全米ドラッグチェーンでは年間625万人への予防接種が実施

 日本での将来の新たな地域薬局の取り組みを考える上で、興味ある報告です。

Vaccinations Administered During Off-Clinic Hours at a National Community Pharmacy: Implications for Increasing Patient Access and Convenience
(Ann Fam Med. 2013 Sep-Oct;11(5):429-36. )
http://www.annfammed.org/content/11/5/429.long
http://www.annfammed.org/content/11/5/429.full.pdf

 この研究は南カリフォルニア大と全米チェーンのWalgreens と共同で行われた研究で、2011年8月~2012年7月にWalgreens pharmacy chain で行われたすべての予防接種の状況をまとめたものです。

 Walgreens でも研究結果について、プレスリリースを行っています。

More than One-third of Walgreens Vaccinations Administered Off-Hours, Demonstrating Value and Importance of Expanded Access and Convenience
(Walgreens 2013.09.11)
http://news.walgreens.com/article_display.cfm?article_id=5796

 調査結果によれば、Walgreens(全米 78,000店舗)では1年間に6,250,402人への予防接種が行われ、うち85%はインフルエンザだったそうです。

 残りの15%もワクチンで予防できる、帯状疱疹、肺炎、髄膜炎、A/B型肝炎、麻疹、風疹、水痘、ポリオ、HPVなど広範囲に及んでいます。

 また、接種が行われた時間は、30.5%がクリニックが開かれていない夕方や週末、休日に行われていて、高齢者ではない人、都市部、男性ではよりニーズが高く、昼休みを利用した接種も少なくなかったそうです。

 研究者らは、成人やティーンにおけるワクチン接種率が低い現状において、地域薬局がアクセスと利便性を高めて、予防接種の新たな接種機会を広げているとしています。

 報告によれば、Walgreens の26,000人以上の薬剤師は事前に基礎的トレーニングをうけているそうですが、仕事などで予防接種が受けたくても受けられない人にとってはやはり便利なものにちがいありません。

 日本ではまだまだ先に話にはなるとは思いますが、流行を防ぐための予防接種の接種率を向上を考えると、アクセスを改善させるため、地域薬局の活用というのも検討する必要があるかもしれません。

関連情報:TOPICS
 2012.09.22 インフルエンザ予防接種も薬局ビジネス(米国)


2013年09月14日 00:38 投稿

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