FDAが緊急避妊薬のOTC化を条件付で承認

 FDAは24日、米・ファーマシューティカルズ社申請の緊急避妊薬「PlanB」のOTC製品について、18歳以上に販売を限定するなどの条件で認可すると発表した。

 FDA Approves Over-the-Counter Access for Plan B for Women 18 and Older
   (FDA NEWS 2006.8.24)
  http://www.fda.gov/bbs/topics/NEWS/2006/NEW01436.html

 Plan B: Questions and Answers(FDA 2006.8.24)
  http://www.fda.gov/cder/drug/infopage/planB/planBQandA20060824.htm 

 今回の承認にあたっては、下記のようなことが求められている。

  • 販売は18歳以上の男女に限定し、販売の際は身分証明書などで年齢を確認する
  • 17歳以下の少女への販売は、従来どおり処方せんによる販売のみとする
  • 販売は薬剤師のいる店舗のみに限定し、コンビニエンスストアやガソリンスタンドでは販売できない
  • 商品は、オーバーザカウンターで陳列する
  • PlanBの適切な使用方法に関する情報を、フリーダイヤルなどを通じて消費者・医療専門職に行なうこと
  • 年齢制限の効果及びPlanBの安全性についてモニターすること

 これを受け、米国薬剤師会では今回の決定を歓迎する声明を発表、薬剤師は消費者の質問などに積極的に対応していくとしている。

 APhA Statement on FDA’s Recent Approval of Plan B for OTC Status
  (APhA IMMEDIATE RELEASE 2006.8.24)
http://www.aphanet.org/AM/Template.cfm?Template=/CM/ContentDisplay.cfm&ContentID=6569

 緊急避妊薬はすでに、豪州・ニュージーランド・カナダ・フランス・ベルギー・フィンランド・スウェーデン・ノルウェー・英国・韓国?・中国?など41カ国で処方せんなしでの購入が可能であり、フランスでは、スクールナースを通じて学校内でも供給されている。一方日本はどうかというと、高用量のlevonorgestrel製剤で代用しているのが現状で、処方せん薬としても承認されていない。このため、今後は海外からこれらがさらに国内に流入する可能性が大きく、私たちも関心を持つ必要がある。

 なお今回の年齢制限については、議論を残していて、メーカーでは引き続き年齢制限の見直しを求めていくという。OTC品は年末までには発売の見通し。

 資料:Plan B Consumer Home Page
     http://www.go2planb.com/ForConsumers/Index.aspx

 関連情報:TOPICS 2006.08.02 FDAが緊急避妊薬のOTC化を検討

 参考:Plan B backers vow to fight age restrictions
    (MSNBC 2006.8.25)
    http://msnbc.msn.com/id/14512830
US clears wider access for ‘morning-after’ pill
    (Washinton Post 2006.8.24 ロイター通信配信)
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/08/24/AR2006082400633.html
   FDA Eases Limits on Morning-After Pill
    (ABC NEWS 2006.8.24 AP通信配信)
    http://abcnews.go.com/Health/wireStory?id=2354636
   日本経済新聞8月25日
    http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djBFI8670.html


2006年08月25日 23:50 投稿

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