どのようにすればオセルタミビルのスイッチが可能か?

オセルタミビルをOTC医薬品として再分類することの潜在的な利点とリスクを検証

J Infect Dis. 2025 Oct 17】
Improving Access to Influenza Testing and Treatment: Is It Time for Over-the-counter Oseltamivir?
https://academic.oup.com/jid/article/232/Supplement_3/S327/8287900

OTCオセルタミビルの利点
罹患者の治療後に家庭内でのインフルエンザ二次感染が減少する影響が報告されており、これはウイルス伝播を抑えるという潜在的な利点あり

OTCオセルタミビルのリスク(懸念)
安全性(吐き気などの副作用、腎機能低下者への対応)
耐性ウイルス蔓延の増加
不適切な使用や合併症の見落とし

OTC化された場合に想定される供給方法
・Over-the-counter モデル(セルフでの購入)
インフルエンザ以外の呼吸器疾患や細菌感染症への不適切な治療など、誤用のリスクが高い

パッケージには、使用前にインフルエンザ検査を推奨する指示や、臨床症状が悪化した場合の対処法に関する患者向けの指示を記載が必要

・薬剤師による相談を伴う店頭販売モデル
薬剤師は、曝露歴、症状、地域でのインフルエンザの蔓延、検査結果、潜在的な薬物相互作用に基づいて患者を評価できるため、監視が確実に行われるが薬剤師に負担がかかる
(ニュージランドは確かこのタイプ)

・陽性検査結果を必要とするカウンター内モデル
インフルエンザ感染が確認された個人に確実に投与され、有害事象や風邪などの症状への不適切な使用が減少するが、薬剤の利用が大幅に阻害される側面も

オンラインで検査結果確認という方法もあるが、配送などのコストはどうするのか

・家庭用迅速検査の活用
患者が薬剤師に抗原検査陽性結果を提示することで、薬剤師の負担を軽減しながら、治療へのアクセスを迅速化する

oseltamivir_otc

迅速検査、特に在宅検査は、この枠組みにおいて重要な役割を果たす可能性があり、タイムリーな診断と治療を可能にしながら、乱用リスクと医療従事者の負担を最小限に抑えることができる。オセルタミビルへのアクセスを拡大することで、公衆衛生対策が大幅に強化され、インフルエンザの負担が軽減される可能性がある。

TOPICS:
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2025年10月18日 21:32 投稿

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