第5回ジェネリック医薬品品質情報検討会

 2007年10月にまとめられた「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」において、品質確保のための国による取組みとして、「ジェネリック医薬品品質情報検討会」が設置されていますが、9月15日に第5回の検討会が非公開で開催され、このほど議事概要と資料が公表されています。

ジェネリック医薬品品質情報検討会(国立医薬品食品衛生研究所 ウェブサイト)
  http://www.nihs.go.jp/drug/ecqaged.html
第5回ジェネリック医薬品品質情報検討会 議事概要
  http://www.nihs.go.jp/drug/ecqaged/5Generic.html

 第5回検討会ではまず、第2回および第3回検討会で製剤WGの検討対象となった製剤の試験結果の報告が行われています。

 今回検討が行われたのは、ウルソデオキシコール酸錠(50mg錠6製剤、100mg錠9製剤)、エチゾラム錠(0.5mg錠16製剤)、シメチジン錠(200mg錠21製剤)、チクロピジン塩酸塩錠(100mg錠15製剤)、テオフィリン徐放ドライシロップ(9製剤)、ニカルジピン塩酸塩錠(20mg錠11製剤)、ニフェジピンCR 錠(20mg錠6製剤)、ニフェジピンL 錠(20mg錠16製剤)、ビペリデン塩酸塩錠(1mg錠3製剤)、ランソプラゾールカプセル(15mgCap10製剤)溶出試験と、プラバスタチンナトリウム錠(5mg錠25製剤、10mg錠25製剤)、リマプロストアルファデクス錠(5mg錠7製剤、10mg錠1製剤)の含量均一性試験です。(資料5-1)

 その結果、シメチジン錠の1製剤(ダンスール錠200mg)、チクロピジン塩酸塩錠の2製剤(マイトジン錠、チクピロン錠100mg)、ビペリデン塩酸塩錠(タスモリン錠1mg)で溶出試験における溶出挙動の類似性が十分でなかった(許容の範囲でなかった)そうです。指摘を受けたメーカーでは、添加物や打錠法など製造方法の見直しなどの対応策を行ったとのことです。(タスモリン錠1mgについては、試験装置や試験操作の差に起因する可能性も)

 また、後発医薬品メーカーからの、「イトリゾールカプセル50(先発製剤)のロット間で溶出プロファイルのばらつきが大きいのではないか」との指摘を受けて行われた調査結果が発表され、最高血中濃度(Cmax)及び血中濃度-時間曲線下の面積(AUC)のいずれにおいても、ロット間で生物学的に同等であると判定することができないとの報告が行われています。

 これについて検討会では、「イトラコナゾール製剤のように水に溶けにくく、良好な吸収性を確保するために特別な製剤加工を必要とする医薬品においては、製剤技術上、均一な品質を有する製剤を製造することが難しいことが多い。」としながらも、メーカーに対しては、「当該製品について生物学的同等性が得られなかった原因の検討を行い、ロット間のばらつきを最小化する製造管理方法の検討と確立を速やかに行う必要があると考える。」との見解が示されています。(→ジェネリック医薬品品質情報検討会のイトラコナゾール製剤に対する見解

 さらに検討会では、平成21年9月〜平成22年3月の文献及び学会発表(資料5-3-2)や、平成21年度の下半期に医薬品医療機器総合機構に寄せられた相談内容等(資料5-4-1、相談は3月に急増しています)(資料5-4-2)の検討が行われ、後発医薬品の品質に明らかに問題があることを示すものはないとの評価が行われた一方、文献等で取り上げられたものについて、当該文献等の内容のみでは後発医薬品の品質について判断できないとして、念のため下記の製剤についてワーキンググループ(WG)で検討することになりました。

  • ニトレンジピン錠(溶出試験)
  • プレドニゾロン錠(溶出試験)

 また、今回はや厚労省直接相談があった事例(資料5-5)についてが説明が行われ、さらに情報を注視することとされたそうです。

関連情報:TOPICS
  2010.01.22 第4回ジェネリック医薬品品質情報検討会
  2009.07.15 第3回ジェネリック医薬品品質情報検討会
  2009.01.07 第2回ジェネリック医薬品品質情報検討会
  2008.08.30 第1回ジェネリック医薬品品質情報検討会


2010年10月07日 16:22 投稿

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