2月13日の官報で、指定濫用防止医薬品の成分と包装制限についての告知が行われています。
【厚労省医薬局長 医薬発0213第1号 令和8年2月13日】
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第三十六 条の十一第一項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する医薬品(告示)の適用 について
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001655325.pdf
【厚労省医薬局長 医薬発0213第2号 令和8年2月13日】
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第百五十九条の十八の六第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める数量(告示)の適用について
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001655157.pdf
【官報】
令和8年2月13日(本紙 第1646号)
https://www.kanpo.go.jp/20260213/20260213h01646/20260213h016460000f.html
| 成分名 | 一包装あたりの最大日数 |
|---|---|
| エフェドリン(外用剤を除く) | 5日 |
| コデイン(外用剤を除く) | 5日 |
| ジヒドロコデイン(外用剤を除く) | 5日 ただし、かぜ薬としての効能又は効果を有すると 認められる製剤にあっては7日 |
| ジフェンヒドラミン(外用剤を除く) | 5日 ただし、かぜ薬としての効能又は効果を有すると 認められる製剤にあっては7日 |
| デキストロメトルファン(外用剤を除く) | 5日 ただし、かぜ薬としての効能又は効果を有すると 認められる製剤にあっては7日 |
| プソイドエフェドリン(外用剤を除く) | 5日 ただし、かぜ薬又は鼻炎用内服薬としての効 能又は効果を有すると認められる製剤にあっては7日 |
| ブロモバレリル尿素(外用剤を除く) | 5日 ただし、解熱鎮痛薬としての効能又は効果を有 すると認められる製剤にあっては7日 |
| メチルエフェドリン(外用剤を除く。 ) | 5日。ただし、かぜ薬又は鼻炎用内服薬としての効 能又は効果を有すると認められる製剤にあっては7日 |
パブコメ結果も出ています。
まずは、成分指定についてです。
21番目が私の意見です。
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第三十六条の十一第一項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する医薬品(案)」に関する御意見募集の結果について
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/1040?CLASSNAME=PCM1040&id=495250269&Mode=1
主な意見と考え方を抜粋します
| 案に対する御意見の要旨 | 御意見に対する厚生労働省の考え方 |
|---|---|
| 私は登録販売者として店頭で医薬品販売に従事しておりますが、今回の「指定医薬品(案)」の拡大には反対いた します。理由を以下に申し述べます。
1. 慢性的な人手不足とアラート対応の増加による業務負担の悪化 |
現行の「濫用等のおそれのある医薬品」に指定され ている成分に加え、デキストロメトルファン及びジフェンヒドラミンを指定することとしていますが、これらについては、中枢作用を有し、離脱症状等が報告されており、濫用の実態も確認されていることから、指定濫用防止医薬品とすることが必要と考えています。 |
| 指定濫用防止医薬品の対象となる医薬品は風邪薬や抗アレルギー薬など多くの人が日常で使用する医薬品が多く含まれていることに加え、トローチや飴など現実的に多量服用が困難である医薬品も含まれていることから、含有成分で一律に規定するのではなく濫用の実態も踏まえた上、濫用防止と利便性のバランスに配慮した制度設計がなされる べき。 | 指定の範囲に関して、濫用の実態を踏まえ、外用剤については現時点では指定濫用防止医薬品の対象外とし、今後の濫用実態等を踏まえ随時見直しを検討することとしてています。 |
| デキストロメトルファンも含むとほぼ全ての風邪薬に説明が必要となり業務に差し支えが出そうなのでメジコン(咳止め)のみに限って説明が必要になるようにしてはどうでしょうか。 | デキストロメトルファンを含有する製剤について、メジコン以外の製品についても、濫用の実態が確認されており、濫用防止の観点から販売時に説明等が必要なことから、特定の製品のみ指定することは困難です。 |
| かぜ薬よりも頭痛薬に多く含まれている、アリルイソプロピルアセチル尿素も加えてほしいです。日本にはNSAIDs 単品の頭痛薬は販売が少なくて、店頭に山積みで手に取りやすいのは鎮静剤を含む合剤が多いです。薬に詳しくない一般の方が手に取るケースが多いので、もっとイブプロフェンやロキソプロフェンの単剤をまず手に取れるような環境になればよいと思っています | アリルイソプロピルアセチル尿素については、研究班報告書においても、薬理学的な情報や依存性に係る情報が少なく、依存症などの健康影響を評価していく追加試験が必要とされており、現時点では指定するにあたっての情報が十分ではないと考えています。
今後、定期的に濫用実態等の調査を行うとともに、海外状況等の調査を行うこととしており、それらの 果も踏まえ、指定成分等の範囲の見直しを含め、必要な対応を検討してまいります。 |
| 国内の頭痛治療の現場における実態および国際的な規制状況を鑑みると、アリルイソプロピルアセチル尿素は、そ の濫用を防止し、国民の保健衛生上の危害の発生及び拡大を予防するため、直ちに指定濫用防止医薬品に追加されるべきである。 | |
| アリルイソプロピルアセチル尿素についても追加を検討中と聞いていますが、ここ数年でオーストラリアや韓国でも規制対象になっており、インバウンド客への説明に戸惑うことがあります。こちらについても早急に対策をお願いしたいです。 | |
| デキストロメトルファン、ジフィンヒドラミンを指定し、カフェインを指定しない理由を教えてください。 乱用の報告のない製品が複数含まれている点は 3 成分とも同様と思いますので、「指定」の判断基準がよくわかりません。 | カフェインについては、飲料等にも含まれており、他の成分と同様に一律に指定濫用防止医薬品として販売規制を行うことは現実的ではないと考えています。 一方で、研究班報告書では、乱用される製品は一部に偏っているため、製薬会社に注意喚起等を求めることが指摘されているため、関係する製品の製造販売業者に注意喚起の徹底を働きかけてまいります。 |
| 案に出ている 8 つの成分の指定はに加えてアセトアミノフェンも追加で 指定すべきです。
・アセトアミノフェンについて 総合感冒薬にアセトアミノフェンが含まれています。過 剰摂取で成分自体の副作用以外に、肝障害の問題も出てき ます |
アセトアミノフェンについては、濫用の実態も確認で きておらず、現時点では指定するにあたっての情報が十 分ではないと考えています。 |
| 外用剤にはなるが、ナザールスプレーなどに含まれる血管収縮剤、も問題であると考える。薬剤性鼻炎を接客時に多々見られるため、ナファゾリンは含めた方がいいと強く思う。 また漢方内に含まれる麻黄にエフェドリンが含有されているため、麻黄指定するべきだ。葛根湯と総合風邪薬を同時にレジに持ってきて一般従事者はそれを知らずに通してしまう。これもとても問題と考える。 | ナファゾリン、麻黄については、濫用の実態も確認 できておらず、現時点では指定するにあたっての情報が十分ではないと考えています。 |
| 濫用性というよりは依存性に近いのがビサコジル等の刺激性下剤、目薬や点鼻薬の血管収縮剤である。 現場にいて往々にやめられなくなっている人を見かける。勿論見かけたときは注意喚起や生活改善の提案を行な っているが、こちらもその濫用性、リスクについては厚労省でも検討して欲しい。 | 今後、定期的に濫用実態等の調査を行うとともに、 海外状況等の調査を行うこととしており、それらの結 果も踏まえ、指定成分等の範囲の見直しを含め、必要 な対応を検討してまいります。 |
続いて、数量についてのパブコメについての結果です。
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第百五十九条の十八の六第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める数量(案)」に関する意見募集の結果について
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/1040?CLASSNAME=PCM1040&id=495250268&Mode=1
| 案に対する御意見の要旨 | 御意見に対する厚生労働省の考え方 |
|---|---|
| かぜ薬、鼻炎用内服薬又は解熱鎮痛薬の日数が 7 日分の数量を超えないものとされている理由は何か。鎮咳去痰薬は 5 日分の数量を超えないものに含まれるのか。 | 大容量となる包装単位については、厚生科学審議会等での議論を踏まえ、成分や薬効群ごとに、科学的知見も踏まえ、一回の使用期間や使用上の注意等の記載にも留意して検討することとされていました。
日数については、多くの製品の使用上の注意等の記載として5~7日を一定の目安とされていることや、一包装に含まれる成分量を一度に服用した場合の健康被害発生の可能性から、5日を超える数量を大容量とすることといたしました。 ただし、かぜ薬、鼻炎用内服薬及び解熱鎮痛剤については、診療ガイドライン等の記載を踏まえると一回の使用期間がやや長くなる場合もあることから、これらの医 薬品に含まれる成分量も確認の上、医薬品アクセスも考慮し、7日を超える数量を大容量とすることといたしました。 |
| 5 日分でも多い。病院でも 3 日分からで少し長くて 5 日分なので 3 日分のものもあっても良い。 | |
| 良くならないと感じてかぜ薬を飲むのをやめて受診を検討する、その区切り・きっかけとしては、より短い 5 日分包装の方が良い。7 日間かぜ薬をきっちり飲む人はあまりいない印象であり、7 日経過しても改善の傾向がみられな い風邪は病院を受診したほうが良い。 | |
| 市販薬には、症状が出る前に、症状が出たときに備えて自分や家族の分も購入しておくという常備薬の機能があり、常備薬があることによって実際に症状が出た場合や体調不良の際に外を出歩かなくて済むという側面があるところ、一律に 1 回購入あたりの量を規定し、その量を超え 場合にネット販売を禁止するという方法は、セルフメディ ケーションや医薬品へのアクセス確保の視点が欠落してい る。
18 歳以上であっても、一度に 5 日分(かぜ薬、鼻炎用 服薬又は解熱鎮痛薬は 7 日分)までしか従来通りの市販薬のネット購入ができなくなる場合、家族分の市販薬の購入ができなくなるなど適正使用者の医薬品へのアクセスが大きく阻害されることから、少なくとも基準は一律に 7 日分とすべき。 |
|
| 使用者の年齢等によって 1 日分の容量が異なる医薬品もあることから、1 日分の数量に関する定義を明らかにした上で、過度な規制とならないよう、また、国民に理解がされやすいよう、制度設計を行うべき。 | 1 日分の考え方については、年齢区分毎に異なる用法及び用量が設定されている場合、服用数量が最も大きくなる年齢区分を基準に判断することとなります。 |
| 小容量の定義が「5 日分以下」とされていますが、例えば6 錠包装で用法・用量が 1 日 3 錠までの薬剤の場合、服用状況によって 2 日から 6 日間の服用が可能となる。こうしたケースを踏まえ、小容量の考え方については、Q&A 等で具体的な例示を示していただきたい。 | 用法及び用量に幅がある場合は、1日の服用数量が最も大きくなる用法及び用量を基準に判断することとなります。 小容量の考え方について追って具体例をお示しする予定です。 |
個人的には、オーバードーズによる体への害の視点で考えれば、デキストロメトルファン等を含油数する鎮咳去痰薬、これらだけでなくアセトアミノフェンも含有する総合感冒薬の方が、オーバードーズの観点から考えればはるかに危険だと思います。
なぜ総合感冒薬と鼻炎薬だけ7日分まで認めたのでしょうか? やはり業界を配慮したものとしたしか思えません。
一方販売方法については、既に通知が行われています。
【厚生労働省医薬局長 医薬発1226第16号令和7年12月26日】
指定濫用防止医薬品の販売等について
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001628299.pdf
【厚生労働省医薬局総務課 令和8年1月30日】
指定濫用防止医薬品の販売等に係る質疑応答集(Q&A)について
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001649556.pdf
上記通知で注目は、複数個の購入を求められたときの対応です。
これははっきり言って酷いと思います。現場も対応に苦慮することと思います。
チェーンドラッグやOTCメーカーの「ファミリーユースで必要」という言い分を認めて、せっかく法律で決めたことをこうやって骨抜きにするのはどうなのでしょう。
指定濫用防止医薬品には海外持ち込み禁止の国もあります。
大包装品をどうしても売りたいなら、OTCメーカーは濫用成分抜きのものにすればと思います。
最後に指定濫用防止医薬品販売等手順書についての通知も出ています。
これを参考に手順書を作成することが求められます。
指定濫用防止医薬品販売等手順書に係る関係団体作成ガイドラインの周知について
(令和8年1月30日 医薬総発0130第2号)
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001649557.pdf
(公社)日本薬剤師会作成
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001649558.pdf
(一社)日本チェーンドラッグストア協会作成
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001649559.pdf
(一社)全国配置薬協会作成
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001649560.pdf
関連情報:TOPICS
2025.11.13 指定濫用防止医薬品の風邪薬などの大包装品は7日分までに制限へ(パブコメ実施中)
2026年02月21日 16:17 投稿

