ラジレス情報(カナダ)

 ヘルスカナダ(Health Canada)は23日、ノバルティスのカナダ法人が18日付けで医療専門職向けに宛てた安全性情報(Letter)を明らかにし、今回の情報を支持するとしています。

RASILEZ (aliskiren) and RASILEZ HCT (aliskiren/hydrochlorothiazide) – Potential Risks of Cardiovascular and Renal Adverse Events in Patients with Type 2 Diabetes – For Health Professionals
(Health Canada 2012.01.23)
http://www.hc-sc.gc.ca/dhp-mps/medeff/advisories-avis/prof/_2012/rasilez_hpc-cps-eng.php

 注意喚起の内容は日本と同じ(TOPICS 2011.12.28)ですが、違いは臨床試験ALTITUDE の中間解析結果の内容の一部が明らかになっていることです。(カナダでも329人がこの臨床試験に参加)

 その結果を見ると、有意差があったのはNon-fatal stroke(非致死性脳卒中)の1.34倍(HR1.34 95%CI 1.01-1.77)のみですが、統計上の有意差はありませんがResuscitated sudden death(心肺停止で蘇生という意味?)がプラセボより多い(HR1.64、13人対8人)というのも目に留まります。

 非致死性脳卒中が34%増ということが、やはり今回の臨床試験中止につながったのでしょうか?

関連情報:TOPICS
 2011.12.28 糖尿病患者へのラジレスとARB/ACEの併用回避を勧告
 2012.01.11 ラジレスとARB/ACEの併用は高カリウム血症のリスクを高める

 


2012年01月24日 23:14 投稿

コメントが2つあります

  1. アポネット 小嶋

    日本語訳概要が、海外公的機関 医薬品安全性情報Vol.10 No.3に掲載されました。

    海外公的機関 医薬品安全性情報Vol.10 No.3
    http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly10/03120202.pdf#page=12

    “Resuscitated sudden death”は、「心停止からの蘇生」と訳されています。

  2. アポネット 小嶋

    関連情報です。

    浜六郎の臨床副作用ノート~アリスキレンALTITUDE試験中止の原因~
    (集中 MEDICAL CONFIDENTIAL 2012.04.16)
    http://medical-confidential.com/confidential/2012/04/altitude.html