予防接種プログラムに地域薬剤師を参加させることは、国民の予防接種率を高める機会となるとしたスペインの公衆衛生誌に掲載の論文を紹介します
La vacunación por farmacéuticos comunitarios en España: una oportunidad para mejorar la cobertura basada en la evidencia europea
(Revista Española de Salud Pública 2026.01.19)
https://ojs.sanidad.gob.es/index.php/resp/article/view/870
27のEU加盟国のうち15カ国(ドイツ、ベルギー、デンマーク、スロバキア、フィンランド、フランス、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア)で、地域薬局を予防接種戦略に組み込んでいる。
さらに、クロアチア、エストニア、マルタ、オランダ、スウェーデンなどの国々では、薬局が、他の医療従事者が担当するワクチン接種拠点として機能している
EU加盟国の多くは、関連する法改正や組織改革を行った後、地域薬剤師をワクチン接種活動に組み込むことで国民のワクチン接種を促進することを決定しているが、スペインはこの措置を採用していない
そこで研究者らは、医療政策上の決定に関する客観的な理由として、
- スペインの薬学卒業生の資質が他の欧州諸国に比べて劣っているのか
- 地域薬局のネットワークが国民保健システムの施設として、付加価値をもたらしていないのか
- ワクチン接種率が十分に高いのか
といった点を分析している
その結果
- スペインでは、EU加盟国を含む49カ国ととほぼ同等の教育を受けている
- 多くの国では、ワクチンの投与に関する実践的な手順についての具体的な研修はないが、公衆衛生、免疫学など関連の理論的なものはカリキュラムに含まれている。
- そこで、薬剤師にワクチン接種に必要な実践的なスキルを⾝につけさせることを目的としたコースを通じて、この研修のギャップに対処している
- 国際的な経験から、この追加研修での標準化されたプロトコルにより、従来の臨床現場と同等の安全性レベルが確保されている
- また、スペインは人口10万人あたりの地域薬局数でヨーロッパ第2位であり、薬局は、立地の良さ、営業時間の延長、そして継続的なケアといった点で、ワクチン接種へのためらいを軽減する上で有利な立場にある
- 薬局でワクチン接種プログラムを実施している国々では、ワクチン接種率が高い
- スペイン国民は、近隣諸国の多くよりも広範で利用しやすい薬局ネットワークを有しているにもかかわらず、他のいくつかの欧州諸国の市民に比べて、ワクチン接種へのアクセス選択肢が少ないという状況にある。
研究者らは「客観的な科学的・技術的基準で反対する根拠がないにもかかわらず、地域薬剤師がワクチン接種プログラムにおいて他の医療専門家と協力する可能性がスペインで検討すらされていないのは理解しがたい」と指摘
「この状況を打開するには、公衆衛生の利益を最優先し、共通のプロトコルを確立し、他の国々ですでに有効性が確認された。解決策の採用を、いかなる管轄権の問題も妨げないことを保証する、断固とした制度的な決定が求められる」としている
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スペインは人口当たりの薬局数は多く、日本と似た状況
日本では、アカデミアからこういった論文がなぜ出されないのだろうか?
参考:
La evidencia europea avala la vacunación en farmacias como eje para mejorar coberturas
(Diariofarma 2026.10.15)
https://diariofarma.com/2026/10/15/la-evidencia-europea-avala-la-vacunacion-en-farmacias-como-eje-para-mejorar-las-coberturas
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