リネゾリドとセロトニン症候群(米FDA)

 米FDAは26日、MRSA 感染症に使用されるオキサゾリジノン系合成抗菌剤のリネゾリド(ザイボックス)について、SSRIやSNRI などセロトニン系に作用する薬剤と併用するとセロトニン症候群を発現する可能性があるとして注意を呼びかけています。

FDA Drug Safety Communication:
Serious CNS reactions possible when linezolid (ZyvoxR) is given to patients taking certain psychiatric medications
(Drug Safety and Availability 2011.06.26)
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm265305.htm

 日本では既に添付文書(→PMDA)に、「本剤は非選択的、可逆的MAO阻害作用を有する」として、セレギリンやSSRIとの併用は注意するよう記載されていますが、米国でもFDAに死亡例を含む有害事象が報告されていることや文献による症例報告などもあることから、今回の注意喚起となったようです。

’Drug interactions linezolid serotonin’ をキーワードで
         PubMedでヒットする文献→リンク (結構あります)

 FDAではリネゾリドを投与する場合には、セロトニン系に作用する薬剤(三環系抗うつ薬なども含む)は2週間前までに中止すること(但し、フルオキセチンについては5週間前)や、セロトニン系に作用する薬剤を投与(再開)する場合には、リネゾリドによる最終投与から24時間経ってから使用するよう呼びかけています。

 重篤副作用疾患別マニュアルでも、この相互作用については触れられていますね。

重篤副作用疾患別対応マニュアル・セロトニン症候群
http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1j13.pdf

 日本でも添付文書の変更となることでしょう。

 なお、FDAでは同日、メチレンブルー(検査薬として使われているらしい。日本ではヒト用には承認されていない?)についてもMAO阻害作用があるとして、同様の注意を呼びかけています。

FDA Drug Safety Communication
Serious CNS reactions possible when methylene blue is given to patients taking certain psychiatric medications
(Drug Safety and Availability 2011.07.26)
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm263190.htm


2011年07月27日 14:24 投稿

Comments are closed.