、私たちも法律(省令)に守られるのではなく、販売時の情報提供の確実な実施をきちんと行い、国民的支持が得られるよう努力する必要があるでしょう。

参考:一般医薬品のネット販売規制めぐり、有識者らが「緊急会議」
    (internet Watch 2009年1月19日)
 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/01/19/22135.html


2009年01月20日 00:51 投稿

コメントが2つあります

  1. アポネット 小嶋

    上記ウェブサイト掲載のビデオを見ました。
    生の声が聞けたという点で、いろいろ勉強になりました。
    時間があれば、皆さんも視聴されることをおすすめします。

    考えさせられた発言等ををいくつか紹介します。

    ・大衆薬販売時の情報提供とか、消費者への啓蒙をしていないのに
     一方的に規制するのはおかしい。
    ・販売規制によって、どういうくすりが買えなくなって、どういう人が
     どのように困るのかといった消費者側にたった検討が十分行われていない。
    ・「ネットで買える」=「気軽に買える、安心感がある」
     (大衆薬は安全という意識が前提にある?)
    ・離島・過疎地では、医薬品を扱う商店が少なく、品揃えが十分でない
     (こういった地域の医薬品の供給は誰がどのように行うべきか?)
    ・「自分でくすりを選びたい」「自分にあった常備薬を選びたい」という
     発言が多い
     (セルフメディケーション=大衆薬を自分で選ぶことなのか?)
    ・パーキンソン病など持病を持つ人や障害を持つ人でも、自分で薬を選ぶ
     権利がある
     (大衆薬にも相互作用や日常生活への影響があることを知らない?)
    ・売るための宣伝はあるが、リスクについての情報提供は少ない
    ・妊娠検査薬など、他者に購入を知られないですむネット販売がなくなると
     健康を守る生活の質が損なわれる
    ・ネット販売、店舗販売(対面販売)の比較だけではなく、何をどのように
     売るのかという議論をきちんと行うべき

  2. アポネット 小嶋

    当日の様子については、2009年2月24日に開催された「第1回医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」の国領委員提出の資料[PDF](出所:厚労省HP)でも紹介されています。

    上記ビデオ・資料をみていただければわかるのですが、大阪府在住の薬剤師の女性からという次のような手紙が紹介されています。

    ネット販売は、対面に比べてどれくらいリスクが高いか、医薬品の販売は利便性よりも安全性が確保できる制度が必要ということで議論されてきましたが、私が見た限り、その議論されてきた実例がかなりお粗末なように思われます。厚労省の回答の中に、「医薬品の想定しうる健康被害のおそれに対して、未然防止の制度設計を行うべきである」とありあたって、この副作用が対面販売で予見できる、医師、薬剤師がいらっしやいましたら、名乗り出て、薬剤師たちに指導してほしいものだと思います。

    副作用は、対面販売、ネット販売に関係なく、不幸にして起こるものであり、販売時にどのような症状であれ、異常が見られれば、服用を当然中止し、受診することを勧めているのは、どちらの立場でも同様であるものと思われます。

    郵便等での購入に頼る方たちの利便性が損なわれる詰もどんどん、厚生労働省に伝わるように強く願ってます。