学校教育現場が必要としている学校保健に関する課題のうち,学校薬剤師に参画して欲しい事項について調査
【YAKUGAKU ZASSHI 145(8) p723-732,2025】
公立学校における学校保健課題の調査—学校薬剤師が学校保健に参画するための健康課題の抽出—
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/145/8/145_25-00007/_html/-char/ja
千葉県船橋市教育委員会と千葉県船橋薬剤師会の協力で、学校長、養護教諭、体育主任(水泳プール環境衛生)、保健主事、理科主任、栄養教諭又は栄養士に、「学校薬剤師に参画して欲しい、貴校でのお困りごと」についてアンケートを実施
学校薬剤師に参画して欲しいと考える学校保健に関する課題として、スマートフォン等の依存、食べ残しや好き嫌い、睡眠不足、食物アレルギーやアナフィラキシーの対応、月経や生理痛の対応とする項目が挙げられた
くすりの正しい使い方、薬物乱用防止、喫煙防止教育、感染症対策、エナジードリンクの過剰摂取対策、熱中症対策、健康食品・サプリメントの適正利用などが回答者の半数以上で挙げられた
また、対象の学校薬剤師に対しても、「学校薬剤師として参画したい内容」について、調査を実施
学校薬剤師からは、「薬よりも生活改善について」「学校側がのぞむことの中で、できる限り参画したい」とする前向きのコメントがみられた一方、「薬物乱用防止教室のように報酬がない教室を多種行うのは難しいと考える」「実際に参画するとなると有給休暇を取得して行わなければならないので難しく感じる」「要望を直接うけたことがないのでわからない」といった声も寄せられた
研究者らは、学校薬剤師が学校保健に関するコーディネーターの役割を果たしている養護教諭との協働を進めていくため、要望された課題についての研修を個人で受講するなどの対応が必要だとして、学校薬剤師にも利用可能な教材や資料が提供が求められるとした。
2025年08月10日 16:09 投稿