動物医療における薬学と薬剤師についての研究をおこなっている、東北医科薬科大学臨床薬剤学教室の調査結果が論文化されています。
【Pets. 2025 Nov 2】
Self-Medication Practices for Companion Animals in Japan: A Descriptive Survey of Pet Owners’ Use of Over-the-Counter Drugs and Perspectives on Pharmaceutical Care
https://www.mdpi.com/2813-9372/2/4/39
日本のペット飼い主による薬の使用状況について調査
2025年5月30日から6月2日の間に、日本の飼い主500人を対象に、13項目のオンライン横断調査を実施
回答者の15.2%がペットに市販薬を使用している(犬の飼い主の17.9%、猫の飼い主の11.0%)と回答
最も多かったのは日本では獣医師の処方箋なしで入手できるノミ・ダニ予防薬
一般的な購入場所には、ドラッグストア、オンラインプラットフォーム、ペットショップなど
ペットの飼い主は、製品を選ぶ際に獣医師、インターネット、ペットショップなどさまざまな情報源に頼っていた
ペットの飼い主の約65%がペットの薬について薬剤師に相談したいと回答したが、実際に相談した人はごくわずか
過去 3年間で、回答者の 61.6% がペットの体調不良時に動物病院に連れて行ったのに対し、13.0% は連れて行ってなかった。ペットの体調不良時でも、症状が軽度であること、自宅で治療できると信じていること、経済的な理由で動物病院でみてもらわない人もいた
近年、動物病院からの処方箋を受け付け、抗腫瘍薬などの複雑な製剤の調剤と無菌調製の両方を提供するペット専門薬局が日本で少数ながら現れている
米国では、ペット用医薬品が地域の薬局を通じて広く調剤されており、薬剤師がペットの飼い主に投薬指導を行うことがよくあると報告されている
薬剤師と獣医師のより強力な連携の必要性も指摘。医薬品の安全性を確保し、誤用を減らし、購入時に専門家の指導を受けられない飼い主を支援するために連携は不可欠である
【Pharm Pract. 2026 Mar.13】
Future perspectives on household pharmaceutical management and medication administration for companion animals in Japan
https://pharmacypractice.org/index.php/pp/article/view/3386/1394
https://pharmacypractice.org/index.php/pp/article/view/3386
日本の家庭におけるペット医薬品の保管、取り扱い、投与に関する実態と課題について調査
2024年 4月から 7月にかけて、Google フォームを使用してアンケート調査を実施(2862人中191人が回答)
薬の保管は概ね適切であったものの、不適切な保管や誤飲の事例がいくつか確認
また、飼い主の薬が誤って床に落ちた際に、ペットが誤って摂取したり、摂取しようとしたケースが10件報告
ペットが薬を吐き出す、薬が苦い、投薬時間を個人のスケジュールに合わせるのが難しいといった課題を挙げる人もいた。
約20%の飼い主は、錠剤を砕いたり、液体を計量したりするなど、投薬前に薬を加工していた。
犬は人間に比べて嗅覚が非常に発達しており、ごく微かな匂いでも感知することができる。さらに、猫は苦味に非常に敏感であり、これが飼い主にとって投薬が困難な場合があり、剤形や嗜好性の改善が必要であることが示唆
薬剤師による医薬品管理に関する助言や教育活動は、ペットや子供への健康被害を予防し、医薬品の適切な使用を促進する上で有益である
ペットに投与する医薬品の味や嗜好性を調整するためには、動物病院からの処方箋を調剤する薬局が必要
【Pharmacy (Basel). 2024 Nov 29;12(6):179】
Current Situation for Pharmacists in Japanese Veterinary Medicine: Exploring the Pharmaceutical Needs and Challenges of Veterinary Staff to Facilitate Collaborative Veterinary Care
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11677796/
日本の小動物医療(small-animal medical care)における薬局の関与の現状を明らかにするため、小動物医療に従事する地域の獣医師と薬局スタッフを対象としたアンケート調査を実施
4017施設(薬局2000施設、動物病院2000施設、大学付属動物病院17施設)を対象とした2回の調査を実施。薬局スタッフから324件、動物病院スタッフから217件が回答
調査結果から、日本の伴侶動物の薬物療法を最適化するために薬剤師と獣医師の間で相互協力が必要であるという明確な認識が明らかになり、連携への関心が示された
2026年03月22日 20:54 投稿
