改正薬事法等に対する都民の認識は未だ不十分(東京都)

 東京都は26日、今年初めに行った一般用医薬品に関する都民の意識調査の結果を公表しています。改正薬事法後行政が行う初めての意識調査であり、興味深い結果となっています。

一般用医薬品に関する都民の意識調査の結果について
(東京都福祉保健局 2011年7月25日)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2011/07/60l7p400.htm

 この調査は、改正薬事法に対する都民の意識を把握し、今後の医薬品の安全確保施策を推進するための基礎資料とするために行われたもので、対象は都内在住者 6,000件で、調査員が郵便受けに調査票を配布し、郵送により回収するという方法で行われています。(回収数2,054件、回収率34.2%)

 調査では、「医薬品の購入の現状」「医薬品に関する意識」「薬局・ドラッグストアへの期待」「かかりつけの薬局についての意識」などについて尋ねています。

 結果によれば、この1年間に薬局やドラッグストアで医薬品(処方せん調剤を除く)を購入したことがないと答えたのはわずか8%で、大部分の都民が一年間に何らかの医薬品を購入しています。

 1年間で購入した医薬品は、「風邪薬」が50.9%で最も高く、以下「目薬」42.8%、「胃薬、整腸薬、消化薬」38.8%、「貼り薬(シップ薬など)」34.2%などが続いています。また、男性に比べ女性の方がこれらの比率がいずれも5~10%高くなったそうです。

 その他医薬品についての項目については次のような回答が得られています。

  • 「セルフメディケーション」という言葉の認知度→19.7%(但し、若い世代では高い)
  • 登録販売者の認知度→40.0%(年齢に大きな差はない)
  • 一般用医薬品区分の認知度→35.8%(但し、若い世代では高い)
  • 第1類医薬品の説明は薬剤師が行わなければならないことの認知度→76.3%(高齢女性では高い)
  • 医薬品購入時の医薬品についての質問や相談の経験がある→59.8%(30~40代の女性で高い)
  • 医薬品副作用被害救済制度の認知度→16.7% 

 また、薬局やドラッグストアへの期待について自由に記入してもらったところ、延べ564件の意見が寄せられています(医薬品の詳細な説明(効能・効果・副作用など)について→103件、薬剤師の常駐と増員について→64件、安全性・安心感について→47件)

 一方、かかりつけ薬局に関するものとして、「処方せんが交付された時に、決まった薬局で調剤してもらっていますか。」と尋ねたところ、「どの診療所などを受診した場合にも利用する薬局を1か所に決めている」と答えたのは28.8%に留まり、「受診する診療所ごとに利用する薬局を決めている」と答えたのは54.4%に達したそうです。

 東京都では、新販売制度や一般用医薬品の区分の認知度など、改正薬事法等に対する都民の認識は未だ不十分な状況にあるとして、引き続き医薬品の安全確保施策の推進を図っていきたいとしています。

一般用医薬品に関する都民の意識調査【報告書】(PDF形式:2.55MB)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2011/07/DATA/60l7p401.pdf


2011年07月26日 22:57 投稿

コメントが2つあります

  1. 改正薬事法及びセルフメディケーションについて
    医薬品の販売方法(ネット販売・セルフ化)や、セルフメディケーションへのもっと突っ込んだ設問がなされてない!相変わらずお役所、既得権益よりのアンケート調査にはがっかりだ。

  2. アポネット 小嶋

    確かにそうですね。

    法律を作った側がどれだけ法律が認知されているかを調べたものですから仕方ないかもしれません。

    ただ流行のインターネット調査ではないので、他の報告とは若干結果違うように思われます。