ブフェキサマク販売中止情報、確実に行き渡るだろうか?

 OTC医薬品についても、各団体に文書が6日付で送付されています。下記文書(一部改変)を入手しました。

 業界団体向けの文書であり、公表すべきではないとの意見があるかと思いますが、内容の重要性と、同様のアナウンスが医療用医薬品についても行われていると判断し、掲載しました。

2010年 5月6日

(送付先)
日本置き薬協会
全国配置家庭薬協会
社団法人全日本医薬品登録販売者協会
日本チェーンドラッグストア協会
日本医薬品登録販売者協会
全国医薬品小売商業組合連合会
社団法人日本薬剤師会
各 位

OTCブフェキサマク対応協議会

湿疹・皮膚炎用薬「ブフェキサマク」製剤(一般用医薬品)の販売終了について

 今般、外用湿疹・皮膚炎用薬「ブフェキサマク」製剤(一般用医薬品)について、全ての製品の販売を終了することといたしました。

[製品の概要]
一 般 名:ブフェキサマク
製 品 名:別紙(改変)
薬効分類:消炎鎮痛剤
製薬企業:別紙(改変)
適  応:湿疹,皮膚炎,かゆみ,かぶれ,ただれ,おむつかぶれ,あせも, 日やけに伴うほてり・いたみ・かゆみ,虫さされ,しもやけ

[販売終了を決定した背景]
 ブフェキサマクは、非ステロイド性抗炎症成分であり、主として外用剤として使用され、1977年に医療用医薬品が発売され、その後一般用医薬品(第二類医薬品)としても販売してまいりました。

 この間、2005年に、医療用医薬品において接触皮膚炎が全身に広がり治療が必要となる症例が国内にて報告されたことから、医療用医薬品においては、使用上の注意の「重大な副作用」において接触皮膚炎について注意喚起を行い、一般用医薬品においても「使用上の注意」を改訂し適正使用の徹底を図ってまいりました。

  一方、欧州におきまして、ドイツでの行政措置の可否を検討する趣旨で開催された欧州医薬品庁(EMA)の諮問委員会(CHMP)が、その検討結果として、2010年4月22日にブフェキサマクの副作用(接触皮膚炎)に関するリスクは本剤の治療上の便益を上回ること、本剤による接触皮膚炎と治療対象の皮膚疾患の鑑別が難しく、かえって症状を悪化させる場合があること等から、欧州共同体(とその加盟国)に対して外用剤のブフェキサマクの販売許可を取りやめるよう、勧告を行いました。

 わが国における本製剤(一般用医薬品)に関る重篤な副作用報告は、全社合計で接触皮膚炎5件(過去3年間)でしたが、欧州での状況に鑑み、様々な方面よりご意見を伺いながら検討を進めた結果、代替医薬品も販売されていることや、予防的な対応という趣旨から、今後のお客様に対する便益とリスクを勘案し、この度、ブフェキサマク製剤の販売を終了することといたしました。
何卒ご理解の程、お願いいたします。
                        

以上

(追加情報)

今般4月22日に欧州における再審査審議結果が公表されましたので、Q&Aの形で追加情報を提供させていただきます。

Q1:欧州でのブフェキサマク製剤の再審査の結果の発表内容はどのようなものか?
A1:2010年4月22日付け(日本時間で4月23日未明)、欧州医薬品庁(EMA)の諮問委員会であるCHMPが、ブフェキサマクの副作用(接触皮膚炎)に関するリスクは本剤の治療上の便益を上回ること、本剤による接触皮膚炎と治療対象の皮膚疾患の鑑別が難しく、かえって症状を悪化させる場合があること等から、欧州共同体(とその加盟国)に対して、外用剤のブフェキサマクの販売承認を取りやめるよう、勧告を行いました。

Q2:欧州では販売承認取り消しとのことだが、日本のブフェキサマク製剤はどうなるのか?
A2:一般用医薬品の製造販売元9社は、全てブフェキサマク製剤の製造終了を決定しました。

Q3:製品回収はしないのか?
A3:今般の販売中止については、欧州の状況を鑑み予防的な観点から販売の終了を決定したものであり、現状、国内で安全性上重大な副作用等の大きな問題が発生しているわけではないことから回収を要するものとは考えておりません。
なお、欧州でも回収の勧告は出ておりません。

Q4:小売店側は販売をしても良いのか?
A4:今後、販売される際にはお客様の安全確保に努めていただきますようお願いいたします。 販売されることに法的な問題はありませんが、欧州では現在使用中の患者は医師(もしくは薬剤師)に相談すべきとされており、新たな患者への使用は避ける勧告になっております。国内でも全ての一般用医薬品メーカーが製造を中止し、販売を終了いたします。このことをお客様にお伝えいただいた上での販売をご考慮いただきますようお願い申し上げます。

Q5:行政当局から指示があったのか?
A5:欧州での状況に鑑み、様々な方面よりご意見を伺いながら各社自主的に販売を終了するものです。厚生労働省へも販売終了について報告しています。

OTCブフェキサマク協議会 構成企業/製品一覧

  • 近江兄弟社メンタームメディッドクールスプレー(株式会社 近江兄弟社)
  •  ヒリピタクール(小林製薬株式会社)
  • ポリマッククリーム(佐藤製薬株式会社)
  • ヒフマックエース軟膏 ヒフマックエースクリーム ヒフマックA軟膏、イブニックエース軟膏(新生薬品工業株式会社)
  • モデフールクリーム、 ラブマッククリーム(ゼリア新薬工業株式会社)
  •  ロバックS軟膏 ロバックSクリーム(武田薬品工業株式会社)
  •  テレスソフト(テイカ製薬株式会社)
  •  ピフォニー、ロマーナクリーム ダイアフラジン軟膏、ピフォニーPV軟膏(東光薬品工業株式会社)
  •  マクナリス、マクナゾール サイドミンクリーム、スーパスクリーム(株式会社 雪の元本店)

 ブフェキサマク製品を販売しているメーカーは、すでに対応していたんですね。でも、現時点で私の所には薬剤師会ルートでのこの連絡はありません。栃木県だけの問題かもしれませんが、「OTC医薬品の販売の責任者」を自認するなら、日薬もこの情報を全国一斉送信にするとか、定例記者会見で対応について発表するなどの措置がとられるべきではないでしょうか。

 また、メーカーも団体や卸を通じて情報を流せば、末端にまで情報が流れるとの考えのようですが、薬剤師会などの団体に所属しない薬局・薬店(店舗販売業)は少なくありませんし、これらの製品を購入するルートもさまざまであり、この文書を目にしない人も出てくると思います。

 これまでもOTC薬等の添付文書の改訂や販売中止の告知(TOPICS 2010.02.022009.08.102009.09.11 など)がありましたが、本当に伝達がきちんと行き渡っているのかどうか、私は大いに疑問です。

 また、消費者・患者さんに対しても不親切だと思います。医科向け製品も含め、手元にある薬を使っている人、これから使おうとする人がいるかもしれません。

 製品を回収しないまでも、OTC医薬品協会やメーカーはHPで販売中止とその理由を告知すると共に、欧州のように、本剤を使用する人、使用中の人は医師(もしくは薬剤師)に相談するよう呼びかけるべきではないでしょうか。

関連情報:TOPIC
 2010.05.12 ブフェキサマク外用薬の販売中止が決定(update)
 2010.04.24 ブフェキサマクの承認取り消しを勧告(欧州医薬品庁医薬品委員会)
 2010.01.26 ブフェキサマク外用薬の承認見直しか(EU)

参考:読売新聞 5月11日
 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100511-OYT1T01164.htm


2010年05月14日 14:29 投稿

コメントが3つあります

  1. アポネット 小嶋

    他県の方から、都道府県薬会長宛に10日(一般用医薬品)、11日(医療用)に日薬から通知が発出されているとのメールを頂きました。(内容は見ていません)

    既に、会員向けページにこの情報をアップしている県もあるようですが、HPに毎日アクセスする人はそうはいないでしょうから、内容の重要度を考えればやはりFAXで一斉送信が必要だと思いますね。

    消費者や患者さんから質問されて、「知りませんでした」などというのは恥ずかしい話です。

    また、今日の時点でも、武田ヘルスケア・小林製薬の一般向けサイトでこのことに言及していないのも気がかりです。自主的販売中止なので仕方ないのかもしれませんが。

  2. アポネット 小嶋

    13日付で各都道府県衛生主管部(局)宛に発出された、「ブフェキサマクを含有する医薬品の取扱いについて」という通知が、日本薬事法務学会ウェブサイト(http://www.japal.org/)に掲載されています。(こういった学会があるとは知りませんでした。掲載ありがとうございます)

    【事務連絡】ブフェキサマクを含有する医薬品の取扱いについて
    (日本薬事法務学会ウェブサイト)
      http://www.japal.org/contents/dom/notice/000230.html

    通知によりますと、厚労省のスタンスとしても、日本では本剤の使用による重篤な副作用の報告は限定的で、直ちに安全性に重大な懸念がある状況ではないとしたうえで、現在製造販売承認を有している品目についてのすみやかな承認整理届の提出、ブフェキサマクを含有しない医薬品の製造販売への切り替えについてなどについて求めた他、承認整理に伴い、回収を行う必要はないとしています。

    販売者への情報徹底や、消費者への注意喚起については、現場の判断にまかせるということのようです。業界団体の役割は重要ですね。

  3. 登録販売者の資格のある上層部の担当者からなんの対応策も示されず、テキストの中でも重点が置かれていた情報収集や伝達についての認識不足というか唯の販売者としか思えないことがありました。
     製造中止で、回収命令でないと言うことのようです。